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歌舞伎町で“LOVE”の本を売るホストに聞く 「みんな愛の順番を間違えてるんです」

「ホストやキャバ嬢は『愛のプロ』だと思われてるかもしれないけど、実際そんなことはないんですよね」

仕掛け人は、歌舞伎町でホストクラブやバーを経営する「Smappa! Group」会長の手塚マキさんと、日本近代文学館内の文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」などをプロデュースした「東京ピストル」の草彅洋平さん。

さらに、神楽坂の書店「かもめブックス」を手がける柳下恭平さんが選書を担当しています。

通りに開かれた開放的な店内には、黒、赤、ピンクそれぞれの「LOVE」に分類された小説やマンガ400冊がずらり。

「言語化したくなかったので、あえて色で分類しました」という柳下さん。

黒は夜や心の闇、赤は情熱、ストレートな愛や家族愛、ピンクは官能やメルヘンなどをイメージしているそう。

もう一つの大きな特徴は、書店員を務めるのが主に歌舞伎町で働くホストやホステスだという点。

お店を訪ねたお客さん一人ひとりにアテンドして本選びを手伝ってくれるほか、恋愛相談をしたり、本について純粋に語り合ったりすることもできるそう。

ホストクラブのように本の「売り上げランキング」があるため、お気に入りの書店員さんが“No.1ホスト書店員”になれるよう応援できるのも醍醐味の一つです。

では、なぜ「LOVE」をテーマにしたのか。

歌舞伎町で20年以上働き続けてきた手塚マキさんは、この街が「愛の迷路のような場所だから」と話します。

「ホストやキャバ嬢は『愛のプロ』だと思われてるかもしれないけど、実際そんなことはないんですよね」

「あるお客さんはキャバ嬢に入れ込んで、でもそのキャバ嬢はもらったお金をどっか別のヒモに使っているけど、そのヒモにはまた別の女がいたりして。ぐるぐると抜け出せない迷路のようだけど、それぞれの関係には愛が介在している」

「そうやって、常にどこか寂しくて孤独な人たちが『本当の愛ってなんだろう』『理想の恋愛ってなんだろう』と答えのない迷路をさまよいながら、酒を飲んでいるような街。だから、LOVEをテーマにすることは当然のように感じました」

もし愛に迷った人に一つ、アドバイスできるとしたら…?そんな問いに手塚さんは「まず、愛の順番を間違えないで」と答えます。

「理想にとらわれないでほしいって思いますね。『いい彼氏とはこういうもんだ』とか『いい恋愛ってこういうもんだ』とかそんなのぶつけ合ってたらきりがない」

「『この人と一緒にコーヒーが飲みたい』とか『一緒に海に行きたい』とか、何を誰と共有したいかから始める。それが付き合うってことなのかとか、結婚なのかなんてことは、後から考えればいいんですよ」

「あとは、男性が女性を大切にするもんだとか、女性は大切にされるべきだとか、そういうことを思うからよろしくない」

「守られる、大切にされるって関係になったら、カゴの中の青い鳥になっちゃいますよ。だから、男も女の人に『お前のことを大切にする』なんてことは絶対に言わない」

「そうじゃないと『散々飯を食わせてやったのに』とか言い始める男や、『毎朝料理を作ってあげたのに』とか無駄なことを言っちゃう女になっちゃいますよ。大切なのはお互いに大切にしあって、最初から対等な関係をしっかり築くこと」

それでも、やっぱり愛に迷ったら。そんな時は、書店を訪ねてみてほしいといいます。

「本を手にとって1行でも読んでスッキリしてくれたら嬉しい。ずっと一生どうせ迷うんだから。どうせ迷うんだったら、楽しく一緒に迷った方がいいでしょ」


せっかくなので、記者も記念に一冊買いました。黒いLOVEの棚に並んでいた、岡崎京子さんの「リバーズ・エッジ」。

お手製ブックカバーには、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の台詞が。

「本を読んでも、物語や歴史に聞くところからでも、真実の恋は滑らかに運んだためしがない」

なんだか愛に悩んで、人生に悩んで、また本を選びに来るのが楽しみになってしまいそう…。そんな本屋さん、あなたも訪ねてみては?


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