自分に合うコーヒーの産地がわかりやすすぎ!プロが作った「フローチャート」が保存必至!

    気分に合わせて選べるのもうれしいところ!保存したくなっちゃうフローチャートです。

    コーヒー初心者で、どのコーヒーから試してみたらよいのかわからない...。

    そんな人に試してほしい「フローチャート」が話題です。

    コーヒーショップを運営する川野優馬さん(@yuma_lightup)がTwitterに投稿したところ、6万近いリツイートと約22万もの「いいね」が寄せられました。

    リプライ欄でも、「プリントアウトして壁に貼っていいですか?」「すごくよいチャートですね」など称賛の声が寄せられています。

    BuzzFeedはチャートをつくったきっかけについて、川野さんに詳しくお聞きしました。

    東京の吉祥寺と下北沢に店を構えるコーヒーショップ「LIGHT UP COFFEE」代表の川野さん。お客さんからの疑問や悩みで最も多いのが、「どうやってコーヒー豆を選んだらいいかわからないこと」だといいます。

    「もちろん淹れ方の質問もいただくのですが、それはあくまで店でコーヒーを飲んで豆買った上での疑問です。コーヒーの魅力や美味しさを伝えたい身としては、最初の疑問をわかりやすく伝えたいなと思っていました。その中で、店をやって焙煎もやって産地に行くほどコーヒーが大好きな僕が個人的に思う、コーヒー屋に行った時にその時の気分でどうコーヒーを選ぶのかを図にまとめてみたんです」

    「厳密には一番左のホンデュラスは、中南米が全体的に優しい穏やかで甘さをしっかり感じられるコーヒーが多いので、コスタリカ、エルサルバドルとかも挙げられましたが、わかりやすいようにまとめています」

    【補足】 実際のところ今はこんなざっくりした分類ができないくらい、生産者ごとに品種や生産方法が多様になっています。選択肢を参考に好みをお店の人やバリスタに聞いてみて、そのお店のラインナップで合うものを選んでみてくださいね。いろんな味わいのコーヒーがあるからコーヒーは楽しい!

    Twitter: @yuma_lightup

    コーヒー初心者の筆者から見ると、8種類も紹介してもらえてとても参考になります。耳馴染みのない産地もありますし....。

    選んだ基準について尋ねると、こんな答えが返ってきました。

    「よくコーヒー屋で見かけることの多い、いわゆる主なコーヒー生産地を選びました。僕のお店は特に風味個性がわかりやすいスペシャルティコーヒーを扱って生豆を仕入れているのですが、僕のお店でもこの8産地はよく仕入れることの多い主な産地だと思います」

    「あとは、なるべく特徴がわかりやすい産地にしました。特に香ばしさやナッツ感が感じられることの多いブラジルや、ジューシーなフルーツのような香りと酸味が特徴的なケニア、紅茶のような香りや繊細な飲みやすさが特徴のエチオピアなどは個性としてもわかりやすいと思います」

    「本当はインドネシアやコスタリカなど、他の産地も全部入れ込みたかったですし、マイナーな産地であってもおいしいコーヒーはたくさんありますが、あえて書くとしたら...と、主観で選びました」

    コーヒーは同じ産地でも様々な味があり、ひとくくりにはできない魅力があるそうです。

    その味の違いは、品種・精製方法・環境によって生まれ、正確には生産地による分類では不十分なのだといいます。

    「コーヒーに取り組んでいる人やコーヒー屋、バリスタからしたら、コーヒーを産地ごとに分類するのはナンセンスというか否定的な考えもあるかもしれません。僕もそれはよくわかっていて、(購入する人は)国を選んでいるようで実はその国に主に育っている品種や主に行われている生産方法を選んでいるというのが正確なんです」

    エチオピアの「ナチュラル」というのは、収穫したチェリーのまま乾かす作り方のこと。イチゴやブドウのようなフルーティな香りが感じられるよ。パッケージや豆情報のところに精製方法が書いてあるはず。 写真左が乾燥中のナチュラルで、写真右が主な精製方法のウォッシュト。

    Twitter: @yuma_lightup

    「最初、コーヒーが苦く飲めなかった」

    コーヒーに熱い情熱を注ぐ川野さんはそもそも、コーヒーが飲めず、興味がなかったんだとか。

    飲み始めた当初は味が苦手で、ラテなら飲める程度だったと振り返ります。

    転機は大学時代に訪れます。大学2年生の頃、ロンドンで立ち寄ったカフェで出会ったコーヒーに衝撃を受けることになります。

    「たまたま飲んだコーヒーがものすごくフルーティで、果実の味がして不思議な美味しさで、それが人生初めてのスペシャルティコーヒーでした」

    帰国後もその美味しさが忘れられず、行動に出始めました。

    「いろいろ話を聞いていたら、コーヒーは品種や精製方法を突き詰めてつくると果実のような風味がするということを知ったんです」

    「自分もそんな感動したフルーティなコーヒーを作りたいと思い、気付いたら銀行に行って融資の申請をしていて、両親を説得して実家のリビングの端っこに業務用の焙煎機を購入しました」

    そして、大学3年の時に「美味しいコーヒーを通して日常を明るくする(=LIGHT UP)」をコンセプトにした店をオープンするに至りました。

    「なんかおいしいな」と思ってもらえたら...

    簡単には分類することが出来ないほど、複雑なコーヒーの世界。

    今回のフローチャートには、「“果実味”ってなんだろう?」「苦味や酸味はどれに当てはまるのか?」といったコメントも寄せられました。

    初めてコーヒーに挑戦する人に向けてシンプルなフローチャートにした一方で、プロとして細かい違いをどこまで伝えるべきかで迷いがあったといいます。

    「コーヒーという嗜好性が出るものだからこそ、『その分類は大さっぱすぎ』『本当はもっとこんな風味がある』みたいな否定的な意見もあるかなと思って、結構ドキドキしながらツイートしたんです」

    「でも、ありがたいことに、ほとんど全ての関連ツイートがポジティブな意見だったことが嬉しく思いますし、『参考になる』とか『今度これでコーヒー選んで買ってみよう』という声が多くて嬉しいです」

    最後に、初めてコーヒーに挑戦してみたいと考えている読者にメッセージをお願いしました。

    「僕はコーヒーが好きだからこそ、おいしいコーヒーを飲んで幸せになる人をもっと増やしたいと思っています。そして、量ではなく質で評価され、持続的な生産に取り組める生産者が増えれば、と願っています。なので、多くの人にできる限り気軽に、敷居を感じずに多くの人にコーヒーを楽しんでほしいです」

    Twitter: @yuma_lightup

    「コーヒーは自由でOK。産地のことや味の表現なんてわからなくたって大丈夫です。“なんかおいしい”コーヒーを飲んで、『なんでおいしいんだろう?』と興味を持ってから、コーヒーの情報を知っていけば十分だと思っているんです」

    「淹れ方だっていろんな意見がありますが、あくまでそれはその人の使う素材と、その人の好みがあってこその淹れ方。正解不正解がある世界ではないので、自分の感覚に素直に、自分の“おいしい”を大切にこれからコーヒーを飲んでいく人は楽しんでほしいなと心から思っています」