雨の日、職場やお店の傘立てから自分の傘を持っていこうとしたら、「あれ? ない!」――。そんな経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。
画一的なデザインのビニール傘を使っていると、どうしたって間違って持ち去られてしまうリスクがつきまといます。
ところが、そんな心配を吹き飛ばす、画期的なアイディアがあるんです。

「お前のじゃない」
先月、コッコザウルスさん(@cocco_zaurus)さんがTwitterに投稿した写真を見て、思わず「これだ!」と膝を打ちました。
そこに写った白いビニール傘には、「お前のじゃない」とラベルが貼られていたのです。
「その手があったか」「天才だ」と話題になり、投稿は8万5千回以上リツイートされ、19万を超える「いいね」がつきました。
わろた。センスある。
「盗みにくくできないか」
しかしこの「お前のじゃない」という文言、いったい誰が最初に思いついたのでしょう。
調べてみると、昨年10月に漫画家の「ほるまりん」さんが、ビニール傘に「おまえのじゃない」と書いて投稿したツイートを発見。5千回以上リツイートされていました。
「考えたのは多分20年くらい前です。 名前を書く以外の方法で、ちょっと盗みにくくできないかと考えたように記憶しています」
「ほかにも持ち手に『盗んだら呪います』と書くとか、傘の内側の縁にビッシリ『罪悪感とかないの? 罪悪感とかないの? 罪悪感とかないの? 罪悪感とかないの?』と書く……いや、これが機能するのは盗まれてからなのですが……とか考えていました」
BuzzFeed Newsの取材に、ほるまりんさんはこう振り返ります。
傘、盗られたくないので書いといた。
「メダロット」の漫画家
実際に試してみたのは昨年が初めて。人の出入りの激しい研修施設の玄関に3時間放置しても、盗まれることはなかったそうです。
ほるまりんさんは、ゲームソフト「メダロット」の開発に参加し、漫画版を「コミックボンボン」で連載した経歴の持ち主。現在は漫画アプリ「マンガほっと」で「メダロットTEPID」を連載中です。
「どうせなら仕事の告知か何かでバズりたいのですけどね」とこぼしていました。

「内務省警保局保安課」の傘
傘の話に戻すと、「お前のじゃない」以外にも、盗難防止のための様々な工夫がこらされてきました。
はんてんさん(@hanten_)は昨年9月、傘に「内務省警保局保安課」「首都圏治安警察機構警備部」といったラベルを貼った写真をTwitterに投稿しました。
「警視庁」など実在する組織の名前を使うと差し障りがあるため、あえて存在しない組織や架空の組織の名前にしたのだとか。
実在しないとしても、これだけいかめしい組織名を冠してあると、やましい気持ちを持った人もおいそれとは盗めませんね。
傘に「警視庁〜」みたいなテプラ貼っておけば傘立てから盗まれないんじゃないかというつぶやきを見て、なるほどしかし実在する組織はまずいのではと思い、もう存在しない組織や架空の組織名を印刷したテプラを傘に貼ってみました。
昨年BuzzFeedが取材した、会社わらし(@Lab_fairy)さんも、樹脂を使って手の型を取った「盗まれにくい傘」を発表しています。
他人には握りづらいうえ、見た目のキモさも手伝って敬遠される――。まさに盲点をついた発想です。
みなさんも、自分だけのオリジナル「盗まれない傘」を考えてみてはいかがでしょうか。
盗まれにくい傘を作ってみた。登録者の手のしわまで刻まれていてそれ以外の手だと握りにくい。あと、キモい。