Updated on 2019年1月5日. Posted on 2019年1月5日

    アイドルに戻りたいとは1秒も思わない ある女性アナウンサーの決意と覚悟

    「嫌な人とかかわらずに生きていきたい」。いじめ、挫折、セカンドキャリア…すべてを語った

    AbemaTVで「けやきヒルズ」「AbemaPrime」と週4日のレギュラー番組を持ち、「Abemaの顔」とも称される、キャスターの柴田阿弥。

    小学校低学年で受けたいじめ、SKE48時代の挫折、アイドルからのセカンドキャリア…。「嫌な人とかかわらずに生きていきたい」という柴田が、人生の転機と独自の哲学を語った。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    柴田阿弥

    いじめられて髪を切られた

    ――どんな子どもでしたか。

    小2までめっちゃ明るかったんですよ、キャピキャピ系で。でも、「ぶりっ子」と思われて、クラスの子にいじめられるうようになって。

    しゃべってくれなくなったり、仲間外れにされたり。後ろの席の男の子に髪を切られたこともありました。

    そこから超暗くなって、ガリ勉になって。友達もいなかったですね。

    このまま中学に行ったら、もっといじめられると思って、親に「中学受験したい」と言いました。

    実家で懐かしい昔の写真を発見☺️祖父と弟と私!(笑)こんなかわいい時代もあったんですよ〜笑

    人生が見えてしまった

    ――幼いころからアイドルを目指していたのでしょうか。

    アイドルはすごく好きで、本当にちっちゃいころ、「ミニモニ。」になりたいと思ったことはありました。けど、ある程度成長してきてからは全然そういう感じでもなかった。

    ――ではなぜSKE48に?

    SKEに入ろうと思ったきっかけは、本当にノリです。17歳の高校生だったので。親もビックリしてました。え、そんな感じだっけ?みたいな。不思議ですよね。

    暇を持て余してたんです。人生が9割5分ぐらい見えてしまった。

    地元の名古屋でOLをして、そのまま結婚するんだろうな、みたいな。刺激が足りなかったんだと思います。

    最初にAKBのオーディションに応募したら、切手が足りなくて返ってきちゃって。受かるとも思ってなかったんですけど、不完全燃焼なまま締め切りが過ぎてしまいました。

    すぐ後にSKEの募集をテレビで見て、同じ内容のものをそのまま送ったんです。

    超絶懐かしい写真をもらった😂w オーディションの時の写真(笑) 17歳の時!なんか初々しい〜

    同期の仲はバチバチだった

    ――2010年、4期生に合格したものの、当初は逆風続きでした。

    初めての挫折がSKEでした。同期がいきなり選抜メンバーになって、CDのA面を歌っている。それまでの人生で、あんなに悔しいと思ったことはありませんでした。

    そこそこ勉強もできたし、挫折感を味わったことがなかったんです。

    4期生があまりにダメすぎて、スタッフさんから「辞めちまえ」みたいなこと言われたこともありました。

    同期の仲も悪くて、バチバチでしたね(笑) いまは本当に仲がいいですけど、そうなるまでに4年ぐらいかかりました。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    選抜入れず「辞めようかと」

    ――チャンスは何度もあったのに、なかなか選抜入りできず…。

    「美しい稲妻」(2013年)という曲で選抜メンバーが3、4人抜けて、「次は私じゃん!」って、私もファンの人も思ってたんです。けど、選ばれなくて。

    これで選ばれないならチャンスないなって、本当に辞めようと思いました。あまりにも報われなすぎて。

    選抜メンバーよりも私の方が握手会の列も長いのに、どうして?みたいな。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    総選挙で下克上

    ――ところが、怒ったファンの人たちの後押しで、2013年のAKB48選抜総選挙では前年の圏外から一気に速報8位に浮上します(最終結果は17位)。

    人生が変わりました。そこから仕事がうまくいき始めて。

    誰も私を見てないんだと思っていたけど、ファンの方だけは見てくれていた。総選挙で支えてくださったファンの方々には、感謝してもしきれないですね。

    あの時のことがあったから、いまでも頑張ってる人は報われるべきだと思うし、結果を出している人が正当な評価を受ける世の中じゃないとダメだと思ってます。

    時事通信

    2013年の第5回AKB48選抜総選挙で涙を見せる柴田阿弥

    やっぱり「ひとり」がいい

    ――「賛成カワイイ!」(2013年)でSKEの選抜に入り、「心のプラカード」(2014)年でAKBの選別入りも果たすなど躍進を続けていたにもかかわらず、2016年にはSKEを卒業しました。どうしてですか。

    AKBの選抜に入った後、ひとりの仕事が結構増えたんです。バラエティー番組とかリポーターとかをやらせていただいた時に、私ひとりでやりたいなと思っちゃって。

    学生時代から気づいてはいたんですけど、やっぱり団体行動に向いてないなと。社会に向いてないんです(笑)

    辞めるって決めてから、当時信頼していたマネージャーさんにだけ伝えて。それ以外は1年ぐらい誰にも言わずに、準備を進めてました。親にも事後報告です。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    見つけたブルーオーシャン

    ――キャスターやリポーターの仕事というのは、最初から視野に入っていたのですか。

    もともとはタレント志望で、バラエティー番組のMCやアシスタントになりたくて。

    キャスターやリポーターの仕事にも興味があったので、いくつかお話をいただいたなかから、いまの事務所(セント・フォース)に決めました。

    当時アイドルからフリーのキャスターになった人はいなかったので、これはブルーオーシャンだと。

    (モーニング娘。OGの)紺野あさ美さんのように、テレビ局のアナウンサーになっている方はいらっしゃったのですが。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    やりきったから後悔はない

    ――後悔はしてないですか。

    一度もないですね。戻りたいと思ったこともない。

    嫌だったとかじゃないですよ。私ができることは、すべてやりきったっていう実感がちゃんとあるので。いまあそこに戻っても、やることがない。

    夢叶うのかな、うまくいくかな、と不安になる日はもちろんあります。でも、「アイドルに戻りたい」と思うことは、1秒もないです(笑)

    Hikaru Watanabe

    「けやきヒルズ」キャスターに

    ――「けやきヒルズ」「AbemaPrime」と週4日、2本のレギュラーを持ち、「Abemaの顔」とも言われています(12月までは「柴田阿弥の金曜The NIGHT」にも出演)。

    たまたま、辞めたタイミングがAbemaができたてのころで、運がよかったというだけです。本当にありがたいことで。

    最初は「AbemaPrime」にゲストで出ていたんですけど、チーフプロデューサーの方に「今度、新番組やるから」と言われて。あれよあれよと言う間に、「けやきヒルズ」のキャスターになりました。

    人生何が起こるかわからないです。「美しい稲妻」の時は、本当に辞めてOLになろうと思ってたのに。

    あけましておめでとうございます!生放送4時間半駆け抜けて年越しでした!今年の年越しも面白かったなぁ〜たくさんの人に囲まれて笑いいっぱいの年越しでした! 今年の抱負は【人の3倍失敗する事】です!さぁ、これはどういう事でしょうか!分かったらシバタニスト!笑 #HappyNewYear

    選択肢のひとつになりたい

    ――「けやきヒルズ」は取り扱うニュースも、政治・経済・社会からネットの話題まで幅広いです。どのように準備されているのですか。

    各局の番組を見たり、新聞を読んだり。本当、基礎中の基礎ですけど。あとは事務所で原稿の読み方だとか、VTRのスタジオ受けの仕方をレッスンしてもらって。

    それから毎日、本を読むことも自分に課しています。その時のニュースに応じて、アメリカの政治だったり、中東だったり、経済だったり、テーマはいろいろです。

    この年でやらせてもらえる報道番組はなかなかないですし、「けやきヒルズ」は長く続けていきたいですね。

    これからはネットの時代なので、みんながテレビでモーニングショーやニュース番組を見る選択肢のひとつに食い込んでいけたら、と思っています。

    嫌われても、言うべきことは言う

    ――キャスターとしてお手本にしている人は。

    特定の誰かのようになりたいというよりは、いろんな方を参考にしています。男女問わず、混ぜてますね。読み方や雰囲気、番組に取り組むスタンス含めて。

    たとえば、羽鳥慎一さんは話の展開がうまくて、アドリブも効いていて親しみやすいですよね。

    NHKの和久田麻由子さんは読みが本当に安定しているし、テレビ朝日の宇賀なつみさんは落ち着いていて、大人な感じ。私、報道番組にキャピキャピ感はいらないと思っていて。

    9月まで「AbemaPrime」の司会をしていた、小松靖さんの切り込み方もすごく勉強になりました。

    たとえ嫌われても、言うべきことは言う。出演者の方が言ってほしくないだろうな、という時でも、いく時はいかなきゃいけないんだなと。小松さんもやりすぎる時があるんですけどね(笑)

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    柴田の手もとに置かれた「けやきヒルズ」の香盤表には、「落ち着いて」「自由に」「目の前のことに集中」と書き込まれていた

    原稿を読むだけならAIでいい

    ――柴田さんも結構、ズバズバ言いますよね。

    「AbemaPrime」のチーフプロデューサーに「当たり障りのないことを言ってるだけなら、いる意味がない」と言われて、そこから意識が変わりました。

    ただ原稿を読むだけならAIでもいい。私に求められてるのはそういうことじゃないな、と気がついて。

    嫌われてもいいから、自分の思ったことを言おうと。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    ――キャスター以外でやりたいことはありますか。

    バラエティー番組のアシスタントMCが一番やりたいかもしれないですね。小さいころからバラエティー番組が好きでしたし。

    いじめられてた小学生の時も、テレビと本が友達だったんですよ。「ロンドンハーツ」や「アメトーーク!」を楽しみに生きてたので。

    実際に出ると大変だし、満身創痍になるんですけど、やっぱりテレビが好きなんです。しゃべる仕事が好きだし、自分に負荷がかかるのも楽しいなって。

    自分自身、テレビ番組に元気をもらったので、そういう風になれたらいいなと思います。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    人に振り回される人生は嫌

    ――将来の夢は。

    アイドルのセカンドキャリアって本当に厳しいので、一日でも長く生き残りたいです。やっぱり元アイドルは人数が多いので。

    あとは、大好きな家族や友人たちと、穏やかに暮らしていくことですね。嫌な人とかかわらずに生きていきたい。

    人に振り回される人生が本当に嫌で。とにかく、振り回されないように生きていきたいですね。そのためには、能力と地位と収入がいりますが(笑)

    人間関係、我慢しなきゃいけないんだって思ってる人にも、「そんなことはない」と言って見せられるような人になりたい。

    私みたいに、ひとりで生きていきたいという人が少なからずいると思うので、そういう人の星になれるように頑張ります。

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    〈しばた・あや〉 1993年、愛知県出身。金城学院大学卒。2010年からSKE48で活動。2016年に卒業し、フリーアナウンサーへ転身。現在はAbemaTVの「けやきヒルズ」(平日正午〜、月火金曜担当)、「AbemaPrime」(平日21時〜、木曜担当)、テレビ東京系の「ウイニング競馬」(土曜15時〜)にレギュラー出演中。

    Contact Ryosuke Kamba at ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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