世界で唯一、女性が車を運転することが禁じられていたサウジアラビアで6月24日、女性が運転する権利を認めた法律が施行された。
非常に保守的なイスラム教国で、男性優位の家父長制や部族社会が根強く残るサウジアラビア。
女性が運転することは社会的に認められておらず、1990年に内務省が出した声明によって禁止が明文化された。彼女たちの自由を奪い、自立を妨げる「抑圧の象徴」として反対運動が続いていた。
これまでは、通勤や子どもの送り迎え…
近所の買い物でも、男性親族に頼ったり、運転手を雇ったり、タクシーを使ったりしなければ移動できなかった女性たち。
歴史的な日を迎えた24日午前0時すぎ、サウジアラビアの首都リヤドでは、誇らしげにハンドルを握った女性たちが真夜中の街へ繰り出した。
Twitterには、その瞬間を動画や写真で記録する女性たちも。
「みんな、行くよ😎」
「やっと運転できる!」
「自分の街をまるで違う視点から見ているみたい」
運転の解禁は、サウジアラビアの近代化を目指す次期国王候補・ムハンマド皇太子(32)の改革の一環。
6月頭に免許の交付が始まり、運転する権利を持つ女性約900万人のうち、すでに12万人から申請があったとロイター通信が報じている。
だが、女性が運転する権利を求めて運動を牽引してきた活動家たちの多くは当局によって逮捕、拘束されたままだ。
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、運転禁止や父兄の許可を得ていない女性は海外旅行に行くことができない「男性後見人制度」に反対してきた活動家たちが拘束され、6月21日現在も、少なくとも8人が囚われたままだ。
今後、場合によってはテロなど治安対策のための特別法廷で裁かれ、最大20年間拘留が続く可能性もあるという。
アムネスティは声明で、「女性の運転禁止が解かれたことは、女性の権利を求めて1990年代から運動を続けてきた活動家たちの勇気と信念の証だ」と述べ、次のように訴えた。
「女性たちは、ようやくハンドルを握る権利を得ることができました。その事実を歓迎する一方で、女性の権利獲得のために活動してきた多くの人々が、未だに囚われたままであることを忘れてはなりません」
「未だにサウジアラビアで女性が二流市民のように扱われ続けていることは、許しがたいことです」
「運転禁止の撤廃は、あるべき方向に進むための遅れてやってきた小さな一歩です。差別的な制度や慣習をなくすために、改革を続けていかなければなりません」
この記事は英語から翻訳されました。