民主党が示した根拠
閣僚を辞任した甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題を巡って、民主党は衆院予算委などで「甘利氏は嘘をついているのでは」と主張している。根拠としたのは、甘利氏の元公設秘書と口利きを依頼したとする建設会社(千葉県白井市)の総務担当者の会話を録音したというデータ、文字起こしのメモだ。
民主党はこのデータとメモを報道機関に提供している。BuzzFeed Newsもこれらの提供を受けた。公開された音声データは約24秒、メモはA4用紙7枚分。
そもそもの疑惑は
千葉県白井市の建設会社とUR(都市再生機構)との土地をめぐるトラブルについて、建設会社が甘利氏、甘利氏の事務所に口利きを依頼。その見返りとして、資金提供や接待を甘利氏側が繰り返し受けた、と週刊文春が報じたことで疑惑が明るみになった。
甘利氏は辞任会見で疑惑を一部認め、辞任したが、口利きについては否定した。さらに、秘書が建設会社とURの交渉には介入していないと主張していた。
民主党「甘利氏は嘘をついたのでは」
2月15日の衆院予算委で民主党は音声データをもとに「甘利氏が会見で嘘をついているのでは」と追求した。
民主党は公開した録音データとメモの中に、建設会社とURの金額交渉に甘利事務所が深く関与していることをうかがわせるやりとりがあると主張。
2015年11月2日、総務担当者と甘利氏の秘書が、神奈川県大和市内の寿司屋と喫茶店で交わしたとされる会話を、その根拠とした。
録音データとメモの中に、甘利氏の秘書とみられる男性の声で、具体的な金額を示すようURの総務担当者に促した言葉がある。
「一応推定20億かかりますとか、かかると聞いておりますとか、そういうなんか言葉にして欲しいんですよね」
民主党の玉木雄一郎議員は、衆院予算委でこう指摘した。
「甘利氏の会見は嘘だったのではないか。甘利事務所が主導的にどっぷり交渉に関わっている。あっせん利得処罰法違反は免れない」
安倍首相の反応は
これに対し、安倍晋三首相は「甘利氏は説明責任を果たしていくものと考えている」と述べた。
甘利氏は16日から睡眠障害のため休養するという(朝日新聞)。