DeNAと小学館は10月27日、正確性や著作権問題への批判を受けて運営を休止していた女性向け情報サイト「MERY」を11月21日から再開すると発表した。

批判受け昨年12月に休止
MERYはDeNAが成長戦略に掲げていた「キュレーションメディア事業」の中核を担っていた。「かわいい」世界観と読者目線のコンテンツで多くの若い女性から支持を集めていた。
だが、医療情報サイト「WELQ」をはじめ、DeNAが運営する他のキュレーションメディアで画像や記事の盗用、根拠のない不正確な記事の量産が組織的に実施されていたことが発覚。MERYに同様の指摘があり、昨年12月に休止していた。
小学館と共同で再スタート
DeNAは単独での再開を断念し、紙メディア時代からの編集ノウハウがある小学館と共同出資で、今年8月に「株式会社MERY」を設立。
「インターネットを通じて、世界を幸せな場所にする。」というビジョンを掲げ、社長には小学館副社長で「プチセブン」や「CanCam」を手がけた山岸博氏が就任した。
今後はコンテンツ作成、編集、校閲などの業務は小学館が担い、DeNAはシステム構築やネット上のマーケティングなどでサポートに回る。
DeNA傘下でMERYを運営していた「株式会社ペロリ」の中心メンバーはすでに退社しており、かつてのMERYに掲載した記事は一切使わないという。
新MERYの出資比率は、小学館:66.66% DeNA:33.34%。小学館主導で、信頼性あるコンテンツ作りを目指す。
具体的に新しいMERYの記事制作体制として、以下を掲げている。
- MERY公認ライターおよび編集部が執筆した記事は、法令に基づき各種確認を経て公開判断をする。
- MERY公認ライターは新たに採用面接をし、教育・研修を受けたライター。
- 一般投稿による記事は取り扱わない。
- 旧MERYの記事は使用しない。
- 全ての記事は校閲、編集部の二重チェック後に公開する。
株式会社MERYが設立された際には、再開を待ち望むファンからの期待が高まった。一方で、盗用被害を受けた人への「補償」が済んでいない中での再開の動きに批判の声も上がった。
編集体制を刷新して、若い女性に愛された世界観やコンテンツ作りを再現できるのか。厳しい目線が向けられる中で、信頼性をどこまで担保できるのか。
IT大手と伝統メディアのタッグに、注目が集まる。
