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大雨後の暑い日ほど注意が必要 熱中症を防ぐ方法と応急措置

熱中症は、梅雨明けや大雨後の暑い時期がもっとも発生リスクが高いとされる。

西日本を中心に記録的な大雨が襲った「平成30年7月豪雨」。

気象庁によると、復旧作業が行われている被災地では、気温30度を超える暑さが続く見込みで、熱中症のリスクが高まっている。

佐久総合病院(長野県佐久市)の医師たちが中心となり、子どもの病気やホームケアについて情報発信している「教えて!ドクタープロジェクト」では、熱中症の症状や必要な応急措置、予防する方法を解説している。

熱中症の応急措置

熱中症は、高温多湿である梅雨明けや大雨後の暑い時期がもっとも発生リスクが高いとされる。

特に幼い子どもたちは、熱中症のサインがあってもうまく説明できず、気づかない内に症状が進行してしまう場合があるため、注意が必要だという。

軽度の熱中症の主な症状は、めまい、立ちくらみ、足がつるなどの筋肉痛、どんどん汗をかく、手足の痺れ、体に不快感があるなど。

応急措置のポイントは次の通りだ。

  1. 涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせる
    …クーラーが効いた室内など涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせる

  2. 身体冷却
    …服を緩め、保冷剤やタオルで首・脇の下・太ももの付け根など太い血管の部分を冷やす。肌に水をかけたり、濡れタオルで拭いたり、厚紙などであおいだりする。
    …制汗スプレーなどは熱中症の応急措置としては推奨されていない

  3. 水分摂取
    …脱水の治療としては経口補水液がおすすめ。意識レベルが低い場合や嘔吐がある場合は、水分摂取を控える

応急措置をしても症状が改善しない、または頭痛、吐き気、嘔吐など中等症の症状がある場合は、受診する必要がある。

呼びかけへの反応がおかしい、痙攣がある、まっすぐ走れない、汗が出なくなるなど重症の症状が見られる場合は、速やかに救急車を呼ぶよう勧めている。

熱中症を防ぐためには

では、熱中症を防ぐためには、どのような点に注意すれば良いのか。主な予防のポイントは以下の通り。

  • 梅雨の合間の晴れ間、梅雨明け、30度以上は注意
    …急に暑くなる日、梅雨の合間の晴れ間や梅雨明けなど、気温と湿度が高い日は熱中症のリスクが高くなる

  • 屋内でも油断しない
    …日差しのない屋内でも、屋外と同じように注意が必要。特に体育館は風もなく、締め切っていることもあり、熱中症のリスクが高い

  • 適した服装を
    …推奨されるのは、薄い色の服、吸湿性や通気性の良い素材、屋外では帽子の着用、直射日光を避ける、保冷剤の併用など

  • 子どもには大人から休憩や水分補給の声かけを
    …特に乳幼児は体の不調を十分に訴えられない上、遊びに夢中になると、熱中症のサインに気づくのが遅れる場合がある。大人が様子を見て、休憩時間や水分補給を促す必要がある


  • 子どもを暑い環境に置き去りにしない
    …「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と思っても、乳幼児を放置するのは危険。特に車内の置き去りは絶対にやめましょう

教えて!ドクターでは、他にも災害時の授乳や発達障害のある子どもたちの避難所での過ごし方などについても、ホームページ無料アプリで案内をしている。

熱中症の応急措置と予防に関する詳細は、こちらのPDFでご確認ください。

大雨明けの暑い時期は、熱中症のリスクが一番高いときです。 そこで今回は「熱中症」についてまとめました。オモテ面は熱中症とその応急処置。ウラ面は熱中症の予防について。日焼けについても少し触れています。被災地では熱中症のリスクが高くなっています。少しでもお役に立てればと思います。 https://t.co/0ugrp0IF1U