
今月も、生理がやってくる。
「なんでこんなに憂鬱な日に、もっと憂鬱な気持ちになるような生理用品から選ぶしかないんだろう」
店頭に並ぶ紙ナプキンやタンポンを前に、そんな風に感じたことのある人は少なくないかもしれない。Period.代表の寺尾彩加さんは、その一人だった。
「選択肢」がないなら、自分で作ればいい。
そう考えた寺尾さんが立ち上げたのが、生理の日も快適に過ごせる新しい下着ブランド、Period.だ。
生理が「待ち遠しくなる」

寺尾さんがPeriod.の開発を始めたきっかけは、アメリカの生理用下着ブランド「Thinx」に出合ったことだ。
「初めてThinxを試したとき、今まで生理中に感じていた下着を汚してしまう不安や、夏場の蒸れる感じ、運動するときのナプキンの不快感などの悩みをすべて解消してくれて、とにかく感動しました」
「あまりに感動して、5日間とか7日間しか生理がないのがなんだか惜しくなってきて…。『もっとこの商品を使いたい!』と、次の生理がくるのが楽しみになったんです」
日本にもこうした「選択肢」を広めたいと、会社員として働く傍らThinxの輸入販売を始めた。
だが、日本にはまだない商品だからこそ、「ないなら作ろう!」と自身でブランドを立ち上げることを決めた。
「選択肢」を増やす

Period.代表の寺尾さん
業者探しから始め、手に取りたくなるデザインを重視して細部までこだわった。
Period.は、見た目は普通のパンツだが、吸水体や防水布を重ねた多層構造になっている。漏れにくい構造で、生理中の不安を軽減することができるという。
洗濯するときは、水洗いをしてから洗濯機に入れるだけで、特別なお手入れは必要ない。
例えば、「もうそろそろ生理が来るかな?」という時期も下着を汚す心配がなくなったり、ジムで体を動かすときも快適に過ごせたり。
生理中も、今より少し快適に過ごせるようになる。そのための新しい選択肢として、暮らしに取り入れてほしいと寺尾さんは考えている。
フェムテックは女性だけのものじゃない

Period.のように、女性ならではの身体の悩みを新しい技術や商品で解決する動きは「フェムテック」と呼ばれ、日本でも注目が高まっている。
だが、性やからだに特化したメディアコマース「ランドリーボックス」代表の西本美沙さんは、「フェムテックは女性だけのものじゃない」と語る。
「フェムテックが広がることで、女性の社会課題が可視化され、これまで女性だけが抱えてきた身体の悩みを、男性が知ることにもなると思います」
「フェムテックの市場が広がることは、これまであった男女間の溝が埋まることにつながると考えています」
Period.は、12月からECショップをオープンし、一般発売を開始する予定だ。寺尾さんが目指すのは「生理革命」だ。
「生理の悩みを軽くすることで、みんながもっと生きやすくなって、仕事とか恋愛とかいろんなこと楽しめるようになる。いろんな人を元気づけて、より快適に毎日を送ることができるように、私はPeriod.をやっていきたいと思っています」
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昨日も、きょうも、これからも。ずっと付き合う「からだ」のことだから、みんなで悩みを分け合えたら、毎日がもっと楽しくなるかもしれない。
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10月1日から10月11日の国際ガールズ・デー(International Day of the Girl Child)まで、こちらのページで特集を実施します。