日本最大級のLGBTQイベント「東京レインボープライド2021」が4月24日〜5月5日にかけて開催されています。
新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年に続き、今年も各種イベントはオンラインで実施。
初日の4月24日には、様々なゲストが登場するトークライブ「#おうちでプライド2021」が配信され、日本文学研究者のロバート キャンベルさんが登場しました。
「大きな岩が転がるスピードが…」
今年、設立10周年を迎える東京レインボープライド。トークライブでは「#声をあげる世界を変える」をテーマに、各ゲストがそれぞれの思いを語りました。
キャンベルさんは、2017年にニューヨーク州で男性パートナーと結婚し、翌2018年に自身のブログを通じて、ゲイだとカミングアウトしました。
「その(カミングアウトした)時点では、日本社会は大きな岩のように、本当に1ミリずつくらいゆっくりと、でも確実に転がっている…というようなことを考えていました」
「今は、特にこの1年くらいは、その巨大な岩が転がる速度が3倍速、4倍速とどんどん速くなっていることを実感しています」
「日本社会は分岐点を超えている」
同性婚をめぐっては、札幌地裁が3月、同性カップルのみ婚姻による法的効果を得られないことは、法の下の平等を保障する憲法14条に反するという、歴史的な判決を下しました。
電通ダイバーシティ・ラボが昨年末に実施した「LGBTQ+調査2020」でも、回答者の82.2%が同性婚の法制化に「賛成」「どちらかというと賛成」と答えたという結果が出ています。
キャンベルさんはこうした状況を見て「日本社会はすでに分岐点を超えていると思いますが、政治がまだ分岐点を超えられていない」と語ります。
「政治にも色々な段階があって、市区町村などの自治体レベルでは、3、4年くらい前までは、各地で『星』がちらほらと光っていたような感じだったのが、今では銀河のように、まるで光のリボンのように繋がろうとしています」
「パートナーシップ制度は全国各地に広がり、日本の人口の多くがカバーされています」
パートナーシップ制度を導入している自治体は100か所を超え、日本の総人口の37.2%がカバーされています(4月1日現在、同性パートナーシップ・ネット調べ)。
「一方で、自民党の『伝統的な家族を守る』という主張は、大切なことだということはわかりますが、『伝統的な家族』の定義がものすごく一元的で、固められたものになっています。動く社会、今の私たちの社会の現実から乖離しているところがあると思います」
一人ひとりが声を届ける
キャンベルさん自身が今求めていることは、LGBTQに対する差別を禁止する法律の制定と同性婚の実現。
では、政治を動かしていくために必要なこととは。キャンベルさんは一人ひとりが確実に政治家に声を届けていくことだと語ります。
「やっぱりこの問題が重要だと思っている人はまず、投票するべきだと思います。そして、日頃から色々なセクターへの声を届けることも大事だと思います」
「一人ひとりが議員に手紙を綴る、電話をかける、メールを送る。そうした声が彼らにとっては、一つの指標になっていきます。どれだけ声が積み上がっているのか、聞こえているのかが大事なので、私たちがやるべきことは必ずあると思います」
4月25日もライブ配信
トークライブは4月24日と4月25日の2日間にわたって配信。25日はタレントのりゅうちぇるさんや、モデルの長谷川ミラさんなども出演する予定です。
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LGBTQをはじめとする性的マイノリティの存在を社会に広め、“性”と“生”の多様性を祝福するイベント「東京レインボープライド」。BuzzFeed Japanは2021年4月23日(金)〜5月1日(土)にかけて、性的マイノリティに焦点をあてたコンテンツを集中的に発信する特集を実施します。
特集期間中、Twitterではハッシュタグ「#待ってろ未来の私たち」を使って、同性婚やパートナーシップ制度などのトピックをはじめ、家族のかたちに関する記事や動画コンテンツを発信します。
同性婚の実現を求めて全国のカップルが国を訴えた裁判や、各地でのパートナーシップ制度の広がりなど、少しずつ社会が変わり始めている今だからこそ、「より良い未来に生きる私たち」に向けて、「2021年の私たち」からのメッセージを届けます。