新型コロナウイルスの感染が広がるなか、5月2日から本格的な大型連休が始まります。
いま、私たち一人ひとりにできることとは。新型コロナ対策の最前線で働く医療者や、多くの患者に寄り添ってきた専門家などから、今お願いしたいメッセージを聞きました。
聖路加国際病院・感染管理室マネジャー 坂本史衣さん
私が勤める都内の病院には、今日も多くの新型コロナウイルス感染症の患者さんが入院しています。
この感染症に対して病院ができることというのは、本当に限られています。まだ効果が確認された治療法はありません。患者さんが自分の力で元気になるのを、支えることしかできません。
ですからどうぞこの連休中、感染しないための最大限の努力をしていただきたいと思います。できるだけ家の中でお過ごしになってください。
病院は止まらず、これからも患者さんを支え続けます。私たちはみなさまが元気で過ごされることを、心より願っております。
国立国際医療研究センター感染症専門医 忽那賢志さん
みなさんいま、自粛、自粛で、もうだいぶコロナ疲れにきていると思いますけれども、いま気を緩めると、また元の木阿弥になってしまいます。
この緊急事態宣言を終わらせるためにも、いまもう一度気を引き締めて、お互いに頑張っていきたいと思います。頑張っていきましょう。
日本医師会常任理事 釜萢敏さん
ゴールデンウィークは多くのみなさんにとって、本当に楽しみでかけがえのない機会なのですが、今年は外に出ずに、なるべくうちの中で静かにしていただきたいと思います。
人と接しない形で、散歩などをなさることは可能ですけれども、少なくとも旅行などには、ぜひ行かないようにお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
日本感染症学会理事長 舘田一博さん
誰もが感染を受けるリスクがある感染症、そして誰もが知らず知らずのうちに広げてしまうリスクのある感染症です。
COVID-19。一人ひとりができることをやりましょう。
日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授 勝俣範之さん
がんの患者さんは一般の方よりも、新型コロナウイルスにかかる感染リスクが高く、重症化しやすいという報告があります。
みなさんのためにも、がんの患者さんのためにも、いま一度不要な外出を控えていただくようにお願いしたいと思います。
全国がん患者団体連合会理事長 天野慎介さん
私は27歳の時に血液がんの悪性リンパ腫を発症し、医療に命を救っていただきましたが、治療に伴う合併症のため肺炎を発症し、ハイリスクです。
多くのがん患者のみなさんが自分を守るためにできる限りのことをやっていますし、医療者のみなさんも尽力してくださっていますが、それには限界があります。
いま健常なみなさんも明日や近い将来、命に関わる疾患になるかもしれません。
医療を守り、みなさんの命を守るために、身の回りでできることの協力をよろしくお願いします。
医療人類学者 磯野真穂さん
去年の冬、人生会議が話題になりました。
年が明けると、多くの人が「100日後に死ぬワニ」の話に夢中になりました。
いまは誰一人、人生会議もワニの話もしません。
あなたは誰とともにどんな世界をつくり上げ、未来になにをのこして、旅立ちたいですか?
家にいるだけでなく、人間であることを忘れずに、日々を過ごしていきましょう。Stay Human.
神戸大感染症内科教授 岩田健太郎さん
外に出ない、外に出るときは2メートル周りに人がいないようにする。この二つをしっかり守るだけで、コロナの感染は収束していきます。
とはいえ、なかなか大変だとは思いますので、ぜひ頑張りすぎないで、ゆっくり休んだり、睡眠とったり、美味しいものを食べたり、何か楽しい動画を見たり、なんとか楽しくなれる工夫もしてください。
それから、今僕の周りでは非常に他罰的と言いますか、みんなが段々イライラして攻撃的になっていますので、なんとかこう周りに優しくなれるような、そういった空気づくりというのも、一人ひとりが持ったらいいなと思います。
港区みなと保健所長 松本加代さん
外出自粛を続けていただき、ありがとうございます。
4月はじめの患者の増加に比べますと、かなり落ち着いてきました。私が勤める港保健所では、PCR検査の陽性率も下がってきています。みなさんの外出自粛のおかげです。ありがとうございます。
しかし、まだ毎日新規の患者さんが出ています。今がとても大事な時期です。
感染を防ぐためにStay Home。あなたと、あなたの大切な人のために。保健所はコロナ対策をこれからも進めてまいります。
東北大学国際歯科保健学分野教授 小坂健
毎日不安な気持ちになったりしますね。そんな時は遠くの友だちに連絡して、何が出来るのか、何をしなくてはいけないのか、相談してみてはどうでしょう?
もっと困っている人の手助けをする。あるいは、困っている人の花を買って応援する。今のあなたにしかできないことが、きっと見つかるはずです。
我々は離れていてもつながって、このピンチを乗り越えられます。一緒に頑張りましょう。
産婦人科医 宋美玄さん
妊婦さんは特に重症化するとは言われてはいませんが、まだわからないことが多いので、極力家にいるなど、感染の機会を減らす努力をお願いします。
また、里帰り分娩などについては混乱を招くことがありますので、かかりつけの指示に従うようにしてください。
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神戸大感染症内科教授・岩田健太郎さんのメッセージを追加しました。
港区みなと保健所長・松本加代さん、東北大学国際歯科保健学分野教授・小坂健さんのメッセージを追加しました。
UPDATE
産婦人科医 宋美玄さんのメッセージを追加しました。