「密ですアラート」に「マスク外し方チェッカー」。学生たちがハッカソンで作ったAR作品がすごかった

    新型コロナウイルスの感染予防対策とARが、ハッカソンでコラボした!

    「視覚的にわかりやすいAR(拡張現実)なら、楽しんで感染症対策が『自分ごと化』できる?」ーー。

    感染症について学ぶ医学部生や、ARのエンジニアらが協力し、「手洗い」や「3密回避」などの新型コロナウイルス対策を、AR作品にしました。

    多くの人が密集して集まることで、クラスター(集団)感染が起きやすい「3密」を避けるため、オンライン上で約30人が集まり、新型コロナ対策のAR作品を作って発表する「ハッカソン」を開きました。

    ハッカソンを共催したのは、withAR ハッカソン実行委員会(@withARhackathon)と、No More Coronaプロジェクト(@hokui_nomorecrn)。

    withAR ハッカソン実行委員会は、学生や社会人など東京の20代若者でつくっています。様々な業種とコラボしてAR作品を制作するハッカソンを企画・運営する団体です。No More Coronaプロジェクトは、北海道大学医学部生を中心としたプロジェクトで、コロナ対策をSNSなどで発信しています。

    まず、ハッカソンって?ARって?

    ハッカソンとは、広い意味でソフトウェアのエンジニアリングを指す「ハック」と「マラソン」からなる造語で、プログラマーやデザイナーらが技術やアイディアを持ち寄り、サービスやアプリケーションを開発するイベント。

    また、AR(拡張現実)とは実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を「仮想的に誇張」する技術です。

    例えば、今回のハッカソンの優勝作品では、手洗いをしている映像に、ARグラスを使うと、手洗いの手順がイラストで示されたり、意識して洗うべき手の部分が赤く表示されたりするAR作品が制作されました。

    AR作品「ARグラスを使った手洗いレクチャー」

    優勝🥇 「ARグラスを使った手洗いレクチャー」 クリエイター:ヒノボル (@liketableteninu) 本間 (@y__homm) ・手洗いの手順ごとに意識すべき箇所を赤いマーカーで可視化 #nomorecorona #withARハッカソン #COVID19 #AR

    @withARhackathon

    withARハッカソン代表の押田大輝さんによると、この作品はMagic Leap Oneというメガネ型デバイス(ARグラス)の利点を活用した作品で、ハッカソン参加者からも評価が高かった作品ということ。

    2位には、人との距離感をテレビゲームのような画面で可視化する「密ですアラート」が選ばれました。

    画面には、相手が自分に近くにつれ「距離に注意です」「飛沫が届く距離です」などのアラートがでる仕組みです。

    AR作品「密ですアラート」

    2位🥈 & NMC賞 「密ですアラート」 クリエイター:ふしっきー (@fusikky) イトリン (@itorin25) ・相手との距離を可視化 ・距離や会話時間に応じて注意文言を表示 #nomorecorona #withARハッカソン #COVID19 #AR

    @withARhackathon

    新型コロナウイルスの感染予防として、人との間に取るべき「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」は約2メートルとされています。2メートルと言われてもピンとこない場合も多いため、ARで想像しやすくしています。

    No More Coronaプロジェクト代表の朝倉利晃さんは作品についてこう語ります。

    「近づいてくる相手との距離が常に表示され、臨場感をもって2メートルを感じることができます。この動画をみた後には、他の人が近づいてきたり、自分が近づいたりする際に、アラートがでてくるイメージを現実世界に重ねて考えることができると思います。距離を保った行動を心がけやすくなるのではないでしょうか」

    他にも、ハッカソンではこのような作品が作られました。

    AR作品「マスク外し方チェッカー」

    「マスク外し方チェッカー」 クリエイター: イワケン (@iwaken71) ・正しい場合に〇を、間違いの場合には×を表示 #nomorecorona #withARハッカソン #COVID19 #AR

    @withARhackathon

    正しいマスクの外し方で「○」、間違っていると「X」が表示される。

    AR作品「Don't Touch Your Face!(顔を触らないで!)」

    3位🥉 「Don't Touch Your Face!」 クリエイター:koko( @kokoheia ) ・手と顔が接した場所を色で表示 #nomorecorona #withARハッカソン #COVID19 #AR

    @withARhackathon

    コロナは目や鼻、口から感染するため、顔を触ったら、手が接した部分を色で表示する作品。

    それぞれの長所を生かし、コロナ予防のためにできることは?

    感染症などを学ぶ医学部生と、ARエンジニアなどという、全く違うフィールドにいる若者たちが今回コラボレーションし、ハッカソンを開催したのには理由がありました。

    withAR代表の押田さんは「AR業界の若者の間でも『今、コロナをめぐり社会に対して何ができるのだろう』とみんな悶々としていました」と話します。

    withARのメンバーは、視覚的に伝えることが可能なARの技術を持ち、No More Coronaはコロナ対策について発信しているため、両団体の長所を生かし「コロナ対策のために何かできることがあるのではないか」とハッカソン開催を決めたといいます。

    普段は実際に会場で顔を合わせて開催するハッカソンも、今回はコロナ禍だからこそ、東京と北海道と離れた場所からオンラインで、企画から1週間というスピードで実施することができました。

    実際には、多人数でビデオ電話で協議することには難しさも感じる場面もあったということ。しかし、授業などもオンラインに移行する大学もある中、押田さんは「この体験は『コロナ社会』において、双方にとって大きなアドバンテージになった思います」と話します。

    ハッカソンでは、感染予防をめぐって間違った情報を伝えることに繋がらないよう、No More Coronaプロジェクトのメンバーらが慎重に情報を精査し、TwitterでAR作品を発信する際も、WHOや感染症専門家による記事などを添えて投稿しました。

    No More Coronaプロジェクトではこれまでにも「コロナ禍で遊びに誘われたらどう断る?」というLINEのテンプレ集を作るなど、実際の生活に使える感染症対策を提案してきました。

    感染拡大が全国で増加し、ますます感染予防が重要になってくる中で、代表の朝倉さんは、こう語ります。

    「これまでも、生活の実際の行動につながるコロナ対策情報を発信するように心がけてきました。AR技術は、現実空間に情報を描きだすので、自分ごとにしやすいです。楽しみながら対策に取り組むことができると思います」


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