「ふつうの良い商品として福島産を取り扱う。それが復興支援」 イオングループの心がまえ

    福島の復興支援。イオングループの姿勢、キーワードは「普通」

    「普通に良い商品として取り扱い、普通に販売する。それが私たちの復興支援です」

    2017年5月26日、東北のイオングループ各社のスーパーで、福島県南相馬市産の小ネギの販売が始まった。津波で被害を受けたエリアにできた大型園芸施設から通年で仕入れる。

    消費者庁の調査でも減少傾向とはいえ、福島産を買い控える消費者も一定数いるなかで、大手スーパーが取り扱う理由はなにか。東北エリアの広報担当者はBuzzFeed Newsの取材にこう話した。

    「普通に良い商品として取り扱い、普通に販売する。それが私たちの復興支援です」

    小ネギは、津波で被害を受けたエリアにできた大型園芸施設「ひばり菜園」から仕入れている。菜園を運営しているのは、被災した農業者たちだ。

    販売は東北エリア164店舗のみ。ここまでなら「安定した供給量が見込めるため」通年で取り扱うことができるが、東京など他エリアへの販売は供給量の関係で予定はないという。

    飯舘村で品種改良されたカボチャも

    イオングループでは今後も、避難解除されたばかりの飯舘村で品種改良されたカボチャ「いいたて雪っ娘」の販売が予定されている。福島市内の畑で種を蒔き、冬至の時期に販売するという。

    「『いいたて雪っ娘』は30年がかりで開発された品種で、震災の年に品種登録されたもの。農家の方や協力者が種を絶やしてはいけない、と避難先などで栽培を続けたんです。私たちも種まきから関わります」(広報)

    なぜ福島産を取り扱うのか?

    「普通に良い商品だからです。『安全なのかどうか表示してほしい』という声もありますが、私たちは『大丈夫』を強調するのではなく、普通の商品として、普通に売り場で販売したいのです」

    「自主検査もしていますし、品質も安全性も店頭にあるという時点で自信を持って並べていると思ってほしい」

    消費者から懸念の声はあるのだろうか?広報担当者は続ける。

    「『福島産はちょっと……』といった反応があるのも事実です。しかし、私たちは良い商品として、他と同じように販売する。それが復興支援だと思っています。これからも福島産を取り扱っていきますよ」