東京・上野の森美術館で初の個展「マスカレイド・展」を成功させ、長野・大阪への巡回も予定している龍玄とし(Toshl)。
音楽から絵画へ――。未知の領域へと踏み出す背中を押してくれたのは、お笑いコンビ「野性爆弾」のくっきー!の言葉だった。
強烈だった初共演

――くっきー!さんと、としさん。なんだか意外な組み合わせですが…。
「めちゃ×2ユルんでるッ!」という「めちゃイケ」のインターネット版の番組があって、僕が最初に出演したバラエティー番組なんです。
その時、くっきー!さんが僕の顔マネで出てきて。やっぱり、バラエティーの世界って強烈だなと。
破天荒に見えるけど…
めちゃユル終了。あーほんと楽しいんだぁ。 ペニチャッチャこいてコロ寝ここうー TOSHI様でおやすみなさい❤︎
――バラエティー番組デビューだったのですね。
デビューでした。MCの岡村隆史さんもいろいろ抱えていらっしゃったようですが、ブレイクスルーしてまた舞い戻ってこられた。個人的にそこに重なる思いもあっての出演でした。
くっきー!さんとも、その番組で初めて会いました。破天荒に見えるけど、お話しするとすごく礼儀正しくて、真面目な方なんです。
くっきー!さんとご一緒できる番組に、積極的に出演しています。番組でプレゼントしていただいた僕の似顔絵(?)はプライベートスタジオに飾ってあって、その絵を見ると、フッと笑えて、気分をほぐす効果絶大です。
「絵なんか習わへん方がええ」

――くっきー!さんはアートの世界でも注目を集めていますが、アドバイスをもらったりしたのでしょうか。
昨年末に番組でお会いした時に、「実は絵を描き始めて…」と打ち明けました。絵に関しては大先輩ですから。
「でも、一回も習ったことがない。本当の自己流なので、いいのか悪いのかもわからないんですよ」
そう伝えたら、くっきー!さんが「ラッキーですよ! 絵なんか習わへん方がええですわ」と言ってくださって。
習ってないのは超ラッキー。習ったらその枠の中に入ってしまって、なかなかそれが取れなくなる。気にせず、自由に、とらわれずにどんどん描くべきだと。
裏方の作業でも助言
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――勇気づけられますね。
くっきー!さんらしい言葉。それで、僕のなかでポーン!って。ああ、そうだなと。
音の世界を描くというテーマ。そして、絵のノウハウを習っていない、絵の具の「え」の字も知らない僕が描くということ。くっきー!さんに言わせれば、それが逆に強みなんだと。
「すごいオリジナリティーじゃないですか! それに勝るものはないですわ」という言葉をいただいて、すごく気が楽になりました。
また、絵の搬入・搬出だとか、そういう裏方の作業などについても、いろいろアドバイスをいただいたりもしました。
宿命と運命の違い

――『宿命の記憶』という作品と『運命』という作品が展示されていますが、としさんにとって「宿命」と「運命」の違いは。
僕にとって宿命は、生を授かった時から自分の中に宿っている、DNAの中で鎖のように引き継いでいるもの。運命っていうのは、その宿命をぶち破って、自分で創造していくものですね。
宿命と運命って、似ているようで全然違う。宿命はどうしようもないことだけど、運命はもしかしたら自分で変えられるかもしれない命を運ぶもの。
だから、『運命』の右側は真っ赤に塗ってあるだけで、あえて何も描いていないんです。運命って自分で切り開いていくものだから、見た人がそれぞれに思い描いてもらえればと。
プロジェクションマッピングにも挑戦

――今後もアート活動には注力されていくのでしょうか。
もう、描き続けてますね。
東京は「PRE-EXHIBITION」とうたっていたぐらいで規模も小さかったですが、これから長野や大阪を巡って、会場もどんどん広くなっていくので。
――進化する展覧会というわけですね。
これからもっと作品を出しますし、いまそのために作業しています。大阪の前日まで、絵に集中して描き続けるつもりです。
自分の音楽を絵に描き、プロジェクションマッピングで動かすという試みにも挑戦しています。
絵と音楽と映像のコラボレーション。上野で公開した『マスカレイド』に加え、長野・大阪ではさらなる作品を公開します。ぜひご覧ください。

「マスカレイド・展」は東京・上野の森美術館での展示を終え、長野県の北野カルチュラルセンターで9月22日〜10月6日、グランフロント大阪のナレッジキャピタルで10月26日〜11月17日に開催を予定している。音楽活動では、カバーアルバム『IM A SINGER』の第2弾をレコーディング中。