新型コロナウイルスの感染がフィリピンで拡大している中で、様々なところにも影響が出てきている。
テレビ局CNNフィリピンが入居するオフィスビルで感染者が出たため、ニュース番組の放送自体を約1日、停止した。テレビ局内やビルを消毒する間の措置という。
休止中のCNNのチャンネルに合わせると、テレビ画面は"CNN Philippines"というロゴが映る静止画となっている。

CNNフィリピンの発表によると、一時放映停止の措置は18日から少なくとも24時間実施され、同社のニュースサイトのウェブニュース記事は継続して配信するという。
同社は「緊急事態に備えて、自宅からのリモートワークを実施してきました。CNNフィリピンは(放送休止期間中も)ニュースをお届けできるように、取材を続けています」とした。
記者やキャスターらが自宅からニュースを読む姿も
Facebookでビデオのライブ中継ができる機能を使って、アナウンサーや記者が自宅のリビングやバルコニーからそれぞれ、ニュースを読み上げて伝える様子も見受けられた。
CNNが局内消毒のために一時放送休止する一方で、他局のGMAもニュース番組の一時放送休止を発表している。
GMAは「非常事態宣言を受け、GMAニュースは一時的に放送を休止します」との声明を出した。休止期間や理由など詳細は明らかにしていないが、公共交通機関などの停止で、記者ら従業員が出勤しにくい状況が発生している。


フィリピン・マニラ首都圏に住む日本人の正和さん(70)も、外出禁止令の影響を受けている一人だ。
急な首都圏「封鎖」などを受け、日本に急遽、帰国する日本人も多くいたというが、正和さんはマニラに居続ける判断をした。
正和さんはBuzzFeed Newsの取材に対し「この状況がいつまで続くかわからないというのが不安です」と話す。
現在、息子2人は日本の大学に通っており、妻も日本へ帰国中のため、マニラに一人で残っている。コロナウイルスは高齢者の重症化も各国で確認されており、「60歳以上で一人暮らししている人は不安だと思います」と話した。
また「日本人診療所も閉鎖しているため、お子さんがいたり、持病がある日本人も不安がっています」とも語った。

フィリピン政府は現在、大規模集会などの実施も禁止しており、カトリック教会も工夫をこらしている。
ビサヤ地方東サマール州ボロンガン市の教会では、教会の椅子に危険表示のバリケードテープを貼り、信者同士が密接して座らないようにしていた。
フィリピンは国民の約8割がカトリック信者で、日曜などには家族で教会でのミサに参加するのが習慣だ。
一方で、首都圏では外出禁止令が出ており、他地域でもミサでクラスター感染が発生することを避けるため、中には、Facebookライブでミサを配信し自宅から参加できるようにしている教会もある。