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命に関わる「取り返しがつかない結果」になる前に。難民の報道をめぐるガイドブックがつくられた

難民について報道するとき、記者やカメラマンが気をつけるべきこととは……?NPO法人・難民支援協会が「難民の報道に関するガイドブック」をつくりました。

メディアが「難民」について報じる時に、気をつけるべきことは……?

日本に逃れてきた難民をサポートするNPO法人「難民支援協会」が6月6日、『難民の報道に関するガイドブック』を公開しました。

報道には果たすべき役割があります。一方、難民申請中で不安定な立場だったり、母国にいる家族が迫害を受ける危険性があったりする場合、配慮が必要です。

「報道によって難民への共感が広がることを願う一方、難民に重大な被害が生じてはならない」という思いからつくられたガイドブック。

その内容と、発行の背景を取材しました。

約10ページにまとめられたガイドブックには、「難民の取材・報道に必要な配慮」「報道によるリスク」「用語集」などの項目があり、難民に関する取材に活用できる内容になっています。

難民支援協会広報部の伏見和子さんはBuzzFeed Newsの取材に、ガイドブックについて、こう語ります。

「難民の報道にあたって最初に留意いただきたいことをまとめているので、日本に逃れた難民の方の取材や報道をする際にまず目を通し、参考にしてほしいと考えています」

「特に難民の方々にとって、報道によりどのようなリスクがあるかをまとめているので、報道の形を検討する際にぜひ活用してほしいです」

メディア向けの情報のほかに、取材を受ける当事者もリスクや注意点について取材前に理解できるよう、取材を受ける難民の人向けに、英語とふりがな付きの日本語でのチェックリストも用意されています。

この度、『難民の報道に関するガイドブック』を発行しました。 難民に関する報道が増える中、当事者の方々に被害が生じてはならないという思いから、難民の報道にあたって留意いただきたいことを、その背景とともにまとめています。 以下から閲覧・ダウンロードできます👇 https://t.co/iDx7lTbncb

Twitter: @ja4refugees

ガイドブックの冒頭で「報道のされ方によって、その方自身や関係する人にとって取り返しがつかない重大な結果につながることもあります」とし、リスクや配慮について理解する重要性を指摘。

特に、氏名、写真、出身国、難民となった・逃れてきた具体的な経緯を本人が特定される形で表現することのリスクを説明し、実際に過去に起きた問題の事例も紹介しています。

きっかけは入管法改正案や五輪選手めぐる報道。ウクライナ避難民も増加…

ガイドブックをつくることになったきっかけは、2021年の「入管法改正案」をめぐる報道や、東京オリンピックで庇護を求めた五輪選手についての報道でした。

難民申請者や庇護を求めた選手の本名や顔、詳細な状況を報じる報道に「懸念を感じ、協会でガイドブックをつくることを決めた」といいます。

現在は、ウクライナからの避難民も増加し、それに伴った報道も増えているため、ガイドブックの活用を呼びかけています。

発行に際しては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が出している報道ガイドラインや、他分野のガイドラインなども参考にしました。

作成にあたり、難民について普段から取材、報道している新聞社や通信社、テレビ、ウェブメディアの記者・編集者の意見の聞き取りもした上で、第1版として公開しました。

難民支援協会のウェブサイトから閲覧・ダウンロードすることができます。

今後、状況に合わせて内容をアップデートする予定です。

サムネイル:getty image