『セーブ回数に制限のある女の子』
そんな意味深なタイトルの漫画が、「尊い」「ほっこりした」とTwitterで話題になっています。
主人公の少女は「セーブ」した日だけ記憶を残すことができるという、特異体質の持ち主。
セーブした日のことは何年経っても鮮明に思い出せるかわりに、セーブをしなかった日のことはすっかり忘れてしまいます。
しかも何回でも自由にセーブできるわけではなく、毎年セーブできる回数には制限があるというのです。
気になる男子に心乱され…
限られたセーブ回数を有効利用するためには、いつの記憶をセーブし、いつの記憶を忘れるか、絶えず取捨選択していく必要があります。
ある程度コツをつかんできた少女ですが、クラスメイトの気になる男子の存在に、すっかりペースを乱されてしまいます。
男子との思い出が忘れがたくて、ついついセーブを多用してしまう女の子。ある時、はたと「まずい……このペースでいったら確実に…セーブ可能回数が足りなくなる」と気づきます。
セーブ回数を節約するために「寝なきゃいいんじゃない!?」とひらめく少女ですが、このアイディアが思わぬ方向へ転がり、物語が展開していきます。
「尊すぎる」「ほっこり」
「尊すぎる」「すごい好き」「ハッピーエンドにほっこり」など、反響が広がっているこの作品。
一風変わったテーマは、どのようにして思いついたのでしょうか?
「元のタイトルは『セーブはこまめにしたいのに』で、昔出した同人誌作品なんですが、自分でもゲームでセーブし忘れて悔しい思いをしたことが多々あって」
「いわゆるゲームあるある的なそのフレーズをテーマに、物語をひとつ描いてみたかったという流れです」
BuzzFeedの取材に、ふかさくさんはこう語ります。特に工夫を凝らしたのが、少女の表情の変化なのだとか。
「表情がころころ変わる女の子が好きなので、できるだけ豊かに伝わっていたらいいなと思います」
「ページ数はそんなに多くない作品ですが、その中でハラハラしたりニコニコしたり、いろんな展開をぎゅっと楽しんでいただけていたら嬉しいです」
このまま忘れ去られるかと…
Twitterでの拡散ぶりには、戸惑いつつも感謝しているといいます。
「当時出した同人誌の印刷数をほんのわずかの時間で抜いてしまって、いろんな方に読んでいただけて…」
「もう完売してだいぶ経っていて、このまま忘れ去られていく作品のひとつになると思っていたので、まさか今になってこんなに反応いただけるとは思わず、ありがたいです」
続編はないけれど
女の子と男の子の「その後」が気になるところですが、続編の予定はないとのこと。
「これくらいのボリュームの気軽に読める短編マンガを普段からコミティアやコミケなどで同人誌にしてちょこちょこ出してますので、ご興味と機会がありましたらイベントなどでお手にとっていただけたら嬉しいです」
ふかさくさんは「まんがライフオリジナル」(竹書房)でも『鬼桐さんの洗濯』を連載しているので、『セーブ回数に制限のある女の子の話』でファンになった方は、ぜひチェックしてみてください。