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「名前は自分自身」「名字が違っても家族です」ある女性の思い

10月31日に投開票日を迎える衆院選で、ある女性が初めて投票します。女性が一票に託す思いは、選択的夫婦別姓の実現。思いを聞きました。

10月31日に投開票日を迎える衆院選で、ある女性が初めて投票します。

女性が一票に託す思いは、「選択的夫婦別姓の実現」。

なぜ今回の選挙で、投票を決意したのか。

初めて投票所に足を運ぶ思いを聞きました。

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(イメージ写真)

「投票しても何も変わらないと思っていた」。

百貨店で派遣職員として働く40代の女性が、これまで選挙に対して抱いていた思いです。

衆院選の有権者数は1億562万2758人。

1億562万分の1の自分が投票しても、社会は変わるのだろうか。そんな思いがありました。

しかし、今回の選挙では「選択的夫婦別姓」が争点の一つになっていることから、投票を決めました。

現在の女性の名字は、母親の旧姓。女性が成人してから両親が離婚した時、自分の意思で母方の名字を名乗ることを選んだといいます。

「私自身は結婚式はしましたが、入籍はしませんでした。この名字自体が好きですし、一生この名前と決めています」

「私たち別姓希望者は、なにも日本中に別姓を薦めたいのではありません。個々の自由で選ぶ権利がある、と言っているだけなんです」

「名前は『自分自身』」だと女性は話します。

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選択的夫婦別姓を求める意見には様々な声がありますが、なかには旧姓を使う人が海外出張や海外で学位を取得する場合に、不都合が生じるケースも。

厚生労働省の調査では、2015年時点で、婚姻時に妻の名字を選んだ夫婦は全体の4%のみ。

残りの96%のカップルでは女性が夫の名字に変更しており、多くの女性が煩雑な変更手続きや、2つの名字の使い分けで苦労を強いられています。

名字が違うと“絆”が壊れる?家族の絆は名字でなく愛情

高市早苗氏や山谷えり子氏が発起人となり、2020年につくられた自民党の有志議員による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」は、選択的夫婦別姓に「家族の絆に深く関わる。子どもたちの心への影響を考え、慎重な対応をするべきだ」などの理由で反対しています。

反対派の「家族の絆が壊れる」「家族の一体感が壊れる」との意見に、女性は異論を唱えます。

「名字が違っても、想い合い、助け合う夫婦もいます。『名字が違うと絆が薄い』というのは、周りが勝手に決めたイメージ像です。絆とは、愛情そのもの。愛情によってのみつくられ、お互いを想い合う時間によって強くなりゆくものだと思います」

「逆に、別姓を家族と認めないせいで、絆が引き裂かれています。(別姓で結婚できないために)緊急時に会えないなど、想い合う2人の絆を、不条理が引き裂いてしまいます。家族の絆が大切ならば、別姓を認めるべきです」

また、「家族は同姓であるべき」という考え方に対しては、こう述べます。

「両親は、そもそも他人。例えば離婚して名字が異なっても、親は親。父方の祖父と母方の祖母とは、名字は違いますが、どちらも同等に家族です」

「結婚して名字を変えた兄弟姉妹も、いつまでも家族です。名字が違うと家族じゃないなんて、理論が成り立ってないと思います」

日本人と外国人の夫婦では別姓が認められていることも挙げ、「日本人同士だと許さないというのもおかしい」と指摘します。

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(イメージ写真)

衆院選の公約では、公明党、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組が選択的夫婦別姓の実現について賛成しています。

共同通信などの報道によると、自民党が10月12日に公表した公約では、原案にあった「夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方についてさらなる検討を進める」という一文が削除されていました。党内の、制度導入慎重派に配慮した可能性があるといいます。

NHKが2021年3月に実施した世論調査では、選択的夫婦別姓について、56.9%が「同じ名字か、別の名字か、選べるようにするべきだ」と答えています。

他の選択肢では、39.7%が「夫婦は、同じ名字を名乗るべきだ」で、3.4%が「分からない、無回答」でした。(調査期間は3月26〜28日、有効回答数は1508人)

また、2020年には「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」と早稲田大学法学部・棚村政行研究室が、全国の20〜59歳を対象に合同調査を実施。70.6%が選択的夫婦別姓に「賛成」し、「反対」の14.4%を大きく上回りました。

選択的夫婦別姓の実現を求める人は多いのに、政治はなぜーー。女性は「より良い世界を目指し、少しでも不条理を是正してほしい」と、投票所に足を運びます。

BuzzFeed News

10月31日に投開票される衆院選。

「経済的に苦しい」「政治に不満がある」。様々な思いを抱え、この選挙で初めて投票する人たちがいます。

BuzzFeed NewsはWebアンケートと取材を通じ、「私が初めて選挙に行く理由」を聞きました。