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「イクメンが何かも、よくわかってないんです」パパになったりゅうちぇるの現在地

「『ママ』『パパ』っていう言葉はあるけど、そういう呼び名は名前の後ろに来るものだと思っています」

2018年7月11日、タレントのぺこさんとりゅうちぇるさん夫妻のもとに、第一子リンク君が生まれた。

リンク君の誕生後も、テレビのバラエティ番組から歌手活動まで、忙しい日々を送っているりゅうちぇるさん。その傍ら、育児や家事を楽しむ様子をSNSに綴っている「りゅうちぇるパパ」に聞きました。

お父さんになるのって、どんな感じですか?

カツ丼とあんぱんを食べました

ーーリンク君が誕生してもうすぐ3カ月。子育てを始めてみて、いかがですか?

大変なことも予想していたんですけど、思ってたよりもつらくないというか…。とにかくリンクがかわいくて!

出産前は、「今までぺこりんも毎日色んなお仕事をして飽きない生活だったから、ずっと家の中で赤ちゃんと二人だけの世界が続いたら、マタニティブルーになっちゃうんじゃないか…」とか、「自分にはまだ見えてないつらいことが起きるんじゃないか…」とか心配だったんです。

でも、今は毎日幸せなことばっかりで、すごく楽しいです。リンクは本当に天使だなって思ってます。

ーー出産にも立ち会いました。

僕はぶっちゃけ、ちょっと怖くて立会いできるかな…って感じだったんですが、ぺこりんが「りゅうちぇるがいないと産めない!絶対来て!」って言ってくれて。

最初は余裕そうだったんですけど、どんどんどんどん苦しそうになって。病院中に聞こえるくらいの声で叫んでる間、ずっと手を握ったり、あおいだり、飲み物を飲ませてあげたり。

「大丈夫?」って聞いても、「大丈夫じゃないよ!」って感じだと思ったので、「大丈夫だよ!」って勝手に決めつけて声をかけることを大事にしてました。

頭が見えたときは、もう本当に涙が止まらなかったです。はあ〜ぺこりんとリンクが二人で頑張ってくれたんだなあ〜って。

午前11時ごろに生まれたんですけど、眠ってないし、とっても疲れてたので、カツ丼とアンパンを食べて、ふたりで寝ました(笑)

ーー子育てするにあたり、ぺこさんとどのように話し合い、役割分担をしているのでしょうか?

ぺこりんは、なるべくいっぱい愛を届けたいっていう気持ちが強くあって。出産後はお仕事に戻るよりも、リンクにお家でママの愛を独り占めしてほしいと考えていました。

それは本当に素敵だと思うし、僕はママとしての自分を生きたいっていうぺこりんの生き方を応援してあげたかった。なので「じゃあ僕はこれまで以上にお仕事を頑張る」ってことに決めました。

今は朝、余裕があったらぺこりんのご飯を作ったり、昼も時間があったら帰ってきて、掃除したりとかしてます。

夜はお風呂入れたり寝かしつけたり、ぺこりんがちょっと体調優れないなって時は搾乳してあるおっぱいをリンクに飲ませてあげたり。でも意外と余裕もあって、自分の時間もちゃんと取れています。

だから、なんか結局外から見たら、昔の古風なママとパパの役割分担に近い感じかもしれないけど、それを意識したわけじゃありません。僕たちの性格上、そういう風になっただけなんです。

「イクメン」ってなんだろう

ーー「イクメン枠」でテレビ番組に出演したり取材に答えたりすることも増えてきました。

なんか、僕自身まだ何がイクメンなのかよく分かってなくて…。

バラエティに出たりした時に、最近の近況として子どもの話をすることが増えるにつれて、自然に「イクメン」と呼んでいただいたりするようになっただけなので…。

そもそも僕は「男だから」「女だから」っていう考えをしなくて、小学生の頃から「女の子だから家庭科が得意」とか「男の子だから体育が得意」とかっていう考え方が嫌いだったんですね。

得意な人は得意だし、苦手な人は苦手。その人自身を見ていくという考え方なので。だから「ママ」「パパ」っていう言葉はあるけど、そういう呼び名も名前の後ろに来るものだと思っています。

子育てについても、自分たちの得意なものと不得意なものを交換しながら、ぺこりんとりゅうちぇる二人だけのルールを作っていこうって思っています。

例えば、ぺこりんがママだからできるのは、おっぱいをあげることで、それ以外のオムツを替えることとかは全然僕でもできます。

だから本当に、世の中のお父さんは、おっぱい以外はなんでもできるよって思います。

ーー「女だから」「男だから」という考え方が嫌だったのはどうしてですか?

僕も小さい頃から可愛いものが大好きで、バービーで遊んでたら「オカマだ」とか言われて。「なんでバービー持っただけでオカマなの?」みたいな感じだったんですよね。

だから自分には居場所がないんじゃないか、自分は人と違うんじゃないかってことを認めざるを得なくて。

中学生のころは、自分を表現するよりも孤独になることへの恐怖の方が強くなって、自分を偽っていた時期もありました。

そうしたら、偽りの友達ができて、偽りの学校生活がすごくストレスになって、結局孤独になってしまいました。孤独になりたくなくて、自分を偽っていたのに。

でも、高校で自分をようやく出せるようになって、それをずっと続けていくことによって、ぺこりんとも出会えて、仕事にも恵まれて。自分を表現することによって人生が広がりました。

だからリンクも、とにかく自分を持った子にしたいと思っています。自分に自信がないと、自分のことも嫌いになってまうし、夢さえ見つからないし、運命の人との出会いにも気づけなくなっちゃうと思うんですよね。

だから、色んなことを言われても、人と違くても、自分を貫いてるパパの姿はリンクにも見てほしいなと思いますね。

「恋愛は邪魔」と思っていた

ーー子供はいつ頃から欲しいと考えていたんでしょうか?

結婚する前から、子供ができたらこういう名前にしたいとか、こんなお洋服着せたいとか、夜眠る前に超おしゃべりしたりしてたんですね。

で、結婚したらそれが現実味を帯びてきて。何か、もう子供ができてもおかしくないんだよね、みたいな。

でも、それこそ今は家庭の幸せをすごく身にしみて感じてるんですけど、別にそれがすべての幸せとは限らないと思っています。その考えは今も変わっていません。

上京する前は、いつか原宿で古着屋さんとか読者モデルとかをしながら、二十代後半から35歳くらいまでに、自分のセレクトショップを出すことが最終目標だったんです。

で、その夢を追いかけるためには、彼女は邪魔だって思い込んでて。

自分で稼いだお金や時間も自分に使いたい、自分を高めればいい人生になるって思ってました。今は恋愛はするものじゃないし、夢にとって邪魔になるって勝手に決めつけちゃってたんです。

そんな中で、ぺこりんに出会って。

こんなにもお互いを高め合える恋愛ってあるんだ、お互いの仕事の邪魔もせず、お互いをキラキラさせるために出会ったかのような恋愛があるんだって知って、恋愛の価値観が変わりました。

最初は、息子を曲にするのも嫌だった

ーーお子さんが生まれることで、仕事への影響は心配になりましたか?

最初はプライベートはプライベート、仕事は仕事として、別々に進んでいこうと思ってたんです。

でも、ぺこりんがまだ妊娠してる時に2曲目のシングルを作っていたら、ヒャダインさんが「今のりゅうちぇるだからこそ歌える歌があるんじゃないか」って言ってくれて。それが転機になりました。

最初は、息子を歌にするってなんかやだ!プライベートなのにそこまでも仕事にしちゃうのやだ!って思ってたんです。

でも実際に作ってくださった「Link」という曲を聞いてみたら、ママやパパも僕を産んでくれた時はこう思ってたのかなとか、今から親になる方にも、子供が今いる方にも響く歌だなと思って。

こういう風に自分のプライベートの出来事をみんなに発信することも、これからはりゅうちぇるとしてやっていくべきことなのかなって思うようになりました。

今は家族の時はパパとして頑張って、でも仕事ではみんなに幸せを与えられる「りゅうちぇる」っていう変わりない存在でいたいなって思っています。

ママとパパなら黒髪?

ーー出産や育児の様子をSNSで伝える中で、批判的な声が向けられることもありますか?

妊娠を発表した時に、「ママとパパになるんだったら黒髪にしなきゃね」ってコメントが来て、「何がどうつながって黒髪になるんだろ…?」と思いました(笑)

僕がパパとして大切にしてるのは、とにかく愛を持って立派に育てることなので、僕が金髪だからといって、僕の子育てがおろそかになってるかと言われたらそうじゃないし。なんか疑問だらけで。

ただ、そういう時に僕がいちいち食ってかかって、むきになるのもなんか違うなって思っていて。

いろんな意見があるんだってことを飲み込んで、それを否定もせずに、「あ、そうなんだ〜!でも僕はこうする〜!」って言うことを常に大切にしていますね。

やっぱり育った環境が違うし、この人の人生を全て見てきたわけでもないのに、僕が偉そうに言うのも全然違うと思うので。

僕にとっての幸せがこの人にとっての幸せかはわからないし、僕にとってメイクが幸せなように、この人にとってはパチンコとか温泉とかが幸せなのかもしれない。それが重なり合わなくても、それぞれの個性があってすごく楽しいし、素敵なことだと思います。

そんな風に幸せの価値観も違うのに、夫婦はみんなこうしなきゃいけないとか、子育てはこうしなきゃいけないっていうのは、おかしな話ですよね。

だから、夫婦のあり方も子育てのあり方も、いろんな色があってもいいのかなって思います。

理解はできなくても

ーー10月17日にデジタルリリースする新曲「Diversity Guys!」でも、お互いの個性を尊重し、認め合う大切さを歌っています。

何か一つの行動で、人を決めつけてしまうっていう人ってすごく多いし、その気持ちもすごくわかるんですよね。でも拒否するんじゃなくて、理解はできなくてもいいけど、認め合おうよって思っています。

僕も仕事上、いろんな意見があるし、全てを受け入れるのはやっぱり体力がいります。僕だって人間だから、本当はもう暴言で言い返したいって思うこともあるけど…。

でもやっぱりみんなに伝わってほしいから、言葉を選ぶんですよね。

今はとにかく、僕とぺこりんの言動によって、リンクが何か言われたり、傷ついたりするのがすごく嫌なので、自分の言動はすごく覚悟を持って発信していくことを大切にしています。

これもお父さんになったからこそ、ですね。

ーーこれから親になる若い人には、どんなことを伝えたいですか?

多分100通りの意見があると思うんですよ。こうした方がいいよとか、こうしちゃだめだよとか、色々言われて混乱しちゃうと思うんですね。

参考になる話もいっぱいあるので、全部とにかくうっすら聞いておいて。自分たちに合うものをやってみて、周りと比べず自分たちらしくしていいと思います。

色んな意見があっても、自分たちらしい家族と子育てをするのが大事。自分たちのルールを見つけたもん勝ちだと思います。

BuzzFeed Japanでは10月9日午後7時から、りゅうちぇるさんをお招きしたLIVE番組をInstagramTwitterで配信します!

新曲「Diversity Guys!」に込めた思いから、歌手活動を通じて伝えたいメッセージまでたっぷり語っていただきます。ぜひご参加ください!

🌈告知🌈 明日10月9日(火)19:00〜 りゅうちぇるさん( @RYUZi33WORLD929 )をお招きして、Twitterの生配信で新曲への思いを全部語るライブします!ぜひ通知をオンにしてお待ちください🙌

BuzzFeed Japanは10月11日の国際ガールズ・デー(International Day of the Girl Child)にちなんで、2018年10月1日から12日まで、ジェンダーについて考え、自分らしく生きる人を応援する記事を集中的に発信します。「男らしさ」や「女らしさ」を超えて、誰もがなりたい自分をめざせるように、勇気づけるコンテンツを届けます。