サッカー日本代表がW杯ロシア大会でコロンビアを2-1で破り、白星発進を決めた6月19日。
試合後、スタジアムの外では、ある日本人サポーターが身につけていた一着の着物が「小さな絆」を育んでいました。
そのサポーターとは、佐野公美子さん、71歳。

佐野さんは今回、東日本大震災で被災した福島県南相馬市の中学生をW杯に招待する「トモロシプロジェクト」に感銘を受け、自腹で同行者として参加。
地元・愛媛のチームを応援するサッカーファンとはいえ、現地で日本代表を応援するW杯は今大会が初めて。
「世界の晴れの舞台」のために持参したのが、鮮やかな和柄が目を引く一着の着物でした。

特別な日のためにと購入したものの、派手な柄のため、日本ではなかなか着られずにいたこの着物。
最後まで迷いつつも、「日本を勝利に導いてくれる着物かもしれない」という願いを込めて袖を通したところ、日本は見事勝利を収めました。
試合後、佐野さんがスタジアムを出ると、そこには日本語で「おめでとう」と言う練習をしていたコロンビアサポーターたちの姿が。

試合に負けたにもかかわらず、笑顔で声をかけてくれる。
そんな姿に胸を打たれた佐野さんは、その気持ちを恩返ししたいと思い、次戦でのコロンビアの活躍を願って、日本を導いてくれた「勝利の着物」をコロンビア人女性にプレゼントしました。
その瞬間を写真に収めたカメラマンの岡元紀樹さん(@photofoot23)はBuzzFeed Newsの取材に、笑顔で肩を組む二人の姿をファインダー越しに見て「とても感慨深かかった」と話します。

岡元さんが写真をTwitterに投稿すると、たくさんの人から反響がありました。
ええ話や(T ^ T) https://t.co/S9J6n2nee8
「サッカーの力を思い知って、めっちゃ感動した…」
サッカーのちからを思い知って、めちゃ感動した、、、ほんとサッカー、スポーツすごい。71歳 https://t.co/uv2tWcv8LG
「サッカーを通してコロンビアと絆が芽生えてる」
サッカーを通してコロンビアと絆が芽生えてますね。美しい光景だな^ ^ https://t.co/3sA0gHUy5Z
「『サポーター』ってただ自国の選手を応援するだけじゃないんよな」
「サポーター」ってただ自国選手を応援するだけじゃないんよな。勿論そういう人もおっていいんだけど、同じサッカーを通して勝敗込みで楽しめるからこそスポーツ文化から文字通りサポートされてきているわけだし。 https://t.co/uEuutCUNTI
「サッカーが好き、自分の国を応援したい、相手を敬い、相手がいるからこそ試合ができる。そんな思いに国境はないよね」
サッカーが好き 自分の国を応援したい 相手を敬い、相手がいるからこそ試合ができる そんな思いに国境はないよね 負けてもおめでとうと言える人 素敵だと思う いい話を聞かせてもらいました ありがとうございます https://t.co/0MdfTEJJfr
71歳のサッカーファンと、一着の着物が結んだ小さな絆。岡元さんはBuzzFeed Newsの取材にこう話しました。
「佐野さんが着物を渡したときのコロンビアサポーターの女性の笑顔がすごく印象的で。佐野さんを見て『自分もこうやって歳をとっていきたい』って率直に感じました」
