最愛の人の死からも立ち直る力。Facebook女性COOが卒業式で語ったこと

「日々を感謝する気持ち」

「悲しみの深さ、人を失うことの残酷さを知りました。同時に、沈められても、その底を蹴って、水面を目指し、もう一度息ができるとも学びました」

Facebookのシェリル・サンドバーグCOO(46)が5月14日(現地時間)、カリフォルニア大学バークレー校の卒業式に登壇。1年前に47歳で亡くした夫デイブ・ゴールドバーグさんのことを初めて公に語り、その死から学んだことを涙をこらえながら卒業生たちに伝えた。

シェリルは、輝かしい経歴で知られる。ハーバード大で経済学位と経営学修士を取得。世界銀行やGoogleを経て、2008年からFacebookのCOOとして働いている。

著書「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲 」はベストセラーになり、女性蔑視が根強いシリコンバレーで女性の地位向上に取り組むことでも知られる。

ヤフーの役員だったデイブとは2004年に結婚。1男1女をもうけた。デイブはその後SurveyMonkeyのCEOとなり、テック企業のパワーカップルとして有名だった。

デイブの死は突然だった。昨年5月1日。メキシコであった友人の誕生日を祝うパーティー。シェリルが昼寝をしている間に、ジムにいたデイブは心不整脈で倒れた。

「数ヶ月間、何度も、深い悲しみの霧に包まれました。空っぽなんです。心も肺も空っぽで、考えることも息をすることすら苦しかった」

「悲しみの深さ、人を失うことの残酷さを知りました。同時に、沈められても、その底を蹴って、水面を目指し、もう一度息ができるとも学びました」

「あなたがどんな人間かを決めるのは、こうした困難な日々。どう切り抜けたかが、あなたの価値を決めるんです」

全米トップスクールであるバークレーを卒業し、輝かしい未来へと踏み出す若者たちに、シェリルが語ったのは、いかに悲しみや困難と向き合うかだった。

シェリルは、三つのPを示した。悲しみから立ち直ろうとするとき、避けるべきこと。

自分のせいだと思うこと(Personalization)

人生全てに影響すると思ってしまうこと( Pervasiveness)

永遠に続くと思うこと(Permanence)」。

「デイブが死んだとき、わたしは自分自身を責めました。彼は心不整脈で亡くなったんです。彼の病歴を調べて、どうしたらよかったのか考え続けました」

「でも、三つのPを知って、彼の死は防げなかったと受け入れることができました。医師が冠動脈の問題を見つけられなかったんですから、経済学専攻の私には無理でしょう」

「デイブの死から10日後、仕事に復帰しました。最初に出たFacebookの会議で『何をこの人たちは話しているんだろう。こんなことがどうして大事なんだろう』とばかり考えていました。でも、議論に入り込めた一瞬だけ、死について忘れることができたんです」

「その一瞬のおかげで、人生すべてが最悪ではないと気づくことができました。子どもたちも私も健康。友人や家族は愛情深く、支えてくれます」

「いまの感情を再現なく膨らませてしまいがちです。二次導関数のように。心配する気持ちで、さらに心配になる。悲しんでいる状態に悲しみを覚えます。その代わりに、感情を受け止めるべきです。ただ、それは永遠に続くわけではないと知るべきです」

「若いころ、この三つのPを知っていたらよかった。この三つのPはよくある感情的反応。キャリアでも、私生活でも、恋愛でも」

「でも、このトラップにはまっていると気づければ、自分を取り戻せます」

三つのPを避けたら、持つべきは感謝の気持ち。

「友人の心理学者から、もっと悪い状況を考えてみるよう勧められました。普通はポジティブなことを考えて、立ち直ろうとしますよね。『冗談でしょ』って言い返したんですが、こう言うんです。『子どもたちを乗せて運転している時に心不整脈を起こしたかもしれないんだよ』」

「彼がそれを言った瞬間、家族が生きていて、健康であることに心から感謝しました。悲しみがいくらか和らぎました」

「寝る前、三つの喜びを書きとめることを新年の抱負にしたんです。こんな小さなことが人生を変えました。どんなことが起きようとも、心踊ることを考えながら眠りにつくのですから」

「夫を失うことによって、より深い感謝を感じられるようになったことは大きな皮肉です。友人の優しい心、家族の愛、子どもたちの笑い声への感謝」

「今日のように素晴らしい日だけではなく、困難なとき、最も必要とするときに、こうした感謝の気持ちを持って欲しいと願います」

シェリルは、スピーチをこう締めくくった。

「あなた自身の中に、立ち直る力を養ってください。悲劇や残念なことが起きたときに、どんなことも切り開ける力があると信じて」

「立ち直る力のある組織をつくってください。役員室であろうとキャンパスであろうと。立ち上がって発言してください。職場にある大好きなポスターにはこう書いてあります。『他人の問題なんてFacebookにはない』。機能不全を見つけたら、動いてそれを直して」

「立ち直る力のあるコミュニティーをつくってください。つながりの中にこそ人間らしさ、つまり、生きる意志と愛する能力があります。家族や友人のためになってください」

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