世界的人気を誇るアイドルグループ「BTS(防弾少年団)」が、アジア人差別に反対する声明を発表した。
Twitterで3月30日、韓国語と英語で掲載された声明では、「暴力を非難します」「私たちは人種差別に反対します」とし、現在アメリカで問題となっているアジア人に対するヘイトに真っ向から反対する姿勢を示した。
BuzzFeed Newsが翻訳した全文は以下の通り。

愛する人を亡くした方たちに、心からお悔やみ申し上げます。私たちは、悲しみと怒りを感じています。
私たちも、アジア人として差別に直面した時のことを思い出します。私たちは、理由もなく罵られること、そして見た目で嘲笑されることに、耐えてきました。なぜアジア人が英語を話しているかとさえ聞かれたこともあります。
そのような理由で、ヘイトや暴力の標的にされることに対する痛みは、言葉にすることもできません。ここ数週間で起こったことと比べれば、私たちの経験は取るに足らないものです。しかしこれらの経験は、私たちが無力であると感じ、その自尊心を削ぎ落とすには、十分すぎるものでした。
いま起きていることは、私たちのアジア人というアイデンティティーから引き離すことはできません。このことについて、どのように私たちのメッセージを声にするべきか、多くの時間をかけ、慎重に話し合い、深く考えました。
しかし、私たちが伝えなければいけないことは明確です。
私たちは人種差別に反対します。
私たちは暴力を非難します。
あなたと私、そして私たち皆は尊重される権利を持っています。共に立ち向かいましょう。
#StopAsianHate #StopAAPIHate
BTSによるアジア人差別反対の声明
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、アジア人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加している。
アメリカ・ジョージア州アトランタ市および近郊では3月16日(現地時間)、アジア系の従業員が多く働くマッサージ店複数を21歳の男が相次いで銃撃し、アジア系6人を含む8人が死亡した。
コロナ禍におけるアメリカのアジア系、または太平洋諸島系住民に対する差別の撲滅を掲げる団体「Stop AAPI Hate」の報告書によると、2020年3月19日から2021年2月28日までの1年間で、アジア系アメリカ人をターゲットにした差別的な事件が、少なくとも3795件あった。
アジア人差別に抗議の声をあげる「Stop Asian Hate」のムーブメントには、テニスの大阪なおみ選手や錦織圭選手らもメッセージを発信している。
BTSのツイートは1時間で50万以上リツイート、80万以上「いいね」され、大きな反響を集めている。