• medicaljp badge

風疹急増、患者数が2016年・2017年累積を超える 感染研が緊急の呼びかけ

流行の中心になっている30~50代の男性にワクチン接種を呼びかけた。

首都圏で患者数が大幅に増加している風疹(三日ばしか)について、2018年1月から8月15日までの累積報告数が139人となり、2016年と2017年それぞれの年間累積報告数を超えたことを、国立感染症研究所が発表した。

2015~2017年の同時期における報告数を超える数字。2018年は一部の時期を除き1週間あたり0~6人の範囲で患者が報告されていたが、7月23日~29日に19人、7月30日~8月5日に22人と増加。8月6日~12日には39人と急増した。

千葉県および東京都からの報告が多く、これまでの累積報告数は全体の約6割がこの2都県からの報告だった。同研究所は「既に、首都圏を中心に国内流行が発生し始めている可能性が高いと考えられる」とコメントしている。

風疹については2012年、2013年に大流行し、それぞれ2386人、1万4344人の患者が報告されている。

妊婦が風疹に感染すると、赤ちゃんにも感染し、難聴や心疾患、白内障などの障害を持って生まれてくる「先天性風疹症候群」になることがある。

同研究所によれば、2012〜2013年の流行に関連した先天性風疹症候群が45人確認されている。

風疹はワクチンで予防可能な病気。しかし、妊娠中は風疹ワクチンの接種は受けられず、受けた後は 2カ月間妊娠を避ける必要がある。

そこで、同研究所は「女性は妊娠前に風疹のワクチンを2回接種しておくこと、妊娠する可能性がある女性および妊婦の周囲の人に対してワクチン接種をすることが重要」とした。

また、抗体保有率(風疹に対しての免疫)が低く、流行の中心になっている30~50代の男性には、以下のように呼びかけた。

「風疹にかかったことがなく、風疹のワクチンを受けていないか、あるいは接種歴が不明の場合は、早めにMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を受けておくことが奨められる」