「ひよっこ」「ちゅらさん」の脚本家・岡田惠和さんと、銀杏BOYZでの音楽活動と俳優業の双方で存在感を発揮している峯田和伸さんが、小説『いちごの唄』(朝日新聞出版)で異色のコラボを実現しました。

銀杏BOYZの7つの名曲を、岡田さんが全7章の青春物語へと昇華させ、峯田さんが挿絵を手がけた注目作。来年には映画化も予定されています。

BuzzFeedは『いちごの唄』の世界をより深く楽しむために、7曲を集めたSpotifyのプレイリストをつくりました。
手元にある方は読みながら、未読の方はストーリーを想像しながら聴いてみてください。
地方の田舎町に住む中学3年生、笹沢コウタと伸二は親友同士。下校途中の長い下り坂を、ノーブレーキの自転車で一気に駆けおりるのが日課だ。
クラスメイトの天野千日(あーちゃん)は2人の「女神」。猛スピードであーちゃんの横を抜ける時、ほんの一瞬だけ視線が合う。コウタはそれが嬉しい。
永遠にも思える日常――。だが、ある事件が起き、伸二はコウタとあーちゃんの前から姿を消してしまう。
4年後の七夕、コウタとあーちゃんは東京・高円寺で偶然再会する。
一緒にラーメンを食べ、他愛のないおしゃべりをしながら環七沿いを歩く2人。あーちゃんは、不意に涙を流した。
コウタは来年また会おうと持ちかけ、あーちゃんは「いいよ」と答えた。
1年後、あーちゃんは約束の場所に姿を現した。去年と同じ、ラーメンと散歩。
「また来年会えるよね」と言って、あーちゃんは野方の駅の方へ消えていった。
翌年、待ち合わせの午後5時に10分遅れて、あーちゃんはやってきた。
別れ際の表情はもの悲しげで、コウタの脳裏に「今日で終わりなのかな」という予感がよぎる。
1人になってiPodから流れる「ぽあだむ」を聴きながら、涙が止まらないコウタだった。
偶然の再会から4度目の七夕。あーちゃんは30分以上遅れて来た。
コウタのふとした一言にあーちゃんは怒り、せきを切ったように伸二との「過去」について語り始める。
「コウタ君と会うと、楽しいぶん、辛いの」。そう言い残して、あーちゃんは走り去っていった。
次の年、あーちゃんは来なかった。
24歳になったコウタのもとに、中学校の同窓会のしらせが届く。コウタとあーちゃんを待ち受ける運命は…。
――続きはぜひ、小説で確かめてくださいね!
BuzzFeedでは、峯田和伸さんと岡田惠和さんの対談記事も配信しています。