生理中は「自分が自分じゃなくなる」感覚がした。新たな“生理の選択肢”をつくるサッカー選手たちの思い

    どんな時でも、自分にあった選択がしたいから。

    店頭に並ぶ生理用品は、どれも「女性らしく」「かわいらしい」ものばかり。自分には合わないと思っても、選択肢がない以上、我慢するのが当たり前ーー。

    そう諦め、耐えてきた経験を持つ2人のアスリートが、従来の女性用商品にはなかった選択肢を求めて、「かっこよさ」と機能性を重視した吸収型パンツブランド「OPT」を立ち上げる。

    第1弾はボクサーパンツ。4月5日からクラウドファンディングサービス「GoodMorning」で先行販売を開始する。

    「かっこいい」生理用品を

    OPT

    「OPT」を立ち上げたのは、なでしこリーグに所属する現役サッカー選手の下山田志帆さんと、元サッカー選手の内山穂南さん。

    中学時代からの「戦友」でもある2人は、2019年に「株式会社Rebolt」を立ち上げ、女性スポーツ界からジェンダーステレオタイプに対して問題提起するような商品の開発を続けている

    Saori Ibuki / BuzzFeed

    OPTを立ち上げた内山穂南さん(左)と下山田志帆さん

    今回発売されるOPTは、繊維商社「株式会社ヤギ」との協業で製品開発した。

    外見上はメンズのボクサーパンツと全く同じようなデザインで、内側のクロッチ部分に4層構造の吸水素材が備え付けられている。

    機能面では、実際にサッカー選手として活動している下山田さんが半年以上にわたって試しばきを重ね、アスリートレベルの運動量があっても、快適に履くことができるよう改良を重ねてきたという。

    洗濯する際には、水が濁らなくなるまで手でもみ洗いをしてから、洗濯機で洗うことができる。

    自分にあった「選択肢」がない

    OPT

    生理中でもナプキンやタンポンを使わずに過ごせる「吸水ショーツ」は、GUが今年3月に販売を始めるなど、国内でも広がりを見せつつある。

    その中でもOPTの特徴となるのは、アスリートが練習中や試合中に履くことも視野に入れた高い機能性と、「女性用下着」や「生理用下着」であることを思わせる特徴を一切排除したデザインだ。

    OPT

    世間で語られる「女性らしさ」に自分は当てはまらない。

    そう感じてきた下山田さんと内山さんにとって、生理期間中は「自分に合った選択肢」がないなか、ただただ我慢するしかないものだった。

    「ドラッグストアの、あの、かわいらしいパッケージの生理用品が並んでいる売り場に立っている自分が『気持ち悪い』と感じてしまって、買いに行くこともできなかった」と内山さんは語る。

    生理期間中は、実家で親が買ってきてくれたものをこっそり盗み取って使う日々。初めて生理が来たときから今日に至るまで、家族と生理について会話をしたこともない。

    「小さい頃から、生理期間中は、自分が自分じゃなくなってしまうような感覚があったんです」

    Saori Ibuki / BuzzFeed

    下山田さんも、生理用品をめぐる選択肢がないことに苦しんできた1人だ。

    「これまでの商品はどれもジェンダーステレオタイプが強く反映されていて、すごくフェミニンなものしかありませんでした」

    「でもそれを買わないと生理が乗り越えられない。だから買うしかない。選択肢がないから、我慢するしかなかったんです」

    ナプキンやタンポンなどの生理用品に限らず、女性用の下着も「履くことで女性らしい体型に仕立てられてしまう」感覚があると下山田さんは語る。

    だからこそ、OPTのデザインを決める過程で自分たちが選ぶ「かっこいい」商品とは何かを追求した結果、普段から自分たちが履いているメンズのボクサーパンツに近いデザインで、吸水機能を持たせた商品へとたどり着いた。

    アスリートたちからの声も

    Saori Ibuki / BuzzFeed

    クラウドファンディングページには、他のアスリートが試着してみた際の感想なども掲載される予定だ。

    柔道の選手の「競技特性上、ナプキンがずれて経血が漏れやすく、オムツ型の生理用品とタンポンを併用していました」という声や、「パンツもナプキンも女性的なデザインのものが多く、買いづらく身につけにくいと感じていました」というサッカー選手の悩みなど。

    そこに並ぶのは、従来の生理用品にはない「選択肢」を求める声だ。

    ブランド名の「OPT」は、英語で「様々な可能性の中から一つを選択する」という意味を持つ。下山田さんはOPTを通じて、新しい選択肢を提供するとともに、社会に問題提起をしていきたいと語る。

    「自分たちが選択肢がない苦しみを経験してきたからこそ、同じように選択肢がないと感じている人のための選択肢を生み出していきたい」

    「どんなときも、自分にあったものを選択して生きていける社会がいいよねというメッセージを発信していきたいと思っています」

    クラウドファンディングでの先行販売は、4月5日から。ECサイトを通じての一般販売は、2021年夏からを予定している。

    Contact Saori Ibuki at saori.ibuki@buzzfeed.com.

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