【更新】ノーベル文学賞事務局の連絡を無視し続けたボブ・ディラン、ついに受賞を喜ぶ あの名曲にメッセージが込められていた?

「追憶のノーベル文学賞16」。受賞辞退なら、あの大物哲学者以来だった

連絡を諦めたノーベル文学賞事務局、マネージャー「本人が寝ている」。折り返しもないらしい。

ノーベル文学賞事務局は、ノーベル文学賞授与を発表したボブ・ディランへの連絡を諦めるという。発表以降、事務局は本人とまったく連絡が取れておらず、やっと入手したマネージャーの連絡先に電話をしても、本人が「寝ている」ことを理由に、取り次いでもらえなかった。

現状、万策が尽きた事務局は、12月10日の授賞式に本人が来るのかこないのかすらわかっていない。今年のノーベル文学賞はどうなるのか。その行方はこんがらがって……。そんな中、10月29日、新しい動きがあった。

ノーベル財団はボブ・ディランから連絡があったことを明らかにした。「大変、光栄です」とコメントしたという。なかなか、態度を明らかにしなかったボブ・ディランに対して、ノーベル賞の選考委員から「無礼で傲慢だ。でもそれが彼ってものだ」という言葉まで飛び出していた。肝心の授賞式はどうなるのか。英紙「The Telegraph」のインタビューには、「もちろん。できることなら」と出席する意向を明らかにしている。

ちなみに、もし、ボブ・ディランがノーベル文学賞を辞退したなら、この賞の歴史始まってから3例目になるところだった。1例目は1958年、旧ソ連の作家、ボリス・パステルナーク。2例目は1964年、フランスを代表する哲学者として、戦後一世を風靡した、ジャン・ポール・サルトルだ。

サルトルはあらゆる栄誉を拒否する、という強い信念が理由だった。サルトル以来の受賞拒否には、なんらかの意思表示が必要だ。ボブ・ディランのように無視して、なんの音沙汰もなかったら、ノーベル文学賞始まって以来の珍事となっていた。

この間も精力的にライブを続けていた

A nobel prize winner with no shirt on... what!!!!! #Legend x Stella

そんな喧騒を知ってか知らずか、ボブ・ディランは長く沈黙を保ったままだった。かといって、隠れているわけでもなく、デザイナーのステラ・マッカートニーさんとのツーショットがばっちりウェブ上に公開されているし、なにより精力的にライブも開いている。

10月14日、ポール・マッカートニー、ローリングストーンズなど一緒に時代を作ったロック界のレジェンドが一堂に集った「デザート・トリップ」ではしばらく演奏していなかった、名曲「Like a Rolling Stone」を中心に60年代の曲を組み込んだセットリストを披露。ファンの間では、驚きの声があがっていた。

ボブ・ディラン自身、決してセレモニーと無縁というわけではない。2012年、ロック好きなオバマ大統領が授与した「大統領自由勲章」はしっかり受け取って、勲章を首にかけられている。それだけに、この演奏が受賞に向けた何かのサインなのか、憶測を呼んでいた。今にして思えば、これは受賞の喜びを彼なりに、表現したものだったのかもしれない。

本人がノーコメントなのとは対照的に、周囲の賞賛は止まらない。同じ時期から活躍しているローリング・ストーンズのミック・ジャガーはツイッター上でも「Congratulations Bob for getting the Nobel prize. What an achievement !(ノーベル賞受賞おめでとう、ボブ。なんて偉業だ!)」と手放しの喜びよう。

通称「ボス」、アメリカを代表するミュージシャンのブルース・スプリングスティーンは思いの丈を長いコメントに込めた。一部を引用しよう。「『追憶のハイウェイ61』や『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』は素晴らしいアルバムだっただけでなく、俺が物心ついて初めて、自分が暮らしていた場所の真実を見せてもらった出来事だったのだ」

ノーベル文学賞事務局は「どんな気分?」

しばらくの間、気を揉み続けることになりそうなノーベル文学賞事務局だが、いま、どんな気分なのだろう?ーーHow does it feel?ーー。ボブ・ディランに相手にされないことは、返事を待ち続けることは。

賞を受けるか、辞退するのか、このまま無視を続けるのか。その答えは「ボブ・ディランの頭のなか」にしかなかったがついに、受賞は決まった。公式ツイッターも沈黙が続いているが、この先、何か反応があるのだろうか。その答えは、彼の詩を借りれば「風に吹かれている」?

UPDATE

受賞コメントなどを追記しました。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Satoru Ishidoに連絡する メールアドレス:Satoru.Ishido@buzzfeed.com.

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