TOKIO山口達也さん、会見で女子高生に謝罪 「心の傷という一言では済まされない」

    「もしかしたら、一生忘れられない出来事だったのかなということを考えると、本当に申し訳ない」

    自宅のマンションで女子高生に無理やりキスをするなどの行為をしたとして、「TOKIO」のメンバー・山口達也さんが強制わいせつ容疑で書類送検されたと、NHKをはじめ報道各社が報じた。

    山口さんは4月26日午後、都内のホテルで謝罪会見を開いた。ジャニーズ事務所は、山口さんの無期限の活動停止を決定したと発表した。会見の様子と主な発言を紹介する。

    事件の経緯「記憶は曖昧」

    会見場に現れた山口さんは黒いスーツに身を包み、目に涙を浮かべたまま、数十秒間にわたって深々と頭を下げた。

    「これだけ世の中を騒がせてしまったこと、被害者の女性、友人、ご家族のため、お怒りの方、呆れている方、心配している方、応援してくれている方のためにも、まず処分が決まる前に、私の口からご報告させていただきます」

    冒頭で、事務所の顧問弁護士と山口さんが説明した事件の経緯はこうだ。

    山口さんは1月中旬からアルコールで体調を崩し、入院。退院した2月12日は、午前中に仕事を終えて帰宅し、酒を飲み始めた。

    午後8時ごろ、山口さんが被害を受けた女子高生に「家に来て話さない?」と電話した。女子高生は山口さんとも面識のある友人を誘い、山口さんの自宅へ行った。

    30分〜1時間ほど3人でリビングで話し、山口さんが被害女性にキスをした。山口さんが退席している間に女性たちは家を出た。その間、山口さんは焼酎瓶1本程度、飲酒していたのではないかという。

    3月末に警察の事情聴取が始まり、4月頭に山口さんから事務所へ相談した。なお、山口さんは事件当日の記憶が曖昧で、のちに警察から受けた説明で詳細な経緯を知ったと話している。

    事務所の顧問弁護士によると、検察による捜査は続いているが、女性側から被害届は取り下げられ、示談も済んでいるという。

    被害女性は未成年で、仕事を通じて知り合ったと報じられている。

    被害女性へ「心の傷という一言では済まされない」

    山口さんは会見で、涙を流しながら被害女性へ謝罪の言葉を口にした。

    「2月12日にそういうことがあって、私はそれも知らずに普通に仕事をしてたってことが、すごく情けなくて」

    「その間彼女は、本当につらい思いを1ヶ月間して、したくもない話を警察の人に聞かれ、思い出して苦しむような日々を送っていたんだと思うと、言葉にならないです。本当に申し訳ありません」

    「事情聴取が始まってからは、毎日そのことを考えていて。簡単に心の傷という一言ではきっと済まされない」

    「うちに来ればと言った時に、やっぱり彼女には断れなかったこともあるだろうし、未成年からしたら大人の男性が怖かったんだろうなということ…」

    「もしかしたら、一生、忘れられない出来事だったのかなということを考えると、本当に申し訳ない」

    会見では、事務所の顧問弁護士が被害者の保護者のコメントを読み上げた。

    「今回娘が被ったことは、親としては決して許せるものではありません。ただ娘にも山口にもこれからがあります。この過ちで、一人の人間の未来が、全て奪われてしまうことは、私たちも望んでおりません」

    「山口には娘の心の傷に向き合いながら、これからを考えていただき、娘についても、そっとしておいてもらいたい」

    山口さんはこのコメントで「救われた」と話した。

    共に走ってきたメンバー

    山口さんが会見において、もっとも声を震わせ、涙を流した瞬間の一つは、20年以上活動を共にしてきたメンバーへの思いを問われ、一人ひとりの名前を呼んだときだった。

    「城島茂、国分太一、松岡昌宏、長瀬智也というメンバーで、23年間同じ方向を向いて、走ってまいりました」

    「ジュニアの頃から入れると、30年ぐらい。もう人生の半分彼らと一緒に戦ってきて、助けて、助けられて、TOKIOはここまで来られました」

    「今回私のこういう身勝手な件で、彼らがどれだけつらい思いをしているのか。どういう思いで彼らが過ごしているのかを考えると、どうしていいかわからないです」

    「でも彼らがいて、私がいるので。怒ってくれるのも、もう彼らぐらいしかいない歳になった。甘い考えかもしれませんが、彼らを信じて、もし待ってくれている場所が、私の席がそこにあるのであれば、またTOKIOとしてやっていけたらなあ、と…。本当にすみません」

    国分太一さんは会見当日の朝、TBSの番組「ビビット」で山口さんの事件に言及し、「どんなことがあってもグループは連帯責任だ」とコメントしている。

    ファンへの思い

    ファンへの思いを問われた時には、若い子どもたちのファンにとって「お手本になれるような人間でなければいけなかった」と声を震わせた。

    「TOKIOが5人いるだけでは、もちろんこの世界にいることはできなくて、なぜTOKIOが今5人揃って活動できるかってのは、もちろんファンの支えがずっとあったからです」

    「長く活動すればするほど、いろんなファンの方が応援してくれて、ちっちゃい子から年配の方まで応援してもらえるようなグループになりました」

    「本当なら、子供たちの手本になれるような人間でなければいけなかったのですが、そのファンすべての人を、それを支える関係者やスタッフの皆様にも、謝っても謝りきれません」

    今後は「反省する時間を」

    今後の活動について問われた際は、「謹慎が明けることは今はそこまでは考えが至っていません」と答えた。

    謹慎中は「被害者の女性とそのご友人、ご家族の心が穏やかになり、以前のような生活ができることを願いつつ、毎日反省する時間を過ごしたいと思います」と話した。

    「ファンやこの会見を見ている全ての人が、色々な感情で私のことを見ていると思います」

    「これからどうしていくかは、私には言う権利はないですけども、ファンがいる限り、山口達也で、そしてTOKIOでありたいなという気はしています」