ハーネスをつけた仕事中の姿や、ハーネスを外して、ぬいぐるみで遊んだり、お昼寝をしたりする姿…。
愛くるしい盲導犬柄のクッキーが、Twitter上で話題になっています。

盲導犬の絵やデザインを担当したのは、イラストレーターのセツサチアキさん(@setsusachiaki)。
セツサさんが、この赤い缶の新しい盲導犬クッキーのデザインをツイートすると、1万以上いいねがつき、6千以上リツイートされました。
実はこれ、クッキーの老舗ブランド「泉屋東京店」と盲導犬総合支援センターのコラボ商品。
いったい、どんな狙いが……? BuzzFeed Newsは盲導犬総合支援センターの担当者に話を聞きました。
今年のテーマは「盲導犬のONとOFF」

一般社団法人「盲導犬総合支援センター」によると、コラボは2017年から始まり、今回で4回目。2020年の新しいデザインのテーマは「いつでもハッピーな盲導犬のONとOFF」です。
ONではハーネスをつけて、盲導犬ユーザーさんのガイドの仕事をしっかり務めますが、OFFでは、蝶を眺めたり、ぬいぐるみで遊んだり…。
ハーネスは盲導犬が体につけている白い胴輪のことで、ハーネスを通して盲導犬の動きが、使用者に伝わるのだそうです。
普段、街中では盲導犬のONの姿しか見ることのない私たちに、色んな姿を見せてくれています。

このクッキーは、同センターが運営するオンラインショップ「盲導犬サポートSHOP」で販売されています。
盲導犬サポートSHOPは、補助犬の育成事業や障がい者の社会参加促進活動を応援できるチャリティーグッズをオンラインで売っています。
同センターで広報を担当する岩間智美さんは「盲導犬がウェルカムな町を目指して、盲導犬のお仕事について知ってもらえればと思います」と語ります。
「お手伝いしましょうか?」盲導犬ユーザーへの声かけ

クッキー缶には、黄色い、手のひらサイズの「声かけパンフ」が入っています。
このパンフレットには、盲導犬ユーザーの方が街中で困っていたら、どのように声をかけてサポートすればよいのかということが書かれています。

広報の岩間さんは「声をかけても良いものか分からなかったという声はよく聞きますが、盲導犬ユーザーさんがキョロキョロしていたり、迷っている様子で立ち止まっている時は、ぜひ声をかけてあげてください」と話します。
声かけパンフや岩間さんによると、盲導犬ユーザーの方は、頭の中に描く地図を頼りに目的地に向かい、盲導犬は障害物を避けたり、段差や角を教えたりします。
ユーザーさんが困っている場合は、「お手伝いしましょうか?」と気軽に声をかけ、手伝える内容を聞くことで、サポートできるということです。

盲導犬総合支援センターでは、盲導犬ユーザーの方にインタビューし、どのような声かけやサポートが必要かを聞き、生の声をもとにパンフレットを作成。
声かけパンフは、同センターのサイト上でPDFで公開されています。
クッキーの他にも、色々な盲導犬コラボグッズが
クッキーの他にも、盲導犬サポートSHOPでは、盲導犬関連のチャリティーグッズが多く売られています。
榮太樓總本舗とのコラボレーションでは、盲導犬がパッケージに描かれた飴や、おかきなども販売しています。
おかきのピーセンのパッケージは、箱の取っ手部分が盲導犬のハーネスのデザインになっています。

お菓子の他にも、盲導犬が描かれた卓上カレンダーや年賀状などもあります。
日常で使えるアイテムから、プレゼントとして贈ることを想定した商品まであり、日々使用している中で周りの人が目にしたり、プレゼントとして贈られた相手にも、盲導犬について親しみを持ち、知ってもらうことも狙いです。

岩間さんは話します。
「まだまだ一般的に、盲導犬についての情報が知れ渡っていなかったり、盲導犬同伴の飲食店のお断りなどが多いのが現状です」
「クッキー缶はギフトに使っていただき、プレゼントされた方にも興味を持って頂けたら嬉しいです。チャリティーグッズなどを通して、たくさんの方に盲導犬について知って頂き、もっと理解が深まればと思います」