同性カップルが結婚する権利を認めた法案が5月17日、台湾の立法院(国会)で可決された。アジアで同性婚が法制化されたのは、今回が初めてだ。

法案の可決が最終決定した瞬間、首都・台北にある立法院前に集まった人々は「婚姻平權!亞洲第一!(結婚の平等な権利!アジア初!)」と、喜びの歓声を上げた。
同性婚決まったーーーーーーーーーっ!!!おめでとう台湾❤💛💚💙💜
動画を撮影したのは、台湾在住歴7年のグラフィックデザイナーMaeさん(@qianheshu)。台湾人の男性パートナーとの生活や、現地の観光情報をブログで紹介している。
「可決が発表されると同時に、割れんばかりの歓声が上がり、多くのレインボーフラッグがはためいていました。会場に響き渡る『婚姻平權!亞洲第一!』の希望に満ちあふれた大きな掛け声を、一生忘れることはないと思います」
当時の状況を、MaeさんはBuzzFeed Newsの取材にそう語る。
この日、台北は朝から記録的な大雨に見舞われた。そんな中でも、現地報道によると4万人近くの人々が立法院前に集まり、法案審議の行方を見守った。その姿に「台湾の人々の心の強さ、まっすぐさを見たような気がしました」とMaeさんは言う。
「午後になって、法案審議が終盤に近づくと、そのタイミングを見計らったかのように雨が上がり、太陽が顔をのぞかせ、青空が広がりました。場所によっては虹も見られたようで、Twitterで話題になっています」
今回の法案は、同性カップルが「独占的で永続的なパートナーシップ」を築き、「婚姻届」を行政に提出することを認めた。
ただ、対象は台湾人同士のカップルと、母国で同性婚が認められている外国人と台湾人との間に限られている。
そのため、例えば、日本人と台湾人のカップルの場合、日本で同性婚が法制化されていないため、台湾でも結婚登録をすることはできないことになる。
「国際同性カップルの婚姻に関する審議も行われたのですが、こちらは残念ながら可決には至りませんでした。今日の審議において唯一、落胆の見られた場面だったように思います」
「日本人である僕自身に関係するのはもちろん、同じ日本人の友人にも台湾人のパートナーを持つ方がおられるので、今後の課題として深く受け止めさせていただきました」とMaeさんは言う。
日本でも、同性同士が結婚する自由や権利を求めて、13組のカップルが国を相手取った訴訟に臨んでいる。Maeさんは「日本での同性婚に関する訴訟にも、とても注目しています」と言う。
「台湾の歴史において、重要な出来事となるであろう現場に実際に居合わせることができたこと、台湾が新しい一歩を踏み出したこと、とても幸せに思います」
「今回の台湾の出来事が後押しとなって、日本にも婚姻平權の実現する日が近い将来訪れますように。海の向こうからではありますが、心から応援しています」