Updated on 2019年6月6日. Posted on 2019年6月3日

    夫の育休直後に転勤命令「信じられない」妻が告発 カネカ「コメントは差し控えたい」

    「有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。産後4か月で家族4人を支えます」。妻のツイートが反響を呼んでいる。

    夫が育休取得後に関西転勤を命じられ、乳幼児2人を抱えて退職を余儀なくされたとする妻のツイートが大きな反響を呼んでいる。

    妻は名指しこそしていないが、「カガクでネガイをカナエル会社」というキャッチコピーを明かしたことで、化学メーカー大手のカネカのことだと受け止められ、同社への批判が殺到。

    カネカは、BuzzFeedの取材に「コメントは差し控えたい」としている。

    「新居に引っ越して10日後に…」

    改めて決意 夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。 いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。 私産後4か月で家族4人を支えます

    《改めて決意

    夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。

    いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。

    私産後4か月で家族4人を支えます》

    パピ_育休5月復帰」さんが6月1 日、こうツイートすると3万7千回以上リツイートされ、4万5千を超える「いいね」が集まった。

    リプライ欄には「今時こんなことがあるなんて悲しすぎます」「最低ですね」「うちの会社でも数年前パタハラありました」といった声が寄せられている。

    パタハラとは「パタニティ・ハラスメント」の略。男性の育児休業取得などに対する、上司や同僚からの嫌がらせを意味する。

    パピさんは4月23日にも転勤の内示の件について投稿。「信じられない」「何もかもあり得ない」と驚きをあらわにしていた。

    信じられない。 夫、育休明け2日目で上司に呼ばれ、来月付で関西転勤と。先週社宅から建てたばかりの新居に引越したばかり、上の息子はやっと入った保育園の慣らし保育2週目で、下の子は来月入園決まっていて、同時に私は都内の正社員の仕事に復帰予定。何もかもあり得ない。

    わお!みなさまありがとうございます!補足すると、内示言われてから居住地域の労働局、人事、労働組合、都の労働局に相談しています。「社員の転勤命令は違法ではない」が統一意見でしたが、そこに妥当性(どうしても夫でなければならない、このタイミングでなければならない)が見られるか、が→

    ポイントでした。私たちは、転勤は応じるとしても生活が落ち着いていないので(社宅から建てたばかりの新居に引越して10日後)せめて1か月延ばしてほしい、と上司にお願いしましたが、聞き入れてもらえず。5月16日付で転勤、は絶対。4月23日の事でした。 #カガクでネガイをカナエル会社

    仕方なく連休明けに上司に、5月に関西転勤はできないから退職しかない、と伝え、ただ夫はじめたプロジェクトを責任持って軌道に乗せたいから東京で6月まではやらせてほしい、次への準備に20日以上余った有給を消化させてほしい、と頼んだけど、辞めるなら5月末だから、と切られ、ボーナス無し。

    仕事と家庭の両立を強調

    カネカ

    カネカはホームページの「ワークライフ・バランス」の項目で、育児休業や介護休職、短時間勤務などの制度を紹介。以下のように記載していた。

    《当社では、社員が安心して活き活きと働けるよう、柔軟で自律的な働き方の拡充や、仕事と家庭の両立に向けた取り組みを進めています》

    《当社は2009年度に、社員の子育てを支援していると認定された企業に付与される「くるみんマーク」を取得。次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画」を策定し、目標達成のために取り組みを継続しています》

    《さまざまな制度を活用できる職場環境整備が進み始めています》

    今回の「告発」をどのように受け止めたのか。BuzzFeedが広報部に取材すると、担当者は次のように回答した。

    「Twitterの投稿は認識していますが、当社に宛てた書き込みではないないので、コメントは差し控えさせていただきます」

    ホームページの削除は否定

    カネカ

    カネカをめぐっては「今回の炎上後に、育休に関するページを削除したのではないか」との指摘も出ていたが、広報担当者は明確に否定した。

    当社では一切触っていません。新しいホームページに移行した影響かもしれませんが、まったく他意はございません」

    また、パピさんが《本社で2人目の男性育休取得者で、取得前人事からは、社会の流れから男性育休の事例作らなきゃいけないんです、的な事言われてた》とツイートしていることに関しても、こう指摘した。

    「2人目ということはありません。10人近くとっているはずなので、その点は違います」

    働き方の議論活発化「よかった」

    パピさんとの一問一答は次の通り。

    ――Twitterで告発された理由は。

    正直「告発」したつもりはありません。結果的にそうなりましたが、あくまでも、私個人の育児アカウントで、私個人の決意として、フォロー中のパパ・ママ仲間へこれから一馬力でがんばります!と決意を述べた感じです。

    見ていただければ分かりますが、これらの経緯は今回のことが起こった4月からつぶやいていたことです。ただ6月にハッシュタグなど引用したのは、周りへの警笛やこんな事例もありますというのを知ってもらいたかった、というのはあります。

    ――大きな反響がありました。

    とても驚いています。反面、全部ではありませんがリプやDMを読ませてもらう限り、応援しています!とともに私も…私の知人も…というのが圧倒的に多く、個人のひとつのつぶやきから離れて、働き方や会社のあり方、今後の課題などいろいろな議論が交わされているのはよかったのかな、と思います。

    今まで、慣例だから仕方ないよね、と暗黙に流されてきたことも表面化したかと。ここまで拡散されたのは、みなさんの中で自分ごとになりシンクする部分や共感する部分、明日はわが身、なことがあったかと思います。

    ――上司は急な転勤の理由について、どのように説明したのでしょうか。

    夫の能力をより発揮できるから、ということでした。ただ、どうしてこのタイミング?どうして夫じゃなきゃいけない?には最後まで答えられず、うやむやにされました。

    ――パートナーさんはなんとおっしゃっていますか。

    自分を必要としない所にいる意味ないので、さっさと前を向いて動いています。保育園問題(片方が無職だと今の認可園を2か月で出されてしまう)はありますが、次を選びつつ少し子どもたちとの時間を楽しみます。

    ――会社内での男性育休取得者は2人目ということでしたが、「取得前」にもなんらかの嫌がらせや引き留めはあったのでしょうか。

    正確には、東京本社で2人目、で他支社や海外支社など含めるとまだいらっしゃると思います。取得前の嫌がらせや引き止めはありませんでした。

    ――改めて、カネカに言いたいことは(日本企業全体に対して、でも結構です)。

    会社に対しては特にありません。今後の対応に期待します。

    日本企業に対しては、働き方改革の名のもと制度はつくっても、従業員のニーズや価値観はどんどん変わっていて、中身・実態が追いつかずに取り残されていくのでは?と。お互いのギャップをつくるのではなく理解が必要かと思います。

    UPDATE

    「パピ_育休5月復帰」さんの見解を追記しました。

    Contact Ryosuke Kamba at ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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