小袋成彬が語る「思い出の曲」7選

    アニソン、ビートルズ、ヘビメタ…意表を突くプレイリスト

    Jun Tsuboike / BuzzFeed

    小袋成彬

    宇多田ヒカルのプロデュースでデビューすることが決まった、アーティストの小袋成彬(おぶくろ・なりあき)。4月25日にファーストアルバム「分離派の夏」の発売を控え、ストリーミングで先行配信した「Lonely One feat.宇多田ヒカル」も好評を博している。

    BuzzFeed Newsは小袋に「思い出の曲」を選んでもらい、Spotifyでプレイリストを公開した。小袋による解説を読みながら、じっくり聴いてみてほしい。

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    大槻マキ「memories」

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    小学校2年ですかね。「ONE PIECE」のアニメのエンディングで聴いて。ジャンプは買ってなかったのでアニメで後追いしてたんですけど。

    いいメロディーだなと思って、印象に残っています。たぶん、僕の同世代はみんな、わーっ!となるんじゃないですか?

    ビートルズ「Blackbird」

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    ギターで初めてカバーした曲ですね。小学校の中学年か高学年ぐらいに親にアコギを買ってもらって。

    月刊歌謡曲(ゲッカヨ)』という雑誌や、「J-Total Music」「911Tabs」といったサイトでタブ譜を見て、弾けそうなやつからやっていた記憶があります。

    で、完全に「これ弾けた!」と思ったのが、ビートルズの「Blackbird」だったんですよ。弾けそうで弾けない、ちょうどいい難しさ(笑)。難し過ぎず、簡単過ぎず、奥が深くて。

    アイアン・メイデン「Fear of the Dark - Live '01」

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    中学3年か高校1年ぐらいの時、狂ったように聴いてましたね。TSUTAYAだったかでCD借りて。なんか当時、すごく好きだったんですよ。

    中学でエレキギターを買ってもらって、やっぱり速弾きに憧れる時期ですから。『地獄シリーズ』とか、速弾きのフレーズ集を買ったり。

    ちょっと熟練した人が手を出すやつなんですけど、いきなりそこから入っちゃって(笑)。当時の僕には難易度が高過ぎて、全然無理でしたね。

    あとはパッヘルベルのカノンをロック調にするというのがネットで流行っていて、いろんな人がカバーしてたんです。速さを競う競技みたいな。

    友達みんなそういうものに憧れて、「速く弾ければカッコイイ」みたいなところがありましたね。

    森大輔 enjoy with 冨田ラボ「雨雲 」

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    この曲が出たのは2007年ですが、僕が聴いたのは2011年、大学2年ぐらいの時でした。夕暮れ時、市ヶ谷の橋を渡りながら聴いていた記憶があります。

    当時はコード進行とかを勉強していて、この曲の全体的な響きがが好きだったんです。

    まだ音楽はやってませんでしたが、ウズウズしている感じもあって。ちょっと挫折して、鬱っぽい時期でしたね。

    ジェイムス・ブレイク「CMYK」

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    大学2、3年ぐらいの時に聴いていた曲です。それまで時代やジャンルにこだわらずに聴いていましたが、この辺りからリアルタイムで同時代の音楽を追っていくことを始めて。

    「CMYK」が出た時は、「新しい音楽ってこんなに衝撃的なことをやっているんだ」と思いましたね。

    曲の展開も含めて、何もかも新しかった。そんなにクラブとか行くような人じゃなかったので、ダンスミュージックに触れたのもほぼ初めてで。

    曲自体も衝撃的でしたが、「今の音楽を聴くと、こんなに新しいものに出会えるんだ」ということの方が僕には衝撃でした。

    ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調 第2楽章」

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    ここ最近、クラシックにハマっていて、よく聴いているんです。昨年、「アルバムをつくることが僕の使命だ」と気づいたころからですね。

    N.O.R.K(立教大学在籍中に結成したR&Bユニット)の相方や、「分離派の夏」のオーケストレーションを担当してくれた人は、クラシックや楽典的な素養があって。彼らに影響を受けました。

    ラヴェルのこの曲は人間くさいところがあって、美しさだけを見ていない感じがすごく好きです。メロディーもいいですよね。

    ラヴェルではありませんが、今回のアルバムでもバッハのコラールやヤニス・クセナキス的な手法は使っています。

    小袋成彬「Lonely One feat.宇多田ヒカル」

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    つくったのは2016年の冬。11、12月ごろだった気がします。

    ローズという鍵盤楽器を弾いて、歌って、それを徐々に仕上げていったという感じですね。

    途中で僕が歌わない方がいいというか、むしろ第三者的な声が絶対必要だと思えてきて、宇多田さんにお願いして、宇多田さんのパートをつくって。

    プロデュース業やっているうちに、音楽である理由、音楽である意味がわからなくなってきていたんですね。

    アーティストがつくってきたデモをちょちょっとやって。世間が共感しそうなものを投げかけて、数字になって出てくる。果たして、僕は何をつくっているんだろうと。

    以前は「世界を変えてやろう、新しい音楽をつくろう」っていう意気込みでいたんですけど、それよりも自分自身が変わって「なぜ今鳥が鳴いたんだろう」と思う方が、よっぽど人生が豊かになる。

    自己認識を変えることで、世界がグッと変わる。見えないものへ思いをはせることなんかに、人間の創造すべてがあるわけで。それはすごい衝撃的な気づきでしたね。

    絡み合い、もがきながら

    いろいろな曲をあげてきましたが、「この音楽に影響されて、人生が変わった!」ということではないんです。もちろん感動はしますけど、曲に泣かされることがあまりないというか。

    たまにミュージシャンのインタビューで、「誰それのあの曲を聴いて、私の人生は変わりました」ってあると、そんなことねえだろって。その前にもいろいろ聴いてるでしょって思っちゃう。

    人生において、何かがきっかけでこうなった、ということはまったくないんです。すべてが大きなうねりのなかで複雑に絡み合いながら、もがきながらという感じですね。

    記事をまとめづらくしちゃって、申し訳ないです(笑)


    現在ストリーミング配信されている「Lonely One feat. 宇多田ヒカル」に加え、「042616 @London」「Selfish」「Summer Reminds Me」の3曲が、4月4日から追加配信される。

    BuzzFeed JapanNews


    Contact Ryosuke Kamba at ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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