こちらはニコニコ超会議「超VRアトラクションズ」 でもよおされた失禁体験会の一幕。ブースには数十人ほどの行列ができていました。
並んでいたのは男性ばかりでなく、女性も。
栃木から来たというゲーム実況者・てらちんさんは「動画を見て、本当にリアルなのかな」と思って足を運んだといいます。体験してみたところ、「恥ずかしかった……」と一言。それ以上は何も聞けませんでした。
失禁体験装置を製作したのは電気通信大学のサークル、ロボメカ工房の失禁研究会。2015年のIVRC(国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト)で総合3位に入賞しました。
同サークルVR部隊代表の亀岡嵩幸さんにお話を聞くと、背景にはネタにとどまらない思いがありました。

この装置、元々は学園祭のために製作しました。足腰が重くなる老人体験の企画をしていた際、高齢者の方は尿意を感じなくなるという課題に気付いたことが、企画のきっかけ。
この取り組みは学園祭で終わる予定でしたが、医療関係者などから「(足腰が重いなどの体験はできるが)失禁って体験できないから、教育できないんだよね」、「おむつ離れにも使えるな」といった話を聞き、改良を続けることにしました。
「ネタとして楽しんでいただくのは嬉しいのですが、それだけでない、アカデミックな側面もあるんです」と、亀岡さんは説明します。


現在、学部3年生。小さいころのころに見たCMがきっかけで、研究者という道を考え始めました。
そのCMで流れていたのは、遠く離れた土地の人たちがやり取りをするという映像。「こういうのがあればいいのになあ」。おぼろげながらも、当時の思いが現在の研究につながっているそうです。

将来的には何かしらVRの発展に貢献したいと考えており、「VRの研究室や、企業などの研究所に入りたいんです」と、力強く語ります。