2019年9月21日

    MOMOは生きていた! 世界中を恐怖に陥れた呪いのモンスターが銀座に降臨

    国内外を震撼させたSNS時代の都市伝説「MOMO自殺チャレンジ」。噂はまったくのデマだったが、MOMOのキャラクターはいまなお根強い人気を誇る。廃棄されたと言われていた像がこのほど発見され、東京・銀座のヴァニラ画廊で展示されている。

    世界を震撼させた怪物が帰ってきた。

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    昨年から国内外のSNSを騒がせた「MOMO自殺チャレンジ」。MOMOというキャラクターがYouTubeやチャットアプリなどを通じて子どもたちに危険な命令を下し、自傷に追い込むという触れ込みだった。

    が、実際にはそうしたゲームは存在せず、噂はでっち上げだと判明。しかも、MOMOのビジュアルは日本人の相蘇敬介さん(44)による「姑獲鳥(うぶめ)」という造形作品の画像を勝手に流用したものだったのだ。

    姑獲鳥は廃棄されたはずだったが、数ヶ月前に相蘇さん宅の裏庭で頭部の型が見つかった。相蘇さんは姑獲鳥=MOMOをよみがえらせ、9月から東京・銀座のヴァニラ画廊で展示している。

    世界中から罵詈雑言

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    なぜか「MOMO」として広まってしまった、相蘇敬介さんの「姑獲鳥」

    相蘇さんは映画やテレビドラマなどの特殊造型を手がける「LINK FACTORY」の代表。姑獲鳥はもともと、2016年8月にやはりヴァニラ画廊であったグループ展に出品したものだ。

    「パンチのある怖いものをつくろう」と、お産で亡くなった女の妖怪である姑獲鳥をモチーフに選んだという。

    ギョロリと見開いた目。頬まで裂けた口。巨大な頭部から鳥の足を生やしたグロテスクな風貌は、見る者の恐怖を掻き立ててやまない。

    しかし、そんなおどろおどろしい姿が、MOMOのデマに悪用されてしまった。

    「死ね!」「そんなものをつくって恥ずかしくないのか」

    相蘇さんのもとには、MOMOの存在を信じ込んだ人たちから誹謗中傷のメールが殺到。多い時には1日30通ほど英語やスペイン語など各国語で罵詈雑言が送りつけられ、イタズラ電話までかかってきた。

    ハリウッド映画化の動きも

    The legend is real. Prepare to meet MOMO, coming soon from #OrionPictures. Read the full article on @DEADLINE now. #MomoIsReal https://t.co/7B1KWLvnx0

    狂想曲は終わらない。MOMOチャレンジがデマだとわかると、今度は世界中のメディアから取材依頼が次々に舞い込んだ。

    MOMOが爆発的に拡散されるに連れ、「自殺ゲームの悪役」という文脈から切り離し、愛らしい絵柄のイラストをSNSに投稿する人たちも現れた。

    アジア、南米、ヨーロッパ、アメリカ……。MOMOは「キモかわいい」ゆるキャラとして、インターネット・ミームへと進化していったのだ。

    2016年の幽霊画廊に展示されたLINK FACTORYの相蘇敬介さんの「姑獲鳥」が海外に話題になってます。海外のSNSアプリ内で姑獲鳥の顔使ってるMOMOというアカウント連絡するとグロ画像などで返事来る事でネット伝説になった。しかし原作と妖怪の情報で逆にキモカワのゆるキャラとして人気になりました。

    悪名は無名に勝る。ついには、MOMOのハリウッド映画化をめざすプロジェクトまで始動した(相蘇さんは米映画スタジオMGMと正式に契約を交したという)。

    姑獲鳥はどこへ?

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    MOMOの都市伝説が鵺のように虚実を呑み込み膨張していく一方、その中心にはぽっかりと穴が開いたままになっていた。

    「オリジナル」である姑獲鳥像が行方不明になっていたからだ。3月時点でのBuzzFeedのインタビューに、相蘇さんはこう語っていた。

    「去年の夏前ぐらいに破棄してしまいました。シリコン樹脂でできているのですが、オイルが垂れて傷んでしまって。残骸はまだウチにあると思いますが」

    なかには「モモは死んだ」と踏み込んで報じるメディアもあった。ところが夏ごろ、この「残骸」が発見されたことで、事態はにわかに動き始める。

    「自宅の裏庭にゴミが積んであるのですが、そこから頭の部分の型が見つかったんです。胴体はありませんでしたが、顔だけがちゃんと残っていた。もう、ありがとう!という気持ちでしたね」

    乗って遊べる新生MOMO

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    生まれ変わった姑獲鳥=MOMOと相蘇敬介さん

    こうして姑獲鳥=MOMOの復活計画はスタートした。

    ヴァニラ画廊で9月13日から始まる個展「怨念ガールズレボリューション」の目玉展示として、相蘇さんは2週間かけて頭部を復元し、新たに胴体もつくり直した。

    「お産で亡くなった妖怪」という姑獲鳥の本来のコンセプトに立ち返り、作品を囲う壁一面は赤ん坊のオブジェで埋め尽くした。

    とはいえ、ただ元通りにするだけではつまらない。「新しいMOMOをつくりたい」と電動ポニーを改造して、MOMOの上に乗ることができるようにした。

    100円玉を入れるとグイングインとMOMOが動き出す仕様は、なかなかにシュールだ。

    MOMOと一緒にチェキも

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    「怨念ガールズレボリューション」のテーマは、五感に訴えること。

    見るだけでなく、触ったり、食べたりと様々な体験を楽しめるポップなお化け屋敷風のアトラクションとなっている。

    MOMOもハート柄の衣装などでキュートに装飾されており、世界中を戦慄させたかつての面影はない。

    「あまりにも怖がられてしまったので、今回はファンシーでポップな展示にしようと。怖さだけじゃなく、笑いの要素も入れました」

    「触ったり、乗ったり、一緒にチェキを撮ったり。親しみやすく生まれ変わった姑獲鳥=MOMOをよろしくお願いします」

    Ryosuke Kamba / BuzzFeed

    姑獲鳥にまたがり笑顔を見せる相蘇敬介さん。MOMOの動きは意外に激しいので、来場者は振り落とされないようにしっかりつかまってほしい

    【怨念ガールズレボリューション】

    会期:9月29日(日)まで。平日15〜19時、土日13〜19時

    会場:ヴァニラ画廊展示室AB

    住所:〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2F

    入場料:1600円。チケットは特設ページで購入できる。当日券なし。


    Contact Ryosuke Kamba at ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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