「かあちゃん、楽しい夏休みをありがとう。」「かあちゃんの夏休みはいつなんだろう。」
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の主人公、野原しんのすけがそう呟いている広告が、インターネット上で話題になっている。
広告が掲載されているのは、アニメ内で野原一家が住む街という設定の埼玉県、春日部駅。夏休みの終わりに合わせて、8月26日〜9月1日の期間に貼られている。

広告を掲載したのは、食品宅配を展開する、オイシックス・ラ・大地株式会社(東京都品川区)。夏休みは子どもたちの学校がないことから、保護者は日々の仕事や家事の上に、昼食の献立を考え調理したりと負担が増えるため、火を使わなくて調理できる献立の食材宅配など、夏休みキャンペーンを行なっていた。
なぜこのような広告が誕生したのか、同社の大熊拓夢・広報室長に話を聞いた。

大熊広報室長によると、同社は商品でも「クレヨンしんちゃん」とコラボレーションしたこともあり、広告も今回で第3弾という。
5月にしんちゃんの母・みさえ、6月にはしんちゃんの父・ひろしとコラボレーションした交通広告を実施していた。「弊社は食品宅配で家族に向けたサービスを行なっているため、日本のアニメで有名な家族ということで、しんちゃんとコラボをしています」と大熊室長は話す。
「夏休みのキャンペーンをやっていたこともあり、休みの間は毎日3食を作ったりと負担が増えるお母さんに感謝の気持ちを伝えるということで、この広告が作られました」

Twitter上では広告を見たユーザーが「うるっときてしまった」「あの言葉はきっと当事者にしか響かないんだろうけど、しんちゃんの言葉がすごく嬉しかった」などとツイートしている。
「かあちゃんの夏休みはいつなんだろう。」
しんちゃんのこのセリフは、365日の家事で、休みがない主婦の状況を表している。

広告内の文章には、時代が移り変わっても、家事と育児の大変さは変わらない状況がこのように表されている。
子どもにとっては、楽しい楽しい夏休み。けれど、お母さんにとっては…ちょっと大変な夏休みでもあります。
家族で旅行に出かけたり、子供達と過ごす時間が増える。それはとても喜ばしいことだけど、夏休みの家事や育児の大変さは令和になってもなかなか変わりません。
お母さん。夏休み、お疲れ様でした。
5月には「みさえさん、ありがとう。おかあさん、ありがとう」という広告が掲載され、6月には、ひろしの父親としての心情を表した「いいパパって、なんだろう」が掲載された。

クレヨンしんちゃんのアニメの中では、母・みさえが主婦で、父・ひろしは商社に勤務するサラリーマンという設定で、今回も広告は「おかあさん」に向けたものとなっている。一方で、世の中では共働き家庭が増えており、専業主夫がいる家庭もいる。
「今後、お母さんだけでなく、専業主夫やお父さんを含めた発信も行なっていく予定ですか」という質問に対して、大熊室長は「パパママ関係なくご家族に使っていただける商品やサービスなので、ご家族に向けた発信をしていきたいです」と答えた。