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「天才」の名を冠す、手術支援ロボットの今

手術を支援する「機械の手」。

現代のダヴィンチは、本家のように「万能」だろうか。残念ながら、そのような性質のロボットではない。

ダヴィンチはぶどうの皮を剥き、それを元どおりにすることができる。

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Twitterでは、その様子が撮影された動画を紹介するツイートが、7万回以上リツイートされている。

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手ぶれを抑え、急な動きに合わせて速度をコントロールする機能により、硬貨大の折り紙を折ることも。

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医師の居場所は、手術台から「サージョンコンソール」、いわばコックピットに移行する。三次元表示モニターを見ながら、手ではマスターコントローラーを、足ではフットスイッチを操作するためだ。

内視鏡手術は本来、患者の傷口が小さく、出血や術後の疼痛が少なく、回復も早い。ダヴィンチではどう変わるのか。順天堂大学医学部泌尿器科学講座の堀江重郎教授は、BuzzFeed News Medicalの取材に、こう答える。

「人間の手にはできない動きができることが、ダヴィンチの特徴です。当院では年間200例の前立腺がん手術をダヴィンチでおこないますが、手術後尿失禁の早期改善や、勃起機能の温存・早期回復が可能になりました」

また、「ダビンチは技術の習得までの期間が短い」と堀江氏。さらに、手術する医師の負担も軽減される。「内視鏡手術を20年続けるとなると、肉体的に持たないかもしれない。しかし、ダヴィンチならより長くできます」

ただし、ダヴィンチはあくまでも道具にすぎない。手術のクオリティーは「操作する医師の技術と経験に左右される」。加えて、カメラは1つなので、複数の視野が必要な、例えば「大きな腫瘍の摘出」などには向かない。

1台で約2〜3億円と、高額な価格の問題もある。すべての手術に適用できるわけでもなく、2017年9月現在、前立腺がんと一部の腎がんで保険適用となっている。保険未適用の手術では医療費が高額になる可能性もある。

高価なロボットを無制限に導入できるわけでないのは当然だ。しかし、堀江氏は「ロボット手術により、手術に関わるスタッフ数を減らし、手術する医師の職業寿命を伸ばせるとすれば、費用対効果の面でも優れている」とした。

「日本より医療のコストにシビアなアメリカでも、90%の前立腺手術はダヴィンチでおこなわれています」

日本では導入から期間が浅く、今のところはまだ、判断の根拠となるデータも少ない状況だ。手術支援ロボット・ダヴィンチは「天才」レオナルド・ダ・ヴィンチのように、後世に名を残す発明になるのか、注目したい。