「市民の声の力も大きい」緊急避妊薬を薬局で。橋本聖子・男女共同参画担当相に要望書を提出

    緊急避妊薬の市販薬化を求める声が活発化する中、「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」が11月10日、橋本聖子男女共同参画担当相に要望書と10万筆を超える署名を提出した。

    避妊の失敗や性暴力などによる望まない妊娠を防ぐために使われる「緊急避妊薬(アフターピル)」。

    市販薬化をめぐる議論が続くなか、薬局での販売を認めるよう求めて活動している「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」が11月10日、橋本聖子男女共同参画担当相に要望書と10万筆を超える署名を提出した。

    「#緊急避妊薬を薬局で」

    緊急避妊薬は、性暴力や避妊の失敗などで望まぬ妊娠の可能性がある場合、性交から72時間以内に服用すると、高い確率で妊娠を避けることができる薬だ。性交後、早く飲むほど、妊娠を防ぐ確率は高まる。

    欧米をはじめ世界90カ国以上で、すでに処方箋なしで薬局で買えるようになっており、WHO(世界保健機関)の「必須医薬品」に指定されている。

    一方、日本では医師の診療を受けた上で処方箋を受け取る必要があり、価格も約6000円~2万円程度と他国よりも高く設定されている。緊急性が高い状況で必要となる薬なのに、アクセスしづらい状況が続いていることが問題視されてきた。

    そんな中、内閣府男女共同参画局の専門調査会が「第5次男女共同参画基本計画の策定にあたっての基本的な考え方(案)」の中で、専門の研修を受けた薬剤師による面前内服を条件とした上で「処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する」という文言を入れたことが相次いで報道された。

    市販薬化について議論する厚生労働省の検討会についても、より当事者が参加できるような形で見直しが行われる方針で、今後の展開に注目が集まっている。

    「政治が変わらなければならない」

    「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」は11月10日、10万筆を超える署名と25の市民活動団体の賛同による要望書を提出した。要望書で求めているのは次の4点だ。

    1. 緊急避妊薬が適切かつ安全に使用される環境づくりを推進すること
    2. 緊急避妊薬の対面診療およびオンライン診療の提供体制を整備、強化、周知すること
    3. 緊急避妊薬のスイッチOTC化に関する審議を早急に再開し、市民の声を反映すること
    4. 緊急避妊薬を薬局で薬剤師の関与のもと処方箋の必要なく購入できるようにすること

    要望書を受け取った橋本聖子大臣は、第5次男女共同参画基本計画の策定に先立って実施したパブリックコメントで、緊急避妊薬の市販薬化を求める声が多く寄せられたとコメント。

    「新型コロナウイルスの影響で性暴力が増えている。今現在、切実な思いでいる方々のためにも、何かあったときにしっかり対応できるよう(要望書や署名を)しっかりと受け止め、誰一人取り残さない施策の早期実現を目指して、厚生労働省にも働きかけていきたい」と語った。

    プロジェクト共同代表の染矢明日香さん(NPO法人ピルコン理事長)は、「大臣から『変えていくには市民の声の力も大きい』という心強い言葉もいただいた。緊急避妊薬の問題は女性だけでなく、社会全体の問題。市民の声をふまえ、ぜひ前向きに取り組んでほしい」と話した。

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