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自分の性別に違和感があるってこんな感じ… ある漫画が分かりやすいと話題

「心の性別が男でも女でもない」「性自認がわからない」「性別に違和感がある」トランスジェンダーやエックスジェンダーと呼ばれる性的マイノリティーの気持ちを描いた漫画がわかりやすいと話題です。社会的な性別を2種類の椅子にたとえ、解説しています。無性別でも、性別がどっちでもなくても、「変わりのない“一人の人間”としてその人と向き合えるといいですね」

からだの性と心の性が一致しない。心の性が「男」にも「女」にも当てはまらないーー。

そんな「トランスジェンダー」や「Xジェンダー」と呼ばれる性的マイノリティーの気持ちを描いた漫画がわかりやすいと話題です。

「俺が痛いっつったら痛いんです」

漫画は、社会的な性別を2種類の椅子にたとえ、多くの人は最初から大体合う方に座っているものの、なかには自分の椅子が合わず、痛みを感じる人もいる、という描写から始まります。

彼らが自分に合う椅子を求めて立ち上がると、椅子に違和感がない人からは「ほんとに合わないの?」「良さがまだわからないんだよ」「その椅子に座って生まれてきたんだから、楽しまなきゃ」などの声が。

でも、その人のお尻の痛みは本人にしかわからない。

最後は、どんな椅子に座っていても、椅子を変えても、立ったまま座らないことを選んでも、「変わりのない“一人の人間”としてその人と向き合えるといいですね」と結ばれています。

自分は男性でも女性でもない

漫画を描いたのは、戸籍上は女性ですが、自分は男性でも女性でもないと感じるXジェンダーのSYOさん(@syo_nyanda)。

「イケメンキャストとの放課後デート」がコンセプトの男装デート店「新宿イケメン学園N組」で働いています。

漫画をTwitterに投稿すると、1万3千件以上リツイートされ、同じ体験をしている人などからたくさんの共感の声が寄せられました。

「この椅子に座れ!って命令されちゃうのはすごく辛い」

僕これ椅子がそもそもない人!椅子がないし、自分に合う椅子もまだ見つけられてないから、とりあえず立っているしそれが良いのだ。自分が好きで立ってるだけだから、そういう人なんだな〜〜と思って眺めてほしい。この椅子に座れ!って命令されちゃ… https://t.co/mYTG2eMjzj

「何より自分の心の性を大事にすること」

僕も20代の頃は性自認が不安定だったけれど、男女どちらでもない性自認を肯定してからはとても楽になりました。身体の性より、社会的な性より、何より自分の心の性を大事にすること、性自認を確立することが Xジェンダー (MtX / FtX… https://t.co/XLFmhUZmHu

「座り方にも文句がつかない世の中になれば…」

座り心地悪いなぁ、あっちの椅子のがいいのかなぁでも移動するのも面倒だしなってもぞもぞしてたら背もたれに膝かけて逆さまになって「この座り方なら痛くない」と発見する人とかもいる。座り方にも文句がつかない世の中になれば、大変な思いをして… https://t.co/9z0SwVxmXM

「意味がわからない、と一蹴される」

漫画を描こうと考えたきっかけは。SYOさんは「なんでわかってくれないんだよ!と憤っても何にもならないので、いい伝え方はないか…と考えてきた一つの結果です」と、BuzzFeed Newsの取材に話します。

「自分は昔から女性らしくなかったため、どうして女らしくしないのか?無理して男ぶっているのではないか?といった質問を数え切れないほど受けてきました」

「そのたびに、全ての人が“男性”と“女性”の二種類にきっちり分けられるわけではなく、自分はどちらでもありたくないと伝えようとしても、意味がわからない、と一蹴されることが多かったんです」

「あなたの性別は男性と女性どちらですか?という質問をしてくる人も多いですが、なんのためにそんな質問をするの?と引っかかってしまいます」

「この人は相手のセクシャリティに合わせて対応を変えるつもりなのか?恋愛対象になるかならないかを分類してからでないと、交流を始められないのか?などと考え込んでしまうこともありました」

自分の価値観で「幸せ」に導くのは…

「どんな椅子に座っていようが、立っていようが、変わりのない一人の人間として…」と綴った最後のコマでは何を伝えたかったのか。SYOさんは言う。

「ジェンダーに限らず、自分と違う考えの人に出会ったときに、自分や多数派と同じ考えであれと強制する義務や権利は誰にもないし、相手が不幸だと決めつけて、自分の価値観で『幸せ』に導くのは、必ずしも正義ではないと思います」

「むしろ身近にマイノリティが居る場合、その個性を知った上で一切干渉しない事がその人への愛となる場合もあります」

「相手を大切に思うなら、違う価値観を持っていても否定せず、わからない・共感出来ない部分には、口を出さない。そういう交流ができれば、無意識に相手を傷つけることも減らすことができる。お互いきっとwin-winですよ!」

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BuzzFeed JapanNews