「わたしの小さな抵抗」と投稿された、ある漫画が話題です。
イラストレーターや漫画家として活動するharaさん(@hara_atsume)がTwitterに投稿したところ、9千を超えるリツイートと4万を超える「いいね」が集まっています。
リプライ欄では、「素晴らしいです!!」「勇気をもらいました」「すごく好きです」などの言葉が寄せられました。
漫画は、働いていた職場で上司に声をかけられる場面から始まります。








BuzzFeedは、投稿者であるharaさん(@hara_atsume)にお話を聞きました。
自身の摂食障害や外見のコンプレックスと向き合った経験を元に、プラスサイズの女の子イラストやエッセイ漫画を制作しているというharaさん。
普段から、インスタグラムやTwitterを通じて「ボディ・ポジティブという考え方」について投稿しているといいます。
ボディ・ポジティブは、「All bodies are beautiful(どんな身体も美しい)」を元にした考え方です。
つまり痩せていると思っても、そうではないと思っても、ありのままの自分の身体を愛すこと。そして、こうしたボディサイズに限らず、人種や肌の色、ジェンダー、障害なども自分の個性として肯定的に捉えようというものです。
今回の漫画で描かれているボディ・ポジティブと出会った当時の気持ちを聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「正直に『こんな世界あるんだ!?』と驚いたのが第一印象でした。自分の身体は否定して(されて)当たり前、という価値観でずっと生きてきたので、かなりの衝撃でした」
「気持ちがごちゃ混ぜになっていた」
徐々に自分の体型を肯定するようになったharaさんですが、嫌なことを笑って流すクセは変わらなかったそうです。
ただ、転機が訪れます。上司から体型を揶揄する言葉を再び言われたとき、とっさに「サイッテーですね!」と言い返せたのです。
「本当に反射的に言葉が出たので、直後は頭が真っ白でした。漫画にも描きましたが、少し経ってからじわじわと感情が追いついてきて…むかつきと悲しさで泣けてくるのと、でもちゃんと言い返せたことに驚いて手が震えて…といった感じで、いろんな気持ちがごちゃ混ぜになっていました」
「言えたよ〜!」って報告したい
漫画の最後には、「よくやった!」と言わんばかりのピースサインを送る幼少期の自分の姿が描かれます。
幼い頃の自分に、どのようなメッセージを送りたいか。聞いてみました。
「シンプルに『言えたよ〜!』って報告したいです(笑)。それと、ダイエットのしすぎで心身を壊したのが高校生の頃なので、『そのままの自分の心と身体を大事にね』と伝えてあげたいです」
「パワーや励ましになったらいいなあ」
周囲の“当たり前”や“間違ったいじり”にまっすぐ向き合った姿は、多くの人から絶賛され、勇気をもらった読者もいました。
この大きな反響は、こう受け止めています。
「描いた私自身よりも、この漫画に共感してくださった方にとってのパワーや励ましになったらいいなあと思います。『やっぱりみんなも言われるの嫌だよね』『自分だけじゃないんだ』と感じるきっかけになればいいなと」
最後に、体型に悩む人たちへのアドバイスをお願いすると、「アドバイスというほど立派なことは言えませんが…」と前置きした上で、こうメッセージを送ってくれました。
「自分の身体を好きでいて良いという“選択肢”を、まずは心の片隅に置いてみたらいいかも…思います。 無意識に『嫌いでいるしかない』と思っている人がきっと多いと思いますし、私もそうだったので…」
「自分の身体との向き合い方に、実はいろんな選択肢があることを知ってもらえたらな、と思います」