不安症かも?と思った時にチェックしてみたい11のポイント

    よくあることだし治る可能性も高いのに、不安症で悩むかなり多くの人は、治療を受けることもなく苦しんでいる。というのもほとんどの場合は、自分が病気だなんて思ってもいないから。

    「不安症」と聞いてあなたがイメージするのは、パニックアタックに悩む人の姿かもしれない。心臓がどきどきして、息が詰まって、涙を流さないように必死で目に力を入れて堪えている人。

    よくあることだし治る可能性も高いのに、不安症で悩むかなり多くの人たちは、治療を受けることもなく苦しんでいる。というのも、ほとんどの場合は自分が病気だなんて思ってもいないから。

    1. 常に忙しくしているのに、なぜか何も片付かない。

    たくさんの雑用を抱えて、気づくと忙しく自宅を走り回っていることが多いのに、何かをきちんと終わらせることができない。あぁ……。

    ニューヨークの精神科医スー・ヴァルマ医師がBuzzFeedに話したところによると、それは多くの場合、不安症がたくさんの「用事」として現れることがあるから。

    ヴァルマ医師は、「物事を片付けようとしているのに、なぜか1日終わると成果はほとんどない。これはもしかしたらADD(注意欠陥障害)が原因である場合もあるかもしれませんが、時間管理のまずさや生産性の低さ、優先順位をつけられないなどは、不安症が悪化している証拠かもしれません」と話す。

    2. 破滅的で実在主義的な考えで頭がいっぱい。

    確かに、私たちは本当に悪夢のような時代を生きている。とは言っても、「破滅が近い」かのように、何かが実際よりももっとひどい状況にあるかのように考えすぎるのは、(単にニュースを見るのをしばらくやめたほうがいいというより)実はあなたが不安障害になっていることを示している可能性がある。

    前述のバイス医師は、「意味ないだろ」、「私には絶対むり」、「困ったことになったぞ」、「何かがめちゃくちゃおかしなことになっている」、「好きにすればいい。どっちにしろどうでもいい」という考えには気をつけた方がいいと話す。

    1度だけそんな考えが浮かぶというのではなく、こうした考えが次から次へと浮かぶ場合は特に注意が必要だ。

    3. 簡単にびっくりしてしまう。

    自分が過剰にビクビクしているような感じがするだろうか?そうした感情にも気をつけてみた方がいい。

    医学誌「Depression and Anxiety」(うつと不安症)に2008年に発表された研究によると、不安症に苦しむ人は、過剰な驚愕反応をする可能性があるという。特に精神的にストレスを抱えている場合(さっき書いた「何かが実際よりももっとひどい状況にあるかのように考えすぎる」など)はなおさらだ。

    それはつまり、自分の考えで頭がいっぱいになっていると、ほんの少しの刺激でもびっくりして怖くなってしまうということだ。

    4. 胃がムカムカするけど、医者からは悪いところは見当たらないと言われる。

    食あたりでもないし、過敏性腸症候群でもなければ、ウィルス性胃腸炎でもない。なのになぜ常に胃がムカムカするのだろうか?

    研究財団「ホープ・フォー・ディプレッション(うつへの希望)」の創設者オードリー・グルース氏はBuzzFeedに対し、胃腸障害は不安症に関係していることが多いと話す。

    「ストレスが胃に現れるというのはよくある話で、不安症も同じです。悪化して腹部けいれんや痛み、胃のむかつきになることもあります」

    そのうえ不安症は、全く関係ない病気からの回復さえもしにくくしてしまう可能性がある。2007年に発表された研究では、不安症を抱えている人にとって、ウィルス性胃腸炎が実は過敏性腸症候群(胃痛やお腹の張り、下痢や便秘などの症状を伴う慢性疾患)を引き起こしてしまうこともあり得るとしている。

    この研究の著者は、不安症の人は、体調が悪くなってもゆっくりしたり休んだりがなかなかできないという(「全か無かの行動」と呼ばれている)。

    そのため、不安症がなく自分をそこまで追い詰めることのない人ならすぐに治ってしまうウィルス性胃腸炎のような疾患でも、後に長期にわたる深刻な病気になってしまうこともあると話している。

    5. 完璧主義者だ。

    完璧主義だからと言って、必ずしも不安障害というわけではない。単に細部にこだわって、いい仕事をしたいと思っている場合だってある。

    でも完璧主義のせいで、失敗するのが怖くて新しいことができないなら、もしくは間違いたくないがために何かしらの状況やタスクを避けてしまうのなら、不安障害が関係しているかもしれない。恥の感情、劣等感、そして常に自己批判してしまうのも全てひっくるめて完璧主義なのだ。

    それから、これも関係がある。2017年の研究によると、不安症を抱える完璧主義者はしばしば治療を拒否するとしている。というのも、この人たちは治療を失敗の証と見るからだ。

    失敗は、常につきまとっている「間違いを犯したくない」という恐怖を不快に刺激する。あなたにも思い当たるだろうか?深呼吸して、助けを求めることを考えてみよう。

    6. 周りの人にイライラさせられる。

    友達や同僚にイライラしてしまうのは誰にだってあることだ。でも今にもキレてしまいかねないなんて感じるのであれば、別の問題だ。

    ニューヨークに拠点を持つ臨床心理士のローレン・アッピオ医師は、不安症の人は「戦うか逃げるかすくむか反応」が強くなるとBuzzFeedに説明してくれた。

    さらに、「『戦う』というのは、『逃げる』という反応の裏返し。(もし不安症なら)他の人に対して我慢しにくかったり、簡単にイライラしてしまったりするかもしれない」と話す。バイス医師は、激怒や憎しみ、復讐もよくある感情だと話す。

    7. たった1つの決断さえできない。

    あらゆる決断に感情的に入り込みすぎるのは、不安症の表れかもしれない、というのは、アッピオ医師だ。「特に、どの選択肢を考えた場合でもある程度の損失や不都合が伴ったり、あなたが何をしても誰かが不満になったりするのならなおさら、一歩も踏み出せずに選択肢の間で揺れるものです」。

    8. すぐに体調を崩してしまうけど理由が分からない。

    子供を相手に仕事をしているわけでもなければ病院で働いているわけでもないのに、なぜいつも体調が悪いのだろうか?そう、疲労感、説明のつかないうずきや痛み、頻繁で慢性的な風邪は、全て不安症に伴う浮き沈みだとヴァルマ医師は言う。

    9. 寝る前に携帯を凝視しているわけでもないのに、眠れない。

    質の良い睡眠が取れない理由はたくさんある。携帯電話やタブレット、ラップトップからのブルーライトだったり、落ち着きがないペットがベッドを占領してきたり、上の階の住人がうるさかったり(まじで、上の人って何してるの?)。

    しかし全米不安抑うつ協会(ADAA)によると、不安症は睡眠障害を引き起こす可能性もある。さらに最近の研究では、睡眠不足が不安障害を引き起こす可能性があると示唆されている。どっちにしても、よくない状況なのだ。

    なのでADAAは、夜の睡眠を改善するために、ベッドに入る前に瞑想をする、自分が気に入ったエクササイズを見つけて定期的にやる、時計を見えないようにする、などを提案している。時計を夜中に見ると、不安が悪化するだけだからだ。

    10. 突然、寒気がしたりほてったりする。

    明らかに体調を崩しているわけでもホルモンの不調でもないのに、説明がつかない寒気を感じたりほてったりする。合わせて、この記事に挙げた他の症状もあるようなら、全般性不安障害についてお医者さんに相談する時なのかもしれない。(人間の体ってすごくないか?)

    11. 自分って生きるのが下手くそだなと思ってしまう。

    自分ってひどい友達、家族、恋人、社員だな、って思うのって、最悪の気分じゃないだろうか?まず言っておくと、あなたはひどくなんかない。

    そして次に、アッピオ医師によると、極度の疲労感(何ひとつうまくできないなど)は、不安障害が原因かもしれない(つまり不安障害のせいであって、あなたが何者であるか、というせいじゃないのだ)。

    ところで、この記事に書いてある症状は単なる情報提供を目的としたもので、間違っても医学的診断や治療、専門家の医療アドバイスの代わりになるものではない。

    しかしもしここに書かれたもののいくつかに心当たりがあるのなら、自分をきちんといたわってあげる方法を考えた方がいいかもしれない。なので、いくつか簡単な情報をお伝えしよう。

    不安障害についてもっと詳しく知りたい人はこちら

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    この記事は英語から翻訳・編集しました。
    翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan