30年以内に、約70%の確率で発生とも予測される首都直下型地震。東京都が配布している防災ブック・東京防災が、「311に改めて呟こうと思って忘れてた。災害時に大変役立ちます」とTwitterで拡散され、話題になっています。
「もしも今、東京に大地震が起きたら」

ところがこの冊子、300ページ以上とかなりのボリューム。東京都の担当者に話を聞いたところ、「全てを読むのは難しいかもしれません……」とのこと。
というわけで、まずどこを読めばよいか教えていただきました。
「今やろうマーク」をまずは読むべし


目次に小さく記されているオレンジ色のマーク。まずはこの項目を読むべし。
すぐにできることには限りがあります。担当者の方は「避難場所やコミュニケーションの方法、備えておくべきモノなど、家族で事前に確認しておくのが良いでしょう」と話します。
例えば……
82ページ〜の「4つの備え」

最小限備えたいアイテムや

ある家族を想定した備蓄リストも

家族間で確認すべきコミュニケーション。避難経路やご近所付き合いのほか、安否確認の手段についても記載してあります。
家族間の連絡網

安否確認の手段についても

避難経路も、事前に読んでもらえたらとのこと。
広い公園や公民館などを把握しておこう

地域別の特徴も記されている

11月から一部書店で販売を開始し、3万冊が完売。今月になってさらに7万冊を卸したといいます(販売店舗についてはサイト上で案内)。
全国約100店舗で販売しているとのことですが、AmazonなどのECサイトでの取り扱いはありません。
担当者はこのことについて、「140円で販売している関係上、業者さんにとっては利益がほとんど出ない商品になるんです」と話しました。「主旨に賛同していただいて、手を挙げていただいた業者さんに卸しているので……」
冊子には「テロ・武力攻撃」のページも

冊子にあるテロをめぐる記述について、「現実的ではない」という声が届くこともあります。
担当者はこの意見について、「そういったご意見をいただくこともありますが、フランスで起こった同時多発テロもありました。身近に感じられる人は少ないかもしれませんが、想定されることです」
冊子配布の狙いについて、「防災意識が定着するような広報・普及活動をしていけたら」と話しました。
修正
都の担当者のテロ・武力攻撃に関する言葉について、都からの連絡で下記の通り修正いたします。
修正前)「身近なことではないかもしれませんが、想定はしています」
修正後)「身近に感じられる人は少ないかもしれませんが、想定されることです」
都は「テロ・武力攻撃について『身近なことではない』とは言えない。言葉足らずの説明でした」と話しています。