【都知事選】止まらない恨み節。民進党・松原氏は公然と執行部批判

    「古賀さんは情熱があった」

    東京都知事選で鳥越俊太郎さんを野党統一候補として推薦し、敗れた民進党。都連と執行部との溝が表面化し、激しい執行部批判が飛び出した。

    敗戦の弁を述べた鳥越さんが去った選挙事務所。民進党都連会長を務める松原仁・衆院議員は額に大粒の汗を浮かべながら、BuzzFeed Newsなど記者団の取材に、こう語った。

    「今日の20時(投票が締め切られる時間)まで発言を控えてきましたが、当初、都連は違う候補者を党本部と調整しながら、立候補要請までしていた。この手続きを覆して、岡田克也代表が鳥越さんを擁立すると決めた」

    違う候補者とは、元経産官僚の古賀茂明さんのことだ。一時はほぼ立候補が固まったとみられていた。

    「それはそれとして全力で戦ったが、なぜ選挙戦最終日に鳥越候補擁立の中心だった岡田代表が出所進退を明らかにしたのか。理解に苦しむ部分があった」

    憤懣やるかたない、といった表情だった。

    恨み節は止まらない。囲み取材が終わったあと、再度、話を聞くと、古賀さんへの諦めきれない思いを吐露した。

    「今日の午後8時まで我慢していた。できることなら、頻繁に政策を、きちんと回数多く訴えられれば、もっといい戦いができた。古賀さんは情熱もあるし、1日10時間でもやるよ。気合入ってるよ、気合入っているよ」

    同じ言葉を2回繰り返す。政策論争の場を度々欠席した鳥越さんとの違いを暗に訴えているように聞こえた。そして、こう続けた。

    「選挙を戦うなら、行革をバーンっと打ち出してさ。でも、最後は鳥越さんだと決まったんだから。こちらからいろんなことを言ったんだよ。代表が確認したっていうなら従うしかない。だから、代表……」

    言葉は続かなかった。自民分裂選挙と言われていたが、民進党の中にも、立候補者を決める段階から分裂はあった。