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もし、ビルで火災が起きたら…? すべきこと・してはいけないこと。

オフィスビルなど自分がいる建物で火災が起きたら、どう行動すればいいのでしょうか。避難の方法や注意点について、京都市消防局がパンフレットや動画で説明しています。

大阪市北区のビルで12月17日午前、火災が発生しました。報道によると、17日午後5時点で19人の死者が出ています。

この火災の状況は捜査中で詳しく分かっていませんが、一般的にオフィスビルなど自分がいる建物で火災が起きたら、どう行動すればいいのでしょうか。

避難の方法や注意点について、京都市消防局がパンフレットや動画で説明しています。京都市消防局に話を聞きました。

京都市消防局は取材に対し、ビルなどで火災が発生した際、避難で気を付けるべきことは、このような点だと話します。

・異常を感じたらすぐに行動。避難を

・階段での避難が大切。エレベーターは使わない。煙で階段が使えなければ避難器具を使って逃げる

・いつも使う建物の非常口の場所は?階段は?事前に知って、避難のポイントも把握しておこう

避難の注意ポイントについて、詳しく見ていきます。

京都市消防局がまとめた「火災から命を守る避難」では、下のイラストのように、火災人命危険レベルを1から3の段階に分けて、避難行動の例を示しています。

煙がなく階段が使える時は階段で地上・階下へ避難します。エレベーターは使いません。

煙が出ている場合は、煙を吸わないように、口にハンカチやタオルをあて、姿勢を低くして避難します。

取材に応じた京都市消防局予防部予防課の担当者は、こう話します。

「階段が使える際には、階段で逃げることが大事です。階段が建物に一カ所のみの時、階段に煙が出ていると逃げられなくなります。階段の前に物を置かないことや、防火ドアで階段に煙を入れないことも大切です」

煙が階段にも充満していて、避難にどうしても階段が使えない際は、他の避難方法を検討します。

「階段がどうしても使えない時は、2階であれば窓から下りるという方法も。3階以上であれば、そうはいかないので、避難用はしごなどがあれば避難器具を使います。なければベランダなどで助けを待ちます」

2階の窓やベランダから避難器具を使わずに下りる際は、そのまま飛び降りるのではなく、手すりや窓枠につかまって、ぶら下がるようにしております。着地時に体にかかる負担を少しでも減らすためです。

しかし危険も伴うため、これは最終的な選択肢の一つだといいます。

事前に「知っておく」ことが大切

担当者は、これらの緊急避難時のポイントのほか、非常階段の位置など避難ルートを普段から確認しておくこと、避難ルートに障害になるような物を置かないといったことに気をつけておくことが、何より重要だと指摘しました。

「これらは急にはできませんので、事前に想定して知り、考えておくことが必要です。自分がいつも使う建物であれば、窓やベランダ、階段の位置、非常時はどう逃げられるかを考えておくべきです」

避難のポイントの詳細は、京都市消防局のウェブサイトで公開されている、計12ページの「火災から命を守る避難」から確認できます。

「京アニ事件」をきっかけに

京都市消防局では、2019年7月に発生し、36人の死者が出た京都市伏見区の京都アニメーションでの放火殺人事件をきっかけに、火災避難時の基本指針をまとめたチラシと動画を作成しました。

【動画】火災から命を守る避難

YouTubeでこの動画を見る

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企業や修学旅行生が宿泊する施設などにも、このパンフレットなどを使って、避難方法の周知をしているといいます。

YouTubeで公開されている動画では、避難の基本指針で示されている重要ポイントが、ドラマ仕立てでわかりやすく説明しています。