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オリンピックの生中継で、男性同士の「歴史的なキス」が放映された。

「こういう何気ない愛情表現の瞬間が、世界中のLGBTQに希望を与えてくれる」

2月18日の平昌オリンピック・フリースタイルスキー男子スロープスタイルで、アメリカのガス・ケンワージー選手が、交際相手の男性とキスする様子がテレビ中継で放映された。

オリンピックの生中継で、同性カップルがキスする姿が放映されるのは稀で、「前例がないのでは」「歴史的な瞬間だ」と話題になっている。

A first -- NBC just showed Gus Kenworthy getting a kiss from his boyfriend Matt Wilkas on live TV at the @Olympics.… https://t.co/naJymQYV3t

ソチで銀、翌年カミングアウト

ケンワージー選手は、フィギュアスケートのアダム・リッポン選手とともに、今大会のアメリカ代表チームで同性愛者だと公表している2選手の一人。

ゲイだとカミングアウトしているアメリカの選手が冬季オリンピックで競うのは、初めてのことだ。

ケンワージー選手も、2014年のソチオリンピックで銀メダルを獲得したときは、自分のセクシュアリティを明らかにしていなかった。

だが翌年、スポーツ誌のインタビューでカミングアウトした。

「今までずっと自分はゲイだという真実を認めるのが怖かったけど、嘘をつき続ける痛みがその恐怖を上回るようになった」

「いま、この壁を取り払うことができて、本当に誇らしく思う」と当時の心境をInstagramに綴った。

歴史的な「オリンピックキス」に喜び

18日、ケンワージー選手はスタートラインに立つ前に、家族や友人とともに応援に駆けつけた交際相手の俳優マシュー・ウィルカスさんを抱き寄せ、唇に軽くキスをした。

そして、幸運を願って再び固く抱き合う姿が、そのままアメリカの大手テレビ局NBCによって、全米のお茶の間にリアルタイムで届けられた。

カメラが捉えた瞬間はケンワージー選手と彼の恋人にとっては、本当に何気ない、ありふれたものだったのかもしれない。

だが、お互いを思い合う2人の姿を生中継で見た視聴者からは「歴史的な瞬間だ」と感激の声が上がった。

「オリンピックでキスする2人の姿を見ていると、本当に誇らしくなる」

Watching @guskenworthy kiss his boyfriend at the #WinterOlympics makes me so #proud 💪💜🏳️‍🌈🇺🇸🏅⛷ #TeamUSA #TeamUSGay

「こういう何気ない愛情表現の瞬間が、世界中のLGBTQに希望を与えてくれる」

Wow, what a moment! @guskenworthy shares a kiss with his boyfriend at #Olympics2018. This visibility matters. This… https://t.co/NSXJkCco6c

「未だにこの歴史的な『オリンピックキス』に心を揺さぶられてる。世界中のLGBTQを勇気付けてくれてありがとう!」

Still shook from @guskenworthy's historic #Olympic kiss on TV with his boyfriend #MatthewWilkas! 😱 Thank you for yo… https://t.co/KEtYe7l1h7

「僕が子どもの頃は夢にも思わなかった」

ケンワージー選手も競技後、「この瞬間が撮られているとは気付かなかったけど、撮ってくれて本当にうれしい」と自身のTwitterに投稿した。

なぜか。「子ども時代の僕は、オリンピックでゲイの選手がキスをしている姿を見られるなんて夢にも思わなかったけど、今テレビの前にいる子どもたちはそんな選手を見ることができたから」と綴った。

Didn't realize this moment was being filmed yesterday but I'm so happy that it was. My childhood self would never h… https://t.co/DGv22rd3Cd

実は、まだカミングアウトしていなかった4年前のソチ五輪でも、同じように恋人にキスをしようとして思いとどまった瞬間があったというケンワージー選手。

だからこそ、今回の放送は大きな意味があったと、報道陣の取材に語った。

「(4年前は)怖くてできなかったことだったからこそ、あの瞬間彼にキスできたこと、僕たちのお互いへの愛情が世界中に放送されたことは、本当にすごいことだと思う」

「同性愛への偏見を変え、壁を壊してホモフォビアをなくすためには、僕たちが前に出て、自分たちの姿を見せることが大切だと思う」

「僕が子どもの頃、そうした選手の姿を見ることができたなら、もっと苦しまずに済んだから」

怪我を押しての出場だった今大会。結果は12位。でも、ケンワージー選手は「メダルよりも大きなものを得ました」と語った。


🥇BuzzFeed Japanは平昌オリンピック・パラリンピックに関する情報をお届けしています。

BuzzFeed JapanNews

(サムネイル:David Ramos / Getty Images)