米フロリダ州で、配車サービス「ウーバー」を運転していた女が、誘拐の疑いで逮捕された。乗客の女性は下車させてもらえず、脱出するために走行中の車の窓から飛び降りなければならなかった。
乗客のブルック・アドキンスさんは9月20日、ウーバーの運転手が車を停めることを拒否したとフロリダ州タラハシーの警察に説明した。アドキンスさんは足と腕に軽傷を負った。降ろしてくれるよう何度も頼んだが、運転手が「ノー」しか答えず、車に乗っていた間は奇妙で恐怖に満ちた時間だったとアドキンスさんは話したという。
BuzzFeed Newsはコメントを求めてアドキンスさんに連絡を取ったが、返信はなかった。しかしアドキンスさんは、当時の状況を複数のツイートに投稿している。中には血が付いた足や破れたジーンズの写真も含まれていた。
アドキンスさんはTwitterに、「無事だったけど、走行中の車の窓から飛び降りて助けを求めて走ったのって、これまでで一番怖い経験だった」と投稿した(上)。「実際にこういうことが起こるんだってこと、常に気をつけてってこと、女子のみんなに伝えたい」。
地元警察によると、運転手の女、デスティニー・ラケル・グリーン(30)は誘拐と不法監禁の疑いで身柄を拘束されている。
ウーバー社の広報担当者はこの出来事を「厄介」と表現し、問題の運転手がアプリにアクセスできないようにしたと説明した。
警察の報告書によると、事件は20日朝に発生した。アドキンスさんの男友達が、アドキンスさんを自宅まで乗せていくようウーバーに連絡した後だ。
アドキンスさんを乗せた車が目的地に到着すると、運転手は音楽を聞くために周辺をドライブしないかと聞いてきたという。
アドキンスさんはこの要求を「おかしい」と思ったが、同意したとTwitterに投稿した。
「すごく変だと思ったけど、感じよくしなきゃと思った」と書いている。「たぶん友達が欲しいのかなって思って」。
しかしアドキンスさんは「念のため」、この乗車分のメーターをオンにし続けるよう運転手に頼んだという。
警察の報告書によると、2人を乗せた車は周辺を走行中、フロリダ州立大学警察に一旦停められた。その際グリーンはアドキンスさんに対し、「手をセンターコンソールに入れてそのまま」にするよう言ったという。
アドキンスさんは、このリクエストが変だと思ったこと、そして警察に停められた後、車から降ろして欲しいとグリーンに伝えたが拒否されたことを警察に話した。
「アドキンスさんはグリーンに降ろしてくれるよう頼み続けたが、グリーンはアドキンスさんを病院へ連れていくのだと話したようだ」と警察の報告書に書かれている。
「アドキンスさんは、車が信号で停まるたびにほぼ毎回、車から降ろしてくれるよう依頼したが、グリーンは毎回ノーとだけ答え、それ以外は何も言わなかったという」
アドキンスさんは、自分は病院へ行く必要はなかったし、グリーンがなぜ降ろしてくれないのか分からなかったと話した。
アドキンスさんは友人にビデオ通話アプリ「FaceTime」で連絡を取り、さらに緊急電話911に通報したあと、車の窓から飛び降りることを決意した。
警察によると、911の通信指令係は「助けて」というアドキンスさんの声が電話越しに聞こえたという。
アドキンスさんは、窓を開け、グリーンが運転席から窓を閉める操作をしないようボタンを押し続けてやっと車から脱出できた。
警察によると、アドキンスさんはその後、薬局チェーンの駐車場を目指して走り、警察官が到着するまでそこで人と一緒にいたという。
警察はその後、グリーンの自宅へ車で向かい、グリーンの身柄を拘束した。
「この運転手が警察に話したことは、厄介な内容だった」とウーバーの広報担当者はBezzFeed Newsに述べた。
「この運転手はアプリから外した。我々は今、警察の捜査に協力するのを待っているところだ」と説明した。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan