関西電力の役員らが、高浜原発のある福井・高浜町の元助役から金品を受領していた問題。現金や商品券以外に、小判や金の延べ棒まで贈られていたことが明らかになった。
小判と言えば、時代劇で悪代官が袖の下として受け取る「山吹色のお菓子」。
BuzzFeedは、今回の一件でにわかに注目を集める「山吹色のお菓子」を模した贈答品を販売する、有限会社「セントラル・スコープ」(埼玉県朝霞市)代表の野原実さんを直撃した。

YouTuber効果で注文殺到
「山吹色のお菓子」と言えば、時代劇などで「ワイロ」を意味する隠語。野原さんは時代劇を見ている時に「誰も売っていないなら、自分たちで売ってみようか」と商品化を思い立った。
2007年ごろに販売を始め、ジョーク商品として徐々に浸透。企業や個人、変わったところでは銀座のホステスからも引き合いがある。
上司に渡したところ「おもしろいヤツ」と見込まれ、宴会係を任命された会社員もいるという。
「知る人ぞ知るお菓子でしたが、去年YouTuberのヒカルさんに取り上げられた時には注文が殺到しました」
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総額〇〇円の小判?店長にガチで山吹色のお菓子渡してみた結果ww
ゴマスリ用の腹黒いお菓子
冗談のようなお菓子だが、コンセプトは細部に至るまでこだわり抜かれている。
高級感あふれる箱のなかには、9つの小判。樹脂製の小判風ケースを開けると、焼き菓子のダックワーズが姿を現す。クリームに使われているのは黒ゴマだ。

公式サイトには、こんな風にうたわれている。
《勘の良いお客様ならもう言わずもがな…ゴマスリ用の腹黒いお菓子でございます。『山吹色のお菓子』の意味通り、袖の下としてお客様のお役にたてれば幸甚に存じます》
値段は税抜き3千円と決して安くはないが、これさえあれば「お主も悪よのう」と悪代官ごっこを堪能できる。
関電社長「お菓子かと思ったら…」

各社の報道によると、関電の役員らが受領した金品の総額はおよそ3億2000万円分。
10月2日の記者会見では、岩根茂樹社長の口から「お菓子なのかと思っていたら下に金貨が入っていて驚いた」という言葉も飛び出した。
野原さんは「ウチのお菓子を使っていたら、笑って許してもらえたのに…。『山吹色のお菓子』は“実弾”ではないので、受け取っても怒られませんよ!」と話している。
