「女性が国を率いる。娘にはそれを見て育ってほしい。可能性は無限大だと知ってほしい」
ビヨンセが夫ジェイ・Zらと11日4日夜(現地時間)、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントンへの投票を呼びかけるコンサートに登場した。場所は接戦が伝えられるオハイオ州クリーブランドだ。
「フォーメーション(Formation)」を歌い終えて、ビヨンセは聴衆に語りかけた。
「女性の考えていることはどうでもいいとされた時代がありました。女性というだけで、意味がないとされた。黒人だろうと、白人だろうと、メキシコ系、アジア系だろうと、イスラム教徒だろうと、教育を受けていても、貧しくても豊かでも」
黒地に白のドット柄のパンツスーツに身を包んだビヨンセ。こう続けた。
「100年も前のことじゃない。女性には参政権がなかった。どんなに前進してきたことでしょう。声を持てなかった状態から歴史を作る間際まで。ええ。初の女性大統領を選ぶことによって。そう。 だから投票しなきゃならない」
「世界は、わたしたちを、進んだ国、変化をもたらす国だと期待を寄せています」
「8年前、とても感動しました。黒人大統領を目にすることで、わたしのおいっ子、黒人の子どもが、夢は実現できると知って大きくなれる可能性に」
大歓声に包まれる。
「そしていま、もっと変化をもたらすチャンスがあります。女性が国を率いる。わたしの娘にはそれを見て育ってほしい。可能性は無限大だと知ってほしい」
「娘や息子たちの未来を考えなければなりません。わたしたちと同じように彼女たちのことを気にかけてくれる人に投票しなければなりません。だから、わたしは彼女を応援するんです」
1992年、夫ビル・クリントンの選挙戦のさなかに話した言葉で、当時、物議を醸した。
働く女性が、働く男性とは違う困難に直面する状況は、いまも昔も変わらない。
ビヨンセのバックダンサーたちは青いパンツスーツ姿だった。これはクリントン氏のトレードマーク。「野暮ったい」と嘲笑する人たちがいる。
そこで、登壇したクリントン氏はこんな冗談を飛ばした。
「これだけは言わせてね。パンツスーツいいでしょ?」
ヒラリーを応援するミュージシャンはビヨンセだけでない。ビッグネームが相次いでパフォーマンスを見せている。
最近では、ジェニファー・ロペスやマイリー・サイラス、ニーヨらが舞台に上がった。4日にはスティーヴィー・ワンダーも応援コンサートを開いた。ワシントンポスト紙によると、5日にはケイティ・ペリー、6日にはボン・ジョヴィのパフォーマンスが予定されている。