back to top

「世界中の市民がジャーナリストになれる」Twitter傘下Periscopeの生き残り戦略

元プロ選手によるウインブルドン案内も

ライブ動画アプリPeriscope(ペリスコープ)。Twitterのタイムラインでライブ配信がみられるのはPeriscopeの技術だ。だが、ライブ配信は他社SNSも力をいれる。強みは?新しい使われ方は? 来日した創業者は、元プロによるテニス中継やエベレストに登った気になれるAR(拡張現実)ゲーム中継を例に挙げた。

「前職を離れ、もう一人の創業者と起業を考えつつ、旅に時間を費やしていました。2013年、トルコのイスタンブールは政情が不安な状態で、抗議活動がされていました。まさにそこへ飛ぶところでした。『多くの人がスマホを持ち、高速ネットもあるのに、そこで起きていることを私たちは見られない……テレポーテーションのような機械を作ろう』。それがアイデアの発端でした」

共同創業者ケイヴォン・ベイポー氏は10月17日の記者会見でPeriscopeの誕生をこう説明した。

同社は昨年、Twitter社に買収されている。

「世界で起きていること、鼓動を届けたい。ミッションやビジョンが似ていたのでTwitter社と一緒に仕事をすることにしました」

昨年3月〜今年2月の1年間にPeriscopeを使って世界で2億回の動画投稿があった。足元の数値は開示しなかったが、投稿回数は増えているという。1日あたり視聴されている時間を合計すると110年分にのぼる。

「火事、抗議運動、地震——。世界中にいる市民がジャーナリストになって、ライブ配信し、見られるようになりました」

「著名人がファンとつながるツールにもなっています。テニス選手がウインブルドンの試合前にコートを案内したり、宇宙飛行士が宇宙からライブで質問を受けたりしています」

ヴィトンからゲームまで

具体的に、どのような使われ方をしているのだろうか?

ベイポー氏は、商業利用の例として、ルイヴィトンの2017春夏コレクションを紹介した。カメラを複数台使った音楽付きのライブ中継だった。

The #LouisVuitton #LVSS17 Show by @TWNGhesquiere is live from Place Vendôme in Paris with #Periscope #PFW https://t.co/LRnukM3aPj

AR(拡張現実)のヘッドセットがなくても、共有された映像は見られる。これはゲーム。プレーヤーと一緒に、本当にエベレストにいるような感覚になる。

LIVE on #Periscope: World first Periscope from (fake) Mt Everest. https://t.co/3eNTF5MkFZ

これもゲーム中継。コメントをやりとりしながら、プレーヤーと一緒に楽しめる。

LIVE on #Periscope: Let's play #GearsofWar4 Ultimate Edition LIVE... https://t.co/bxLT06Nb29

競合との差別化?

ライブ配信は競合SNSも力を入れている。巨人Facebookもライブ動画を開始。YouTubeでもライブ配信は人気を集めている。Periscopeの強みは何か?

「世界中で起きていることを知るために、人々が情報を得るのはTwitter。そのTwitterと連携されているのが強みです」

どんなに素晴らしい技術でも、使ってもらえる機会がなければ埋もれてしまう。Twitterは最良のプラットフォームだった。

もちろん、Periscopeは技術的にも優れるという。遅れ(レイテンシー)が少ない。配信されているコンテンツの検索もしやすい。「東京や京都で何が起きているのだろう?」 そう思った視聴者がマップから動画を探せる。

収益構造は?

Twitter社を含め、収益化も大きな課題だ。

「小さな会社が収益を出す体制を作るには長い時間がかかります。課金に早くむくと、プラットフォームの成長が阻害されます。Twitterのエコシステムの中で、Periscopeを熟成させます」

ベイポー氏はこんな表現で、収益化は急がない考えを示した。

ただ、着々と広告戦略は進めている。

元プロテニス選手のアンディ・ロディック氏。9月の全米オープンの試合をPeriscopeでライブ中継した。中継は銀行と飲料会社がスポンサーとなった。

双方向でファンとコメントをやりとりできる点が受け、「テレビ放送を消して、Periscopeを見た」という声もあったという。

さらに、保存された動画は広告を出して、プロモートもできる。

Twitterの買収騒動

Twitterといえば、買収劇の渦中にある。Googleの持ち株会社Alphabet、Apple、ウォルト・ディズニー、マイクロソフト、セールフォース・ドットコム——。買収に名乗りをあげたとされる企業名が浮いては消えている。

「記者もニュースをTwitterで伝えているから、バブル効果がある。すべてがTwitter上で起きているのは皮肉です」

ベイポー氏は笑ってみせ、こう続けた。

「ライブ配信でも140文字でも、Twitterは世界が必要としているツールだと思います。Twitterは人々の声を民主化しました。あなたが(イスラム国からの奪還作戦が続くイラクの)モスルにいても、サンフランシスコにいても発信できるようになりました。同様にブランドや組織が発信し、収益化できれば、ビジネスも成長し続けると思います」

バズフィード・ジャパン アダプテーション・リポーター

Saki Mizorokiに連絡する メールアドレス:saki.mizoroki@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here.