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「私が代表になれば変わる」…それでも辞任 蓮舫さんが繰り返した失敗の歴史とは?

安倍政権支持率低迷でも、選択肢にならない民進党。それは繰り返される歴史……

「私が代表になれば民進党は変わる」「総理を目指す」

Toru Hanai / Reuters

民進党の蓮舫代表が7月27日、記者会見で代表を退く意向を表明した。2016年9月に代表に就任する前に、BuzzFeed News のインタビューに蓮舫さんは「私が代表になれば民進党は変わる」「総理を目指す」と語っていた。なぜ変えられなかったのか?

船出は希望に満ちていた。代表選を終えたばかりの蓮舫さんは意気揚々と理想を語った。代表選前から勝利を確信していたのだろう。インタビュー時のノートには威勢のいい言葉並んでいる。

「提案型野党に変えたい」「総理を目指したい」「女性がトップに立てば空気は変わる」……。膨らませた希望は実現しなかった。

前原さんが語りかけた失敗談

思い返せば昨年9月の民進党代表選で、対抗馬の前原誠司さんが蓮舫さんに送った言葉に教訓が詰まっていた。

まだ開票前だったが、代表選敗北を悟ったのだろう。前原さんはあえて蓮舫さんに向けて、自身の失敗談を語った

「ひとつだけ、蓮舫さんに申し上げておきたいことがある。それは私の失敗の経験です」

そう切り出し、前原さんは2006年に起きた偽メール事件のことを語りはじめた。当時、社会問題となっていたライブドア事件と自民党との関係を追及するために、若き前原さん率いる旧民主党は1通のメールを証拠にあげた。そのメールは偽造されたものだった。

前原さんは責任を取り辞任、追及の先頭に立った衆院議員はのちに自ら命を絶った。危機管理能力の低さを露呈した民主党、そして前原さんは強い批判にさらされた。

「あの教訓は、しっかりと裏付けをとること、そして見通しを甘くもたないこと、すべての情報を開示すること、国民の前で真摯であること。これが私の未熟さで足りませんでした。ぜひ、蓮舫さんが代表になられて、私の失敗の経験をいかしていただきたい」

火種があるときこそ分裂

Toru Hanai / Reuters

前原さんは代表選を前に、こんな話をしていた。

「党内がバラバラで、ケンカして分裂する。離党者も相次ぎました。国民はなんだこいつら、と思ったでしょう」

前原さんが語ったのは、火種があるときこそ団結ではなく、人の好き嫌いを重視して分裂し、信頼を低下させ「自民党に代わる政権交代可能な政党」になりきれなかった旧民主党時代からの悪癖だった。

蓮舫体制も繰り返した悪癖

Toru Hanai / Reuters

そして、蓮舫さんも歴史を繰り返した。「選挙の顔」を期待されたにも関わらず、そして安倍政権には逆風が吹いていたにも関わらず、都議選はわずか5議席と敗北した。

敗北後も誰に責任があるのかを巡って、党内は迷走し、都連幹部は「解党的出直し」を公然と主張した。それは蓮舫さんの退陣を暗に促す言葉だったのだろう。

蓮舫さん自身も党内の批判を踏まえ、二重国籍問題を説明するために戸籍の公開にまで踏み切ったが、事態の好転にはつながらなかった。

結局、繰り返されたのは政権交代の選択肢になる以前の「ゴタゴタ」だった。政権交代を目指す野党なら、今以上のチャンスは早々こないのに、だ。

政権交代の選択肢にならない野党

Toru Hanai / Reuters

毎日新聞の世論調査によると、安倍政権の支持率下落は止まらず26%まで落ち込んだ。それなのに、民進党の支持率はたった5%しかない。現実的に政権交代の選択肢にすら入っていないことを示す数字だ。

安倍政権の支持率下落が「政局につながる可能性がある」と指摘する自民党議員にしても、意味するのは党内での「政局」だ。つまり安倍政権の求心力が低下し、政権が変わることがあったとしても、それは自民党内での政争で決着するということだ。

「誰で選挙をやっても相手が今の民進党なら勝てる」という声を何度か自民党議員から聞いた。

日本の政治の現状は、二大政党による政権交代ではなく、自民党内の路線闘争による首相交代しか現実的な選択肢がない、というこれまでの歴史を辿るような事態になっている。

保守政党以外の政権与党を選択することができない。積年の課題は民進党の執行部交代で解消に向かうのか?それとも悪癖を繰り返して終わるのだろうか。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Satoru Ishidoに連絡する メールアドレス:Satoru.Ishido@buzzfeed.com.

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