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社長が赤ちゃんと出勤…!話題のツイートの舞台裏を聞いてみた

Twitterで話題になった社長の「子連れ出勤」について、話を聞きました。

「本日は社長がお子様を連れて出社されましたー👶」

先日、赤ちゃんを抱いて会議などに出席する男性社長の写真と共に、ある会社の公式アカウントで、こんなツイートが投稿されました。

ツイートにはいいね2万8千以上がつき、6千以上リツイートされました。

本日は社長がお子様を連れて出社されましたー👶 会議もこのスタイルで出席。 お子様も行儀よく会議に参加していました🍃🍃 とってもかわいくて社員全員癒されました💗

@ishii_official

Twitterではコメント欄で「素敵!」「まずは経営者が見せる。そしたら流れが変わるのかも」「赤ちゃんも出社お疲れ様でした」などの声が寄せられました。

このツイートを投稿したのは、石井食品株式会社(本社・千葉県船橋市)の公式アカウント。ミートボールで知られる企業です。赤ちゃんと出社したのは、同社の代表取締役社長の石井智康さん(38)。

社長の「子連れ出社」の背景を、広報担当者や石井社長に聞きました。

同社広報によると、この日は、石井さんの家族が病院に行っていたために、石井さんが子どもを連れて出社したということ。石井さんは抱っこ紐で子どもと一緒に会議にしたり、仕事の合間には手際よく、オムツ替えをしたり、ミルクを飲ませていたそうです。

広報担当者は、その日の様子をこう話します。

「子どもと一緒の出社は今回が初めてでしたが、社員が輪になって抱っこするなど和気あいあいとした雰囲気でした」

「会議では、役員やマネージャー陣も子どもの笑顔に癒され、終始穏やかな会議でした」

石井さんは、ツイートに2万以上のいいねがついたことに対して「大きな反響には大変驚きました」と話します。

「子連れでも仕事に支障がないよう予定調整をし、社内も育児中の社員が多く、皆さん手伝ってくれたためそこまで大変だった感覚はないのですが、こんなに応援いただけることはありがたい限りです」

周りの女性経営者やフリーランスの人の中には、子どもを連れて仕事をしている人もたくさんいると話す石井さん。

子どもを預ける先がない時などでも「お互いの助け合いの中で、困った時は子連れで出社したり、商談してもよい風土ができあがってくるといいなと思います」と話しました。

同社では、工場勤務の社員もいるために、調整も必要ということですが、社内に託児設備を設置することも検討しているそうです。

また、工場に社員の子どもが職場見学にくる日もあります。広報担当者は「子連れで参加できる社内イベントを重ねて、子連れ出社が普通になる風土づくりを目指したいと思います」と話しました。

同社で初の社長の育休「かけがえのない経験」

実は石井さん、2019年11〜12月の約1カ月、同社の社長としては初めて、育休を取得しました。

石井さんの育休取得は「上場企業の男性社長が1カ月にわたり育休を取得する例は国内では珍しい」と日経新聞でも報じられました。

実際に育休を経験した石井さんは「もし取得できる環境があるのであれば、積極的に参加することをおすすめします」と話します。

石井さんは、「多くの母親が置かれている、育児や家事の逃げ場がない状態」を経験して、「そこで初めて感じることがたくさんあると思います。また同じ苦労を夫婦で味わうことで絆が深まるように感じました」と語ります。

普段は社長として忙しく仕事をこなす石井さん。1カ月の育休では「家事をしっかり日々こなすことの大変さ、そこに赤ちゃんの世話が加わる大変さ」を経験し、「これらは仕事の大変さとは質が違うものでした。この経験は本当にかけがえないものだと思いました」と話しました。

社長の育休「ニュースにならないような世の中に」

広報担当者によると、石井さんの育休取得については、メディアからの取材も多く、SNSでも関心をもった人たちから「応援しています」などの声が寄せられたといいます。

一方で、日本ではまだまだ男性の育休取得率が低く、特に社長の取得となると、ニュースにもなる状態。

そのことについては石井さんは「会社のトップが1か月育休をと ってもニュースにならないような世の中にしたい」と社内で話していたといいます。

実際、日本での男性の育休取得率はまだ高いものではありません。

厚生労働省によると、2018年度の男性の育児休業取得率は6.16%。増加傾向にはある一方で、政府が掲げる「2020年に13%」という目標には遠く及びません。

また、厚生労働省の雇用均等基本調査によると、2018年度の育休取得期間は、男性は5日未満が最多(36.3%)で、2週間未満までが全体の7割を占めていました。

一方で、女性は10カ月から1年半という期間での取得が多く、男女での育休取得期間の差も顕著です。

男女共に育休取得を推奨、女性管理職増も

同社では社長の育休取得だけでなく、社員の育休や育児支援、女性のキャリア形成などに力を入れているといいます。

子育てをしている社員や若手社員に、どのような支援が必要かヒアリングを行い、育児中の社員の声を受けて、時間有給取得等の制度などの充実化を図っているそうです。

男女ともに社員の育休取得率の増加や延長のほか、女性の管理職を増やすために、ヒアリングで集まった意見を元に、女性がキャリア形成しすい職場環境を目指しています。

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