「死ぬまでギャル服、続けます」60歳のベーシストが恋する人

    打首獄門同好会が新作「そろそろ中堅」を発表。還暦を迎えたjunkoと、親子ほども年の離れた大澤敦史、河本あす香に話を聞いた

    ラウドロックバンド「打首獄門同好会」が、ミニアルバム「そろそろ中堅」を出した。

    ベース&ボーカルのjunkoは昨年末、還暦を迎えたことを公表。激しいライブパフォーマンスと年齢のギャップは多くのファンを驚かせ、たちまちTwitterのトレンド入りを果たした。

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    打首獄門同好会のjunko

    「好きなことをして生きていく」「死ぬまでギャル服でいたい」

    周囲の喧騒を意に介することなく、飄々と語るjunko。ネット上には「勇気をもらえる」という声が広がっている。

    サプライズの「還暦」発表

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    「祝・還暦」の垂れ幕の前であいさつするjunko

    junkoが初めて年齢を公表したのは、誕生日の12月20日に東京・品川のステラボールで開催したライブ「junkoさん お誕生日会」だった。

    「ハッピーバースデートゥーユー」を合唱し、頭上のくす玉を割ると、「祝・還暦」と書かれた垂れ幕が飛び出す趣向。

    しかし、「還暦」という言葉の意味をうまく飲み込めないのか、観客はリアクションを取りあぐねている様子だったという。

    「ダイブの時は、死ぬ気で支えて」

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    ギター&ボーカルの大澤敦史が振り返る。

    「だから、僕が『junkoさん、生誕60年おめでとうございます』って言い換えたわけです。還暦=60歳で間違いないよって。それでもネタだと思われたみたいで、客席から『お前、スベってるぞ』という目で見られて(笑)」

    junko本人が「60歳を迎えます。メンバーとは親子ぐらい年が離れてます」とあいさつし、ようやく観客に信じてもらえた。

    「髪の毛も切る気はないし、一生ギャル服を着続けますって宣言して。あと私がダイブする時は、落とさないように死ぬ気で支えてほしい、とお客さんにお願いしました(笑)」

    終演後、ライブを見にきた大槻ケンヂから大澤へメールが届いた。

    「『僕も実は82歳なんだ』って書いてあって。この人、まだネタだと思ってる!って」(大澤)

    メンバーだって半信半疑

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    左からjunko、大澤敦史、河本あす香

    大槻が信じられなかったのも無理はない。

    バンドの公式Twitterにも「今年一番の驚き」「本当ですか、冗談ですか。はっきりしてください」と驚きや動揺の声が次々と寄せられた。

    メンバーたちでさえ、junkoに年齢を明かされた時は半信半疑だったのだ。

    打首獄門同好会は2004年、大澤とドラム&ボーカルの河本あす香、ベース&ボーカルの高山明とで結成された。

    2006年に高山が脱退し、ベーシストを探していた2人が出会ったのがjunkoだ。

    それから数年後、遠征先の沖縄のホテル。junkoが思い詰めた様子で河本を呼び出し、年齢を告白した。

    「は?みたいな。ビックリしてウソ!冗談でしょ?って何度も聞き返して。junkoさんが『本当だって!』って軽くキレるぐらい(笑)」(河本)

    「クビもやむなし」覚悟の告白

    LD&K / Via amazon.co.jp

    打首獄門同好会の新作ミニアルバム「そろそろ中堅」

    大澤には、メンバーで集まった帰り道、渋谷の宮益坂で打ち明けた。

    「実は…」と切り出すjunko。まさか、脱退――!? 大澤の脳裏に一抹の不安がよぎった。

    ちょうどその頃、所属事務所と正式に契約を交わすという話が大詰めを迎えていたのだ。

    「『これ以上、活動が広がるのは荷が重い』という話も、あり得るタイミングだったんです。いま抜けられてしまったら、どうしようと」(大澤)

    junkoはjunkoで「クビもやむなし」という覚悟を持って、カミングアウトに臨んでいた。

    「立場を置き換えた時に、親子以上も年上のメンバーがバンドにいたとして、私だったらやっぱり、体力大丈夫なん?とか心配になると思うんですよ」

    「会長(大澤)とあす香が知らずに一緒にやってくれている、ということに対して自責の念があって。だから、クビにしてもらってもいい、という決意で言ったんです」

    沈黙、のち爆笑

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    打首獄門同好会 / Via youtu.be

    打首獄門同好会「Shake it up ’n’ go 〜シャキッと!コーンのうた〜」

    「私、年が50ぐらい行ってて…」

    勇気を振り絞ってそう告げると、一瞬の沈黙をおいて大澤が爆笑した。

    「そういうことかと! なんとなく年上だろうということは察してたんで。取材で聞かれた時も、俺とあす香は30代で、junkoさんだけちょっと上ですって、すごい曖昧な言い方で通してましたし」(大澤)

    「『今度で大台です』って1の位の数字だけ言ったりして。ウソはついてないんですけど(笑)」(junko)

    junkoの心配は杞憂に終わった。

    河本は「junkoさんに続けたい意思があるなら、全然問題ない」。大澤も「年齢は関係ない」と言い切る。

    「勇気と夢をもらえた」

    「打首獄門同好会のベースjunkoさんが還暦に」のニュースが想像以上に世間に衝撃を与えているようで それに伴い 「なぜ20以上も歳が離れてる3人が組むことになったのか」 「ていうか他2人はいつからこの事実を知っていたのか」 という疑問がけっこうあるようなので、我々の歴史を描いてみました。

    一連の経緯を漫画にしてバンドのTwitterに投稿すると、1万8千回以上リツイートされ、4万5千を超える「いいね」が集まった。

    「私もそろそろアラフィフ。元気をもらいました」

    「俺も来年47になるけど、これからもライブやフェス行って、暴れても全然大丈夫って気になれた」

    「勇気と夢を与えていただきました」

    ネット上では、そんな共感の声が広がっている。

    Dragon AshのKjが謝罪?

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    同業者の反響も大きかった。

    キュウソネコカミのメンバーはライブで顔をあわせるなり、駆け寄って「あれ、本当なんですか!?」と尋ねてきた。

    Dragon AshのKjからは「今までタメ口聞いて、すみませんでした!」と「謝罪」された。

    「絶対、本気で思ってない。一番、面白がってるんですよ(笑)」(大澤)

    「今までなら、口もきけないような大御所のバンドの方々に声を掛けていただいて。BRAHMANのRONZIさんにも『ウソつき!』といじってもらいました」(junko)

    若さの秘訣は…

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    還暦を迎えたというのに、ライブパフォーマンスが大人しくなる気配はまったくない。10代、20代のバンドマンもビックリの大暴れを繰り広げる。

    「ライブで本当に無茶するんで、いっぱいケガをするんですよ。足を骨折した時も、メンバーに大変助けていただきました」(junko)

    「私、結構手伝ったよ。松葉杖で、ライブ中は椅子に片膝立てて演奏してたよね」(河本)

    若々しさを保つ秘訣はあるのだろうか。

    「いや、何にもないです」とjunkoは首を横に振る。

    「若いって言われるけど、普通にシワだってあるし。同年代の友人があんまりいないので、60歳事情というものがよくわからないんです」

    大澤が言う。

    「ファンの女性たちが、若さを保つ秘訣は何だってjunkoさんの過去のブログとかを漁ったらしいんですよ。でも、100均のコスメしか出てこなかった(笑)」

    失神するほど好きな人

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    打首獄門同好会 / Via youtu.be

    打首獄門同好会「はたらきたくない」

    実はjunkoには「恋」している人がいる。関ジャニ∞の安田章大だ。

    「超エイターなんですよ。安田さんと私をくっつけて、相合傘にするアイコラをつくってます(笑)。うちわもありますし。いろいろ妄想してますね」(junko)

    「女子高生! 60歳じゃなくて16歳だ」と冷やかす大澤。

    「『関ジャム 完全燃SHOW』に出られたらいいね」と河本が水を向けると、junkoは顔を真っ赤にして「いや、失神するから!」と照れていた。

    人並み外れた若さの秘密は、こんなところにあるのかもしれない。

    いまさらスーツは着られない

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    祝・還暦!

    junkoに今後の抱負を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

    「ツアーでお客さんに会うのが楽しみですね。特別な野望はないですけど、いままで通り好きなことをして、楽しんで生きていけたら」

    「いまさらスーツは着られないし、死ぬまでギャル服でいきたいです」

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    〈打首獄門同好会〉 2004年結成の3ピースバンド。現在のメンバーはギター&ボーカル大澤敦史、ドラム&ボーカル河本あす香、ベース&ボーカルjunko。「生活密着型ラウドロック」を標榜し、生活感あふれる歌詞を轟音でかき鳴らす。昨年3月には、日本武道館でのワンマンライブを成功させた。15周年を迎える今年は、8曲入りのミニアルバム「そろそろ中堅」を発売。47都道府県をまわる「獄至十五ツアー」も予定している。

    Contact Ryosuke Kamba at ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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